表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

その7

「なあ美樹 もう 後ろを振り返らず 前に進もう 俺には もう時間がないんだ これで さようならだね 最後のお願い 幸せになれよ 美樹」


涙が溢れて来ました


瞬が握った私の手から 懐かしい思い出が


私が涙で目が開けず 下を向いていたあいだに 手を握っていた瞬の感触が弱くなっていきました


慌てて瞬を見上げたときすでに姿は消えていました



翌日 旧友から 病床の瞬が息を引き取ったと聞かされました


瞬は 別れた私のこと 心配して テレビから会いに来てくれてたんだ


そして 私の幸せを見届けて旅立った



瞬が言った言葉


誰かに必要だと思ってもららえること だから生きて行ける


それが どんなかたちでもいい 自分の存在が誰かの支えに 助けになれてるということが 生きている意味


そんな存在でいるためには まず 一生懸命に 前向きに生きること 必ず そんな自分を 誰かが必要としてくれるはずだからと


−−−−−−−−−−−


結婚して 6年が過ぎた


女の子が生まれ 多少の波風が立つこともあったけど 毎日慌ただしく生きてる


そんな日常のなかでポッカリ時間が空いた時 ふと瞬のことを思い出す


今も瞬は どこかでわたしのことを見てるのかな


そんな時わたしは心のなかで瞬に声をかける


「瞬 心配しなくていいよ そりゃたまには腹の立つことや 思い通りにならずイライラすることもあるけどさあ 瞬がくれた言葉を信じて 前向きに生きてるから」



その都度 テレビのリモコンが動いたような気がする




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ