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神様の観察対象  作者: LUCC
第三章 最近の勇者は勇者(笑)が多すぎる
25/31

ep.25

お久しぶりです。


遅くなって申し訳ありませんでした。

行事やら風邪やら色々あったんですが遅れた一番の原因はモチベーションです。

このあたりは後書きに書きます。


とりあえず、

少し短くなってしまいましたがどうぞ↓

部屋の外は入った時とほとんど変わりがなく、変わっていたとしても日が少し西に傾いて気温がちょっと上がったかな、ぐらいである。


「さて、歩くのもめんどくさくなってきたし、この前作ったアレを出すか」


そう言って修二は虚空に手を伸ばし魔法を行使する。

すると黒い楕円が縦長に修二の腰ほどまで広がり空中に固定された。

その、どの角度から見ても黒い円に見えるものに修二は手を突っ込み、中にあったものを掴み出す。

取り出されたのは、2つのタイヤ、両手で握るハンドル、本体は細長く色は暗いグレー。

そう、異世界チート定番乗り物の一つ、セグウェイである。

……………………意義は認めない。


何故セグウェイなのかは、修二が前世で一度乗ってみたいと思っていたという単純極まりない理由なのだが。

修二はそれに乗り、クーシィは修二の上に肩車状態で乗った。


「よしじゃあ行くぞ、落ちないようにしっかり掴まっていろよ」


「んっ」


クーシィが修二の頭にしっかりと捕まったのを確認すると、セグウェイがゆっくりと走り出す。

初速はかなりゆっくりで、歩く速度とほとんど変わりなかったが、段々スピードが増していき終いには時速50kmは出ているのではないかというくらいになった。

普通そんな速度を何の防備も無しに走るなんて自殺行為レベルで危ないのだが、そこは魔法クオリティ。正面からくる尋常じゃない風も、タイヤから伝わる全く舗装のされていない地面の振動も全て魔法という便利チートによって快適な状態に改善されている。


しかしいくら快適に魔改造(文字通り)したといえど全てを補える訳では無い、…………………はず。



まもの(キラーウルフ) が あらわれた。 


たたかう

どうぐ

にげる

轢く  ← ピコンッ



キラーウルフ は ふきとばされた。

魔法で強化されまくったセグウェイには勝てなかったよぉ。



細い車体でどうやって大型犬以上の体格を持つ魔物を跳ね飛ばせるのか、まぁもしかしなくても魔法なのだが………。もう魔法が飽和状態で、とりあえず魔法と言っておけば全てて解決しそうな今日この頃。

修二の探索範囲(魔法によって周囲を警戒していた)に怪しげな集団が。

道の付近に生えている木の影や草の影に息を潜めるように隠れている者たちが10名ほど。

彼らはどうやら盗賊のようだ。修二の乗るセグウェイのスピードに驚きつつも相手が少人数だからか張り切っているように見える。

盗賊たちの潜んでいるところまであと200mというとこまで来ると、一人の盗賊が修二の進路上に姿を現した。このままではさっきの魔物と同じ運命を辿ることに…………。


と、ここでセグウェイの新機能。

盗賊の前までノンストップでくるとタイヤが跳ね、車体が浮き上がった。

そうこのセグウェイはジャンプすることが出来るのだ。


跳びあがったセグウェイはそのまま盗賊の頭の上を飛び越え――――――ることなくドンッという鈍い音と共に盗賊の頭に激突し、撃沈させた。

心の優しい(笑)修二は他の人が盗賊の被害に遭うことがないようにとそのまま止まることなく、周りの盗賊たちに向かって走っていく。

一人一人、頭に激突→撃沈、を繰り返した修二は、いいことをしたという清々しい気分よりも、セグウェイに乗ったまま上下運動を繰り返し、少々胃の中がシェイクされて気持ち悪くなっていた。

ジャンプするのはなるべく控えた方がいいな、という修二のつぶやきにクーシィも口を押えながらコクコクと頷く。


暫く順調に進んでいるとまた探索に引っかかる者が。

今度は一人の女性が複数の男共に囲まれているようだ。悲鳴を上げていないため戦闘初心者という訳ではないのだろうが、彼女は魔術師のようで一対多の状況では不利であろう。


「これで充分だろ」


そう修二が言った後、囲んでいた男達は見えない何かにアッパーを食らったかのように後ろに倒れた。

中心にいた女性は何が起こったか理解できず暫し呆然としていたが、助かったことは分かったのか今のうちにとばかりに周りに散らかっていた男達をどこからか取り出した縄でまとめて縛り上げていた。






テンプレのオンパレードを体験しながら修二たちは日が完全に落ちる少し前に王都に到着した。

これだけ聞くと前の街と王都の間に何も無いように聞こえるが、そんなことはない。

ただ、寄る必要がないと修二が全てスルーしてきたからだ。


王都入口の門は冒険者カード見せたら即入ってよし、と言った感じだった。王都なのにそれでいいのかと思うほどのざる警備である。

まあ街の中にも門があり、それによって貴族、王族と平民らを分けているからその門をしっかり守っていればいいのかもしれんが。


「まずは宿かな」


「ごはん」


「まぁ確かに腹は減ったが、先に宿を取っておかないと空きがなくなるからな~」


「…………………ん」


「分かってくれたようで何より。宿を確保したらすぐに飯にしよう」


屋台のにおいに負けてお腹を空かせたクーシィに急かされながら、修二は宿を探す。

幸い一件目にして空きが見つかり、客への対応もいいため、当たりだなと思いながら一部屋借りた。

一部屋なのはいつも寝る時は同じベッドだったからだ。クーシィは寝る時は猫の姿になるので絵面的にも問題はない。宿屋の主人には仲の良い兄弟とみられていたようだ。


新しい場所に来て若干興奮状態の二人は宿近くの屋台を食べ歩き、日が落ちて辺りの闇が濃くなってきたころに宿へと戻った。

興奮がまだ抜けきってはいなかったが、朝から動いて色々あったせいか、ベッドに入ると一人と一匹は直ぐにぐっすりと眠りに落ちた。





お読みいただきありがとうございます。


今回短い割にはネタがいつもより多かった気がします。

(気のせいかもしれませんがww)


前書きに書いたモチベーションなんですが、要は私がこの小説を書くのにあたって筆(指?)が進まない、ということなんです。

設定をまじめに考えすぎて先が進まない状況になってました。

なのであまり深く考えず、勢いで書くことにしました。

今後、設定の矛盾等が出てくると思いますが、指摘もしくはスルーしていただけると助かります。


あと投稿時間を6:00→7:00に変更します。深い意味はありませんww。


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