ep.15
だいぶ遅れましたが、日曜なのでセーフですよね?(セーフにして下さい。お願いします)
そして今回、新しい仲間が加わります。
(文字数は新しい仲間の犠牲になったのだ)
それと、先週報告し忘れてしまいましたが、初めて感想をいただきました。
ありがとうございました。(報告忘れてすいません)
背の低い草が青々と辺り一面に広がり、風をその身に受けては細かく震えている。
近くの森は木が多すぎて、10m以上先になると見渡すことが困難になる。
そんな森と草原の境目に位置する場所に修二達はいた。
修二は今、ある一点のみを凝視していた。
そこにいるのは1匹の魔物。
川のそばにいるその魔物を見た修二は驚愕と歓喜で固まっていたのだ。
その魔物、名を、“スライム”という。
何故修二はこの、雑魚モンスター代表と言われてもおかしくないような魔物を見つけ歓喜していたのかは、後に分かるだろう。
ただ一つ言えることは、この世界のスライムは、水辺にいるタニシと同じくらいの扱いである。
(まさかこんなに早く見つかるとはな。
自分の幸運度がおそろしい。
っとそんなことは置いといて、さっそく捕獲しておこう)
修二は、興奮のあまり、日がだいぶ傾いていて、早く街を見つけないと野宿になってしまうことを忘れたいるようだ。
迷わず一直線にスライムの下へと向かう。
修二がスライムの近くに来ても、スライムは微動だにしなかった。
「スライムを仲間にするには~、
あったあった、これだ」
修二がアイテムポーチをガサゴソと手探り、取り出したのは従魔石というもの。
色は透明感のある紫をしており、微かに発光している。
このアイテムは修二が作ったものだ。
この従魔石を体内に取り込んだ魔物は魔石に登録してある者の従魔になるのだ。
しかしどんな魔物でもできる訳では無い。
従魔石に主人登録するときに、その人の魔力を注いで登録するのだが、その時注ぐ魔力量が多ければ多いほど、強い魔物を従魔とできる。
つまり、主人になる者が強くないと、強い魔物は従えられないのだ。
勿論、人には使うことはできない。
それを手に持ち、それをゼリー状の魔物に近づける。
スライムは従魔石を餌だと思ったのか、先ほどまで動かさなかった身体を手を伸ばすかのように動かし
た。
修二は持っていた従魔石をスライムに食べさせるように落とした。
落とされた従魔石はスライムによって、ゆっくりと中心に移動していった。
完全に従魔となるには少々時間がかかる。
その間に、スライムについて少し補足をしよう。
スライム。
この名を聞けばだいたいの人はイメージできるだろう。
しかし、そのイメージと少し違うかもしれないのであえて説明をする。
まず身体?がゼリー状である。ジェルほど柔くはないので弾力がある。
色は、少し緑がかったほぼ透明色。
中に核となるものは存在しない。
完全に魔力によって形を保っている。
大きさはバスケットボール弱。
重さは見た目ほど重くない。1kgも無いだろう。
身体の半分くらいが魔力で出来ていると言っても過言ではないからだ。
動く速さは、地球の亀といい勝負ができるくらい。
食事は魔力を持つものを体内で消化し、魔力のみを吸収する。
つまり魔力がご飯だ。
何でこんな生物が生まれたのか、誰も分からない。神ですら。
最後に、これはあくまでも“野生のスライム”の話である。
「よし、無事に従魔化したな」
「………(コクッ)」
「!?」
修二が、スライムが従魔になったのを確認し、それにスライム自身が頷きで返す。
予想外の反応に一瞬戸惑いを見せたが、「ま、いっか」と結論付けてすぐに落ち着いた。
2年間の修行の成果である。
スライムが頷く、つまり知性を持った理由は勿論、従魔石にある。
先ほど従魔石について説明したとき、主人の魔力を注いで登録する、魔力量によって従魔にできる魔物の強さが変わるとも言っただろう。
その時に注いだ魔力が、従魔にする魔物に必要な魔力量を上回っていたら、あまりの魔力を使いその魔物を強化するのだ。
もうお気づきだと思うが、修二の莫大な魔力を自重なしに注ぎ込まれた従魔石が、スライムを従魔にするために必要な魔力を上回っていないはずがない。
しかも、ちょっと強化、程度では収まらないほどに。
修二の従魔となったスライムは、特に変わった様子は見られない。
進化はしていないようだ。
…いや、実は進化しているのかもしれない。
そうは見えないがしているのかも。
なにせ謎生物だから分からない。
そんなスライムを両手で持ち上げる。
「名前は~
ぷるんぷるん揺れてるから、“ルン”で」
「………(ぷるるるんっ♪)」
名前を付けられたスライム――ルンは全身使って喜んでいるようだ。
修二の両手の中でこれでもかというほど揺れている。
「…うにゃ~?」
さっきまで修二の胸ポケットでぐっすり寝ていたクーシィが、ルンが揺れた振動で起きたようだ。
首をかしげて不思議そうに、ルンを見ている。
修二は、ルンを地面におろし、クーシィもポケットからだし同じように下ろす。
「クーシィ、新しい仲間のルンだ。
仲良くしてやってくれ」
「…にゃ~」
「ルン、こいつは俺のペットのクーシィだ」
「………(ぷるっ)」
修二が2匹に顔合わせをさせる。
クーシィは、ゼリーの身体に興味津々のもよう。
クーシィの肉球がルンの身体をペタッと触る。
それに反応して、ルンがぷるんっと震える。
クーシィがペタッと触る。
ルンがぷるんっと震える。
クーシィがペタッ。
ルンがぷるんっ。
ペタッ。
ぷるんっ。
ペタッ。
ぷるんっ。
ペタッ。
ぷるんっ。
暫くその繰り返しをしていた2匹。
クーシィは漸く満足したのか、修二の身体をよじ登り、再び胸ポケットに戻った。
一方、ルンも修二の身体をよじ登っていた。
しかし、目指していたのは修二が付けていたアイテムポーチだった。
修二が止める間もなくポーチに入り込むルン。
「あれっ?生きてるけど入って大丈夫か?」と考えるが時すでに遅し。
ルンの気配というか繋がり的なものがなくなっていないから大丈夫だろうと、放置することに決定。
しかし、この安易な考えがルンの運命を大きく変える事になるとは思ってもいない修二であった。
最近、ピッケル片手に鉱石掘ったり、ゾンビや骸骨、緑の悪魔と闘ったり、豆腐を建設したりで忙しいです(勿論ゲームの話です)
次話はいつも道理に投稿できればいいなぁ~




