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実地調査の代替としてのVTuber活動

作者: 梔子
掲載日:2025/12/31

私は宇宙人(大学院生)だ。

地球人の調査をしている。


いま地球にいるかって?

いない。遠い地球に来るのは面倒なのだ。

代わりに、母星からネットをつないで調査をしている。


なぜ調査をしているかって?

地球人の生態を調べるという名目で、くにから予算が出ている。

基礎研究だ。


専門はニコニコ動画、YouTube。最近はYouTube Shorts動画もチェックするようにしている。

そう「ネットサーフィン」だ。


なんの役に立つかって?

たぶん役に立たない。基礎研究だし。


僕は研究を始めて1年にも満たない一介の学生だが、「ネットサーフィン」は面白い。しかも楽だ。

僕はこのまま「ネットサーフィン」の研究者になるのだ。

それが僕の夢だ。


――夢だった。指導教員に最初の報告をするまでは。


指導教員「実地調査をすると言って予算を取ってきたんだぞ。現地に行かないやつがあるか!」

僕「でも地球のネットは便利でして、、、、」

指導教員「動画を見ているだけじゃないか!」

僕「まあ、そうですけど、、、」

指導教員「仮に便利だったとしても、現地民との交流ができない学生は、卒業しても他で雇ってもらえないぞ!」

僕「おっしゃるとおりで」


ということで、実地調査をするように指示された。


だが、実地調査は面倒なのだ。


私は考えた。大事なのは実地調査そのものではない。

そう、現地民と交流するスキルこそが大事なのだ。

僕はVTuberになることにした。


身分を隠してVTuber事務所に応募し、合格。

VTuberとしてデビューすることになった。

人柄を買ってくれたみたいだ。*注1


デビュー前に、事務所内でテスト配信があった。

なんどか試してわかったのだが、僕は()()()()ぼーっとして見えるらしい。

通信のために静止軌道上の(古い)中継機を使っているのだが、その調子がときどき悪くなるのだ。


「あー、リスナーのみんな、ごめんごめん。通信に時間がかかってて」


ごまかすために、宇宙人VTuber としてデビューすることになった。*注2



1年目 活動報告

今年度は調査の準備段階と位置付けていて、目に見える大きな成果こそなかったが、

支給された研究費に見合う充実した一年だった。

来年こそは成果を報告できるだろう。


2年目 計画

1月: 初配信(予定)

2月: 登録者数 1000億人達成(予定)*注3


研究費使用用途

コンデンサマイク、Live2D *注4


*注1 指導教員のコメント: 「常識のない点を買ってもらったんじゃないか?」

*注2 指導教員のコメント: 「事務所の皆さんは見る目があるね」

*注3 指導教員のコメント: 「地球の人口、知ってる? アリじゃねぇんだぞ……」

*注4 指導教員のコメント: 「これ予算通るのかな……」

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