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ルークはふと書類と設計図の中から、一枚の契約書を手に取る。
「これが、成功した事業の契約かい?」
ヴィクターは疲れた目で頷いた。
「新しい港を建設する予定だ。成功すれば莫大な利益が出る。
だが……今は計画が延期されている。クラリッサと共同でもあるし、俺はこのザマだ…仕事になっていない…」
アウレリアは素朴な疑問を問いかける
「じゃぁ、港は作られないのかしら??」
ヴィクターは港の建設であったいざこざについて話した
「その時はかなり新しい港の建設に力を入れていてね、ライバル社と建設の権利を争っていたんだが、僅差で我が社が競り勝った。その間嫌がらせなんかもあったが、今は静かなもんだ。
工事が遅延してしまって、もしかしたら港の建設権利はライバル社へ渡るのかもな…もうそれでもいいが…」
どうでもいいことのように話すヴィクター。背中は丸まり弱々しく見えた。




