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四人と三人の関係者は、
レストランの奥の席
水かけ騒動が起きた場所へ移動した。
アウレリアは写真を見ながら指示を出す。
「アリシアさんはここ。
ミラさんは……この位置、かわりにルークが立ってて。
レオンさんは、ここに立ってください」
三人は渋々ながらも、写真の通りに立たされた。
アウレリアは少し離れた場所に歩き、
写真と現場を見比べながら首をかしげた。
「やっぱり……」
ジュリアンが近づく。
「どうしたんだ?」
「この写真は隠し撮りされてる。
計算されて写真を撮られているわ」
セラフィーナがすぐに理解した。
「つまりこの場所、レストランの構造に詳しくないとこの構図は撮れないよね」
アウレリアは強く頷いた。
「それに……この距離感。
アリシアさんの表情がこんなに鮮明に撮れるのは、
“かなり近く”にいた人だけ」
ルークが腕を組む。
「近くにいて、レストランに詳しい人物……」
アウレリアは静かに言った。
「――ミラさん自身よ」
全員が息を呑んだ。
アウレリアは写真を胸に抱きしめるように見つめた。
「ミラさんは……
アリシアさんに水をかけられた瞬間、
自分で写真を撮ったの。
証拠として残すために」
ジュリアンは深く息をついた。
「……つまり、ミラさんは
自分で写真を撮り、ゴシップ誌に売ったのか??
レオンがふっと笑った
「ミラもやるね〜」
アウレリアの推理によって、
「ミラが自分で証拠写真を撮っていた」ことが判明した。
ジュリアンはアリシアだけ別室へ呼び出しへ再度話を聞いた。
「アリシアさん。
あなたはミラさんが隠し撮りしていたことを知っていたんじゃないですか?
そして怒って、もみ合いになって……
非常階段から突き落としたのでは?」
アリシアは一瞬だけ目を見開いたが、
すぐに――ふっと笑った。
「ふふ……違うわよ。
そんな安っぽいドラマみたいなこと、しないわ」
アウレリアは怒りを抑えきれずに声を上げる。
「じゃあ、どうしてミラさんがこんな写真を……!」
アリシアは脚を組み替え、
まるで退屈な話題に付き合っているかのように肩をすくめた。
「知ってたわよ。
ミラが写真を撮ってたことくらい」
全員が息を呑む。




