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アウレリアは写真を見つめたまま、
小さくため息をついた。
「なんだか……よくわからなくなってきたわ。
ミラさんのことも、わからなくなってきた……」
その声は、悔しさと悲しさが混じって震えていた。
ルークがそっとアウレリアの肩に手を置く。
「人ってのは難しい。
何を考え、何をしてたのか……
本人しかわからないさ」
アウレリアはうつむいたまま、
その言葉を噛みしめるように黙っていた。
セラフィーナが静かに言う。
「今日は情報が多すぎたね。
一度整理したほうがいい」
ジュリアンも頷いた。
「そうだな。
今日は解散して、明日また集まろう。
セラフィーナの部屋で、証言をまとめる」
四人はそれぞれの思いを抱えたまま、
重い足取りでラウンジを後にした。
ルークは事務所に帰るアウレリアを送った
静まり返った2人
ルークが口を開いた
「アウレリア、今日の朝話したことだが、
やはり君の能力を公にするのはすすめないよ」
アウレリアはルークをみた
「ルーク、めずらしく真剣ね。
何か理由があるの?」
ルークは歩みを止めて
「僕の古い友人も特別な力を持ってね、
それ故色々なことに巻き込まれ、裏切られ…」
少しの沈黙のあと
「君に、そうなって傷ついてほしくない…」
アウレリアはルークの傷ついた顔をみて
「そうなの…」
とつぶやくことしかできなかった。
――翌日。
セラフィーナの部屋に集まった四人は、
前日の証言を整理しながら、
次に調べるべき点を確認していた。
アウレリアが手帳をめくりながら言う。
「やっぱり……手すりの傷が気になるわ。
あれが“もみ合いの跡”なら、
犯人に繋がるはずよ」
ルークが頷く。
「そうだな。
あの傷は、ただの事故じゃ説明できない」
ジュリアンが立ち上がる。
「よし。
今日は“手すりの傷”を徹底的に調べよう。
あれが真実への鍵になるかもしれない」
アウレリアは小さく拳を握った。
「ミラさんが残した手がかり……
絶対に見逃さない」
四人は再び、
事件の現場へ向かう準備を始めた。




