ep.18
お待たせしました!
いやぁ~、説明回って読むのも書くのもめんどいですね。
という訳で今回は説明会です。(あれ?前にもあった気が………)
前回の最後に、何をミスしたか分かるかな?と言った問いに、何人かの方から感想で回答をいただきました。ありがとうございます!!
そして結構多くの人が正解していて驚きました。
では、答えをどうぞ↓
~修二side~
今、俺の目の前には薄い用紙を片手に、困惑顔で固まっている受付嬢がいる。
予想外の展開に結構ビビってたりするが、胸ポケにいるクーシィが、落ち着けとばかりにポンポン叩いてくるので何とか冷静でいられる。
しかし何をミスったのだろうか。
特に変なことも書かず、2度見までして確認したんだから大丈夫だと思っていたんだが…。
……考えられるとすれば、まだ俺の知らない常識があったということだが。
「あの、ここに書かれている、魔法で戦うというのは本当ですか?」
困惑の無限ループから戻ってきた受付嬢は唐突にそんなことを聞いてくる。
…何かおかしいか?
別に剣や槍などでも戦えなくはないが、主な戦闘手段は魔法なのだから当然だと思うのだが。
「はい、そうですが。
……何か変ですか?」
「…い、いえ。
ただ、戦闘時に魔術を使う人は多く居ても、魔法を使う人は初めてでしたので」
…しまった。そうだった。
俺が、便利という理由から戦闘時も魔法ばかり使っていたせいで、この世界の人は魔法を家事くらいにしか使えないというのを忘れていた。
魔法は使用魔力が多すぎて火を出そうとしても小指くらいしか出ず、逆に魔術だと面倒な工程を必要とするものの、少ない魔力で高威力が出せるので、戦闘では主に魔術を使うのが普通だった。
自分の常識を勝手に世間の常識に当てはめてしまい、【知る権利】で調べ忘れた…というより調べたのを忘れていた、というのが今回の失敗の原因だな。
これが2年間も人と接していなかったが故の障害とでも言うのか。
「もう一度確認しますが、特技、戦闘方法共に“魔法”ということでよろしいですか?」
あまりにも非常識だったようで、もう一度確認されてしまった。
まぁここまで来て、やっぱ間違えましたは怪しすぎるだろうからこのまま突き通すか。
ただでさえ格好が怪しすぎるのに…。
「あー、はい、そのままでお願いします」
「…かしこまりました。
この内容で登録させていただきます。
あ、でもギルドカード作成後でも追加、変更が可能ですからぜひご利用ください」
う~む、どうやら俺が碌な戦闘技術を持っていない素人に見えるようで、ある程度技術を覚えたらそれを書くように勧められてしまった。
やさしいなぁ。しかし今はそのやさしさが痛い。
見た目は一応15の少年だからそれも仕方ないのかもしれないが。
「ギルドカードが出来るまで時間がありますので、できるまでの間に冒険者ギルドについて説明いたしますがよろしいでしょうか?」
ギルドの説明か。
俺の場合【知る権利】で調べたほうがすぐに頭に入って覚えやすいんだが、ここで新人の俺が最初の説明を聞かないなんて不自然すぎて目を付けられてしまうかもしれんな。
今更感はあるが、なるべく目立たないようにするには聞いておいた方がいいだろう。
「はい、お願いします」
「かしこまりました。
では、まず冒険者ギルドにおいて最も重要な3原則、“死なない”、“落ちない”、“破らない”の3つから説明していきましょう。
1つ目の“死なない”。
これは言葉の通りで、何事も命あってこそです。死んでしまっては意味がありません。
3原則の中で一番大事なことだと言われています。
2つ目“落ちない”。
聞いただけでは少しわかりずらいのですが、意味は悪事に手を染めない、つまり犯罪を犯さないということですね。
罪の重さによって変わりますが、軽ければ罰金程度、重いと冒険者ライセンスの剥奪、最悪の場合は指名手配の後、処刑となります。
まぁ最後のはめったにないんですがね。
最後に“破らない”。
冒険者とは依頼人がいて初めて成り立ちます。
ですから、その依頼人との契約は余程のことがない限り破ってはいけないのです。
これは依頼人も同じで、依頼内容や報酬を勝手に変えるなどと言った行為をしてはいけないのですが……今は置いておきましょう。
とにかく、“依頼を達成する”、これが冒険者の仕事です。
ここまでで何か質問はありますか?」
特に疑問に思ったことはないが、犯罪者に対しての処置が怖いな。
最悪の場合は殺されるとか……いや、犯罪をするつもりはないから関係ないのだが。
「いえ、ありません」
「そうですか。
今言った3原則以外にも細かな規則はあるのですが、それはギルドカードの裏に記載されているので、そちらを見ていただければと。
次にランクについて説明いたします。
ランクは、上からS,A,B,C,D,Eとなり、どの方も初めはEからのスタートとなります。
具体的に表すと、E=見習い、D=初級、C=中級、B=上級、A=特級、S=人外、と言った感じですね。
EランクからDになるには依頼を3つこなします。
それ以外のランクは、ある条件を満たすと上がることが出来ます。
条件は公開されていませんので予めご了承ください」
テンプレ通りだと聞き流していたが、何やら流してはいけないことを言っていたな。
「Sランクの人外って、なっている人いるんですか?」
「実際に人でなくなる訳では無いのですが、今のところはいませんね。
Aランクの冒険者でさえ10人しかいませんから、Sランクなんてまずなることは難しいでしょう。
先ほどの説明の続きになりますが、ランクを上げる時には“壁”と呼ばれるものが存在します。
勿論、物理的な壁ではなく、比喩的な意味ですよ?
その壁は、EからDではまずないと言っていいでしょう。
DからCは多少難しくはなりますが、それほどでもないはずです。
しかし、それ以降は途端に難しさが跳ね上がります。
CからBではDからCの倍、BからAはCからBの数倍以上、AからSに至っては、それこそ周りの人から人外だと思われるくらいの活躍をしなくては上がれません」
確かに、Aランクになるまでにそれだけ難しいんだったら、Sランクの人は人外だと言われるわけだ。
………具体的にどのくらい難しいのかは分からないが。
ちなみに一人前とされるのはCランクからだそうだ。
「次は依頼についてですね。
依頼は主に、雑用依頼、採取依頼、討伐依頼、緊急依頼の4種類です。
討伐依頼はDランクからで、緊急依頼はCランクから受けられます。
と言っても緊急依頼は強制的で、拒否するとそれなりの対処をせざるおえなくなりますのでご注意ください。
そして、依頼にもランクがあり、E~Sと冒険者のランクと同じです。
自分のランクよりも上下1ランクしか受けることが出来ません。
ただし、自分のランクより上のランクの依頼を受ける際には死んでしまうことの無いよう、十分慎重に受けてください」
このあたりはよくあるファンタジーものとあまり変わりないな。
死なないように、と念を押すのは多分労働力が減るのを抑えるためであって、親切心や好意からくるものではないのだろうな。…一概には言えない、と思いたい。
「あ、やっとギルドカードが出来たようです。
……はい、これが貴方のギルドカードになります。
無くさないようにして下さい。無くしますと、再発行には銀貨50枚が必要となりますので」
「ありがとうございます。気を付けます」
説明が終わり、ちょうどギルドカードが出来たようで、受付嬢から注意とともに渡されたカードを見る。
そこには、
名前 シュージ
年齢 15
ランク E
特技 魔法
戦闘方法 魔法
称号
一言
とあった。
殆ど登録用紙に書いたことそのままだな。
ランクも今説明があった通りEでいいんだが(狙った訳では無い)、見覚えのない項目がある。
「称号って何ですか?」
「ああ、それはですね、〔称号選定委員会〕によって認定されるもので、その人の人柄や活躍を現すものとなっております。
称号によっては特別な効果があるものもあります。
ただ〔称号選定委員会〕がどういったもので、誰が委員なのかは分かっておりません。
神による行為だという人が多いですね。
実際、誰も見ていない功績を称号に現せられるなんて神くらいでしょうしね」
神か。
あの時の神なのだろうか。
それとも他に称号専門の神がいて、そいつが行っているんだろうか。
……まぁいくら考えたところで分からないものは分からないんだがな。
設定は書きながら考えているので、曖昧なところが多そうです。
最後に出てきた〔称号選定委員会〕の会員は神ではありません。
これを読んで下さっている、読者の皆様です。
感想で、
称号名 ○○
効果 (無くても可)
理由 (簡単でOK)
↑こんな感じで書いて下されば、修二の称号欄に追加しておきます。
期限は特にありませんので思いつき次第お願いします。
あ、勿論私が委員長で、決定権を持っています。
私の独断と偏見で、面白いと思ったもののみを追加していきますので予めご了承ください。
その代わり、提案権はありませんが。
その他にも、使ってほしい魔法や、やってほしい事等を大募集です!
次回は早ければ1週間後です。(遅くなったらごめんなさい)
お読みいただきありがとうございました。




