その1
知人女性から聞いた不思議体験をヒントに書いてみました。
就職をきっかけに、ひとり暮らしを始めた彼女。実家の自室で使っていたテレビを持ってきて使用していた。しばらくしたら、毎朝、テレビのリモコンの位置がずれていて、気味が悪かったが、テレビが壊れたので買い替えたら、リモコンの位置はずれなくなったそうです。
○○年5月15日
きょうから日記を書きはじめる
だって ちょっと不思議なこと あったから
一人暮らしのコーポと会社を往復するだけの毎日
運命の出会いとか言うものは わたしには訪れる気配すら無し
テレビ見てても なんか つまらない
リモコンでチャンネルを 目的なしに あちらこちら変えてた
何も映るはずのない空きチャンネルに 何か映ってた
気のせい?
もう一度 さっきの空きチャンネルに切り替え
なに?
背中を向けてる男性が 映ってる
音声は 無いみたい
どこの放送局なんだろ
ほかのチャンネルに変えてみても そんな映像は放送してない
もう一度 さっきのチャンネルに
やっぱり 居る
映像の下に 文字が流れてきた
[名前をつけてみましょう]
新しいバーチャルゲームかな?
でも入力方法が解らない
一人暮らしで よくテレビ見ながら 独り言で ツッコミ入れたりしてるから
ついつい
「わかんないよ 入力ボタン どれ?」
映像の下のコメントが反応した
[名前を決めたら画面の彼に話しかけて伝えてください]
うそ!?
音声対応?
初恋の人の名前が浮かんだ
「高木瞬くん」
声をかけてみた
あ こちらを向いた
軽く会釈して ニッコリしてくれた
初恋の人とは似てないけど 結構 タイプ
[貴女の名前を知りたがっています]
本名はマズイよな
「安藤 香織です」
ブログで使ってたハンネ
[アンドウカオリさんで よろしいですか?]
「はい」
[この設定でスタートします]
画面下のコメントは消えた
<初めまして カオリさん>
初めて 映像の瞬くんが しゃべった
優しい声
「あ 初めまして 瞬さん 私 このゲーム 初めてなので どう進めたらいいのか よく解らないの」
<普通に会話を楽しみましょうよ カオリさん>