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神様の観察対象  作者: LUCC
第三章 最近の勇者は勇者(笑)が多すぎる
24/31

ep.24

お待たせ致しました。

やっとの更新です orz 。


2週間以上、間が開いていたのでブックマーク数が減ったかなぁと思っていたんですが、徐々に少しずつですが増えていったことに大変驚いています。

この小説が気に入って頂けたのなら嬉しい限りです。



涼しく爽やかな風が肌を撫でるように吹き抜けていく。

太陽はは雲一つない空の上で燦々としていて、足元草はその光を吸って淡く光を発しているようにみえる。

実際に光っている訳では無いのだがこの目の前に広がる緑一面の景色がそう思わせるのかもしれない。

しかし、そんな幻想的な光景も永遠かのように続けば飽き飽きしてくるのは仕方のない事だろう。


修二が街を出て、王都のある北西に向かって歩き始めて約2時間が経っている。

地球にいたころならすでに歩き疲れてバテていただろうが、こちらの世界に来てからチートな方法で能力値を底上げしているため身体的な疲れはない。今の能力値なら1日中歩き続けても平気なくらいだ。

ちなみに現在のステータスはこうなっている。




名前 シュージ・カンナミ (15) 男

種族 普人族ww

職業 冒険者

能力 体力 E 2147483647

   魔力 E 2147483647

   筋力 E 2147483647

   俊敏 E 2147483647

   知力 E 2147483647




種族の欄は一旦置いておくとして、能力の欄に“E”があるのはおそらくエラーのEなのだろう。

2年間の修行?というより能力値上げ作業の最中にあまり確認することがなかったステータス。

数値を見なくても上がっているというのが実感できるほどの勢いだったため、暇な時にたまに確認する程度だった。そして気が付いたら数値がエラー状態になりそれ以上変化しなくなっていたのだ。

ただ、数値は変化していなくても能力値を上げることには効果があると体感的に分かったので意味がないわけではない。


種族が何故か笑われているのだが、その原因は正確には分からない。

まぁ種族が変わる前までやっていたことと言えば能力値上げくらいしか行っていないのでほぼ100%上がりすぎた能力値が原因だろうが。



とまぁこんな馬鹿げたステータスを持っている人?がたかが2時間くらいの歩きでバテる筈がないのだが今修二は「まだ王都には着かないのか」と言いたげな表情でゆっくりと歩いている。

勿論、身体的な疲労ではなく精神的な疲労によるものだ。

精神的疲労とは言っても大したことはなく、ただ単に、同じ景色が何度も繰り返されているかのような変わり映えのない状態にかなり飽きてきただけである。

それでも素直に歩き続けるのは、せっかくの旅路を急いで通り過ぎてしまうのは何かもったいないような気がしする、という思いが修二の中に少しだけあったからだ。


途中襲ってくるモンスターを、その辺の石ころを蹴飛ばすような感覚で瞬殺しながら昼まで歩き続けた修二はとりあえず昼ご飯を食べることにした。

前に前にと動かし続けていた足がピタリと止まる。

そしておもむろに右手を上げると、何処からともなくスゥと濃茶色のドアが出現した。

ドアノブを回して開き中に入っていく修二。

修二が中に入るとドアは勝手に音もなく閉まり、出てきたときと同じようにスゥと消えていった。






「ただいま~」


「…お帰りなさい」


「………(ぷるっ)」


修二が帰宅?を告げると帰ってくる声。その持ち主は考えるまでもなく、クーシィである。

そしてここは修二が魔法で作りだした、元の空間とは異なった空間にある部屋。

この魔法を作ったのは結構最近のことで、ルンがアイテムポーチの中に入れたことをヒントに作り出したものである。

前にも似たようなことを試してはいた。しかし魔法で作った空間は不安定で、作ることはできるのだが維持することが難しく、常にその空間を意識していなければ消滅してしまうような脆さだった。

今回成功したのはこの部屋を見ればわかるかもしれない。

この部屋は修二が2年間拠点として使っていた家の部屋によく似ている。

完全に一緒ではないのは、少し部屋の数が減っていたり、窓が付いていなかったりなどだ。

魔法で作りだした空間は部屋があるところだけなので、入口のドアから外に出ようとすると元の空間の入ってきたところに出される。そのため窓は付けられないのだ。

窓がなくとも作られた空間はある程度自由がきくため室温や湿度が高くなって居心地が悪いといったことにはならない。

この魔法を修二は、“魔法で作った異空間の部屋”略して『()()部屋(ルーム)』と命名していたが、あまり深く触れないでおこう。




話は変わり、クーシィがなぜここにいるのか。結論を言えば、外で人の姿を維持できる時間を延ばすために特訓をしていたからだ。

修二がこの魔法を作り出した後、ルンは勿論クーシィまでもがこの部屋に居たいと言ったのだ。

クーシィは拠点の外で人の姿が短い時間しか保てなかったことを気にしていたようで、この空間に外とほとんど同じ状態の部屋を作りそこで特訓をしていた。

そんなわけで、修二の帰宅を迎えたクーシィは今、人の姿になっている。

特訓によって外でも2,3日は保つようになった。

普通、数時間しか保てなかったのが2,3日保つようになるには月単位で時間がかかるのだが、この驚異的な進歩具合には当然のように修二が関わっている。

“特訓”とは文字道理、“特別”な“訓練”である。内容は今回は割愛とさせて頂く。





「そろそろ外に出ても大丈夫だろう」


昼ご飯を食べ終えてくつろいでいる修二がクーシィに向かって言う。


「…うん、もう大丈夫。…だからこの後一緒に出る」


「ああ、分かった、そうしよう。ルンはどうする?」


「……………(ぷるる)」


「そうか、留守番してるか。遠慮……というよりここの方が居心地がいいみたいだな」


その後も3人?で談笑していた。

少しの時間だけだがゆっくりのんびりと過ごし外へと戻る。

…“帰宅”と言ったのに“外に戻る”とは奇妙なことだ。


玄関の扉を開いた修二の後ろにはクーシィが付いている。ルンは留守番なので見送りだ。


「じゃ、行ってくる」


「…いってきます」


「…………(ぷるー)」


今まで一人で行動してきた修二にクーシィが加わったことで、これからの彼らの物語にどんな進展があるのか………それはまだ誰も知らない。




お読みいただきありがとうございます。


今回久々のステータスで書き方を忘れていました。

他にも色々忘れていましたが………。


物語の展開は“誰も”知りません。勿論作者も知りませんww。


作者の実力不足で説明がうまくされていなくてよく分からない等という所が御座いましたら気軽にご質問ください。


次回もいつになるか分かりません。

首を長~~くしてお待ちください。


では。


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