ep.31
お久しぶりです。
大変長らくお待たせいたしました。
何の音沙汰も無しで本当に申し訳ない。m(__)m
恥ずかしながら、今更投稿させていただきます。
(無理に読まなくてもいいですからね?)
ー簡単なキャラ説明ー
・修二 …主人公
・クーシィ …修二のペット。
元は猫だが最近は人型になっていることが多い。
・ルン …修二がテイムしたスライム。
・勇者 …召喚された日本人。
このことに神は関与していない。
・姫 …勇者を召喚した張本人。
勇者の扱いにたけている。
~前話までのあらすじ~
王都に来た修二たち。
翌日には勇者が召喚されたとかで歓迎祭が行われた。
祭りを十分に堪能した修二たちは噂で聞いた迷宮へと向かった。
そこで待っていたのは、変な言葉が書かれたTシャツを着たゴブリンだった。
ドロップ品や宝箱のアイテムにツッコミを入れながらも難なく迷宮を進んで行き、ボス部屋までたどり着いた。
その部屋の先で待っていたのは……………!?
~~
扉をくぐった先にある広い部屋。
教室くらいの広さのその部屋には5つの影が一列に並んで佇んでいた。
辺りはまだ暗く、影の正体までは分からないが大きさと形からゴブリンだろうと予想できる。
修二たちが部屋の中ほどまで進んだとき、パッと部屋全体が明るくなる。
そのおかげで見えた影の正体は、修二が思わず「は?」と呟いてしまうものだった。
それは予想していた通りゴブリンなのだろうがその姿が異様である。
緑、黄、桃、青、そして赤色のピチピチのタイツとマスクを付けた姿はまるで戦隊もののヒーローのようである。格好だけはそのままだ。
そんな奴らが決めポーズと共に動き出す。
「ゴブ! (風のゴブグリーン!)」 ドォーーン と背後で緑色の煙と爆発音。
「ゴブ! (地のゴブイエロー!)」 ドォーーン と背後で黄色の煙と爆発音。
「ゴブ! (癒しのゴブピンク!)」 ドォーーン と背後でピンク色の(ry。
「ゴブ! (水のゴブブルー!)」 ドォーーン と背後(ry。
「ゴブ! (炎のゴブレtt――――ドゥォガーーン! と足元で大爆発。
不意の攻撃になすすべなくゴブレンジャイ(仮)は全員撃沈した。
部屋に沈黙が訪れる。
その沈黙に耐えられなかったかのように修二は口を開く。
「………何言ってるのかは分からんかったが、何故か止めなきゃいけない気がした」
と、修二氏は供述しています。
そんなこんなで1階層を突破した修二たちは2階層へと進んでいく。
2階層は1階層と変わり映えのしない光景であった。
実はループしているのでは、と疑ってしまうほどである。
しかしそんな心配は直ぐに杞憂に変わる。
1階層とは別の魔物が現れたからである。
現れたのは何とも言い難い生物であった。
地球での生物に無理やり例えるならマーライオンが近いだろうか。実在はしないが。
上半身は体毛がボサボサと散らかった犬のようで、その下に繋がっているのは魚の半身のようだった。
魚のような下半身は、オタマジャクシがカエルになりかけているときのように足が生えていた。
歩くとぺちぺちと音のなる足の指の間にはしっかりと水かきが付いている。
冒険者たちの間では『犬魚』などと呼ばれている。
正式名称は『シーリバー・ドゥルシュ』という無駄にいい名前をしている。
「……また奇妙な魔物がでてきたなぁ」
「…むう。…魚臭い、……いや獣臭い」
猫であってもあの魔物を魚と認めるのはためらうようだ。
修二とクーシィが観察している間に犬魚はペチペチと音を立てながら修二たちに近づいてくる。
向こうとこちらの間が5mを切るところで犬魚は立ち止った。
修二たちは犬魚の動きのの遅さに呆気を取られながらも一応警戒はしている。
犬魚はその場で大きく口を開け―――――――
「オブォロrrrrrrrrrrrrrrrr!!」 ドバァァーー!
口の中から大量の濁った水を吐き出した。
「うぉっと!」
修二たちは警戒していたためその水を被ることなく避けられた。
しかし、吐き出されたものは消えずに残っており地面に水たまりを作っている。
ドロッとしていて完全にアレである。
…詳しい描写は自主規制。色は透明に近いとだけ補足しておく。
その水の上を犬魚がスイーと滑るように進んでくる。
まるでスケートのように。
ただしびちゃびちゃと音を立てながら。……汚い。
あんなものに接近されてはたまらないと修二たちは後ろに距離をとる。
「ある意味で厄介な敵だな」
「…うん。…近づきたくない。…臭いし」
「きゅっ! (`・ω・´ ) 」
修二とクーシィが犬魚の攻撃に戸惑っていると、ルンが単身で突撃する。
犬魚は先ほど修二たちが立っていた場所で立ち止り再び水を吐き出そうとしていた。
ルンも犬魚と修二たちとの間で攻撃の予兆を見せる。
「オボグォオロrrrrrrrrrrrr」
「きゅーーーーーーーー! ー(`・ω・´-) 」
犬魚が水を吐き出すと同時にルンも液体を吐き出した。
いや、ルンのは噴射と言った方がいいくらいの勢いがあり、犬魚の吐いた水を巻き込みながら犬魚へと突っ込んだ。
「フギューーー!」
犬魚が悲鳴と共に通路の奥に飛んでいく。
水圧に耐えられなかったようで、2、3度跳ねた後、力尽きて消えた。
残ったのはドロップアイテムのみで、地面にあった水たまりは犬魚と一緒に消えていた。
「おお、ナイスだルン!」
「きゅぅい d(´ω`* ) 」
ルンの活躍により脅威?はなくなったのでドロップしたアイテムを確認しに行く。
追加で犬魚が来ないかも警戒しながら進んでいる。
近くに魔物はいないようなので今のうちに確認してしまおうとアイテムを拾い上げる。
それは魚の干物であった。
濃い緑色をしているため何の魚なのかはわからない。
もしかしたらこの世界にいる魚かもしれない。
それにしても、この干物はちゃんと頭から尻尾まである。
犬魚のどこにこんなものがあったのか、謎である。
「とりあえず魚はポーチに入れておくか。それと次にあの魔物が現れたら攻撃される前に遠距離から先に仕留めてしまおう」
「…うん、それがいい」
やられる前に殺る。
実際、犬魚は移動速度が速くないため、遠距離からチクチクと攻撃し、倒すのが有効である。
そんな作戦を立てながら進んでいく修二たち。
マイペースながらも着々と迷宮を攻略していくのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一方、勇者の方では。
「では、実践を経験するために迷宮へと行きたいと仰るのですね?」
祭りが無事に終えられたと気が緩んでいる城内で、迷宮が存在すると知った勇者が姫にダンジョン攻略を申し出ていた。
テンションが高い勇者とは反対に姫は何か悩まし気である。
「ああ、城で兵士相手に訓練するのも大事だとは思うが、やっぱり実際の戦いというものも経験しておいた方がいいと思うんだよ」
と、建前を述べているが、本心はファンタジーな単語が出てきたため居てもたってもいられなかったのである。
この言葉が建前だと姫も見抜いていた。
何しろ、‘戦い’を経験したいという者が興奮した様子で、しかも笑顔を浮かべているのはよっぽどの戦闘狂か戦いを娯楽かなにかと勘違いしているかのどちらかである。
今回の場合は迷宮をレジャースポットだと思っている輩、の可能性もある。
1つ目は犯罪者や達人と呼ばれる変態共に多く、それ以外の2つは新人冒険者に多い。
犯罪者や変態の心理が常人にわかるはずもない(わかったら同類)ので置いておくとして、新人冒険者の方はある意味仕方のないことなのかもしれない。
何故なら、冒険者になるような人は大抵、綺麗に言えば‘夢’、汚く言えば‘野望’を持って加入するものが多いからだ。
冒険者の仕事の大半はハイリスクハイリターンである。
そのハイリターンで大金を稼ぎ、贅沢な暮らしがしたいという野望を持って冒険者ギルドに集まる。
リターンばかりに注目し、リスクを視界の端に追いやりながら……。
こう言う輩が多いのは人間の欲望の強さゆえに、というのもあるだろうが、小さいころの夢物語などで大成功した冒険者の話しを聞かされて育つというのもあるだろう。
まぁそれも‘新人’と呼ばれている間だけである。
中堅と呼ばれるまでになった冒険者は一部を除き、現実を知っていくものである。
一部とは………どこにでもバカはいるものだ…。
話が逸れたが、姫もこういったことは理解していた。
ゆえに勇者が後者、新人冒険者側だとわかった。
‘殺し’に慣れていない行動や言動、顔をしているのだからまるわかりだ。
そこまで理解して姫が悩んでいるのは、迷宮とはいまだ謎が多く何が起きるかわからない場所。
そんなところにいきなり勇者を連れて行って平気だろうか、ということ。
しかし勇者の機嫌を損ねたくないということもあり了承することに。
(いざとなれば私がフォローをすればよろしいでしょう。勇者様は単じゅ……純粋ですからね)
「分かりました。十分な準備をした後、迷宮へ向かいましょう。もちろん私もついて行きますからね。準備が整うまでは兵との訓練を行っていてくださいませ」
準備が整い迷宮へと出発したのは3日後のことだった。
修二たちはまだ迷宮に潜っている。
お読みいただきありがとうございます。
もっと早く投稿しようと思っていたんですけどなかなか筆が進みませんでした。
おそらく戦闘描写だったからだと思います。(あとやる気)
なのでとっとと迷宮編は終わらせます。
あと、久しぶりの執筆なので言い回しが違ったらご指摘もしくは見逃していただければと。
今日が何の日かお判りでしょうか?
はいそうです。エイプリルフールです。
とは言っても本編には関係ないです。
実は“更新再開”というのが嘘です。
打ち切りにはしませんが、またかなりの期間が空くと思います。(←いつものこと)
こんな為体な作者ですが、お付き合いいただければ幸いです。




