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王都に到着
馬車が石畳の大通りに入ると、アウレリアは思わず目を見開いた。
王都は領地とはまるで別世界だった。高い建物が並び、色鮮やかな看板が通りを飾り、人々の声と馬車の音が絶え間なく交錯している。
「すごい……これが王都……」
隣のルークは肩をすくめ、灰色の瞳を細めて笑った。
「まぁ、慣れればただの騒がしい街さ。さ、僕の事務所に案内しよう」
案内された先は、通りの一角にある洒落たカフェのような建物だった。
木の扉を開けると、香ばしいコーヒーの匂いが漂い、柔らかなソファと観葉植物が並んでいる。壁には本棚があり、窓際には陽光が差し込む丸テーブル。
探偵事務所らしい書類や地図はどこにもなく、まるで隠れ家のカフェだった。
「えっ……ここが探偵事務所?」
アウレリアは呆然と立ち尽くした。
ルークは満足げにソファへ腰を下ろし、足を組んだ。
「そうだよ。探偵の仕事なんてほとんどしてないしね。ここは僕がゆっくりするための場所さ」
アウレリアは唖然としたが、やがて小さく笑った。
「……なるほど。あなたらしいわね」
ルークは灰色の瞳を細め、指で机を軽く叩いた。
「ここで寝起きしてもらう。助手の宿舎ってわけだ。王都の事件はここから始まるんだよ、小さな探偵さん」
アウレリアは窓から差し込む光を見つめながら、好奇心で小さな胸ははち切れそうだった。
翌朝、ルークはソファから立ち上がり、灰色の瞳を細めて言った。
「さて、潜入に必要なものを揃えに行こうか。小学校に入るんだから、君には制服や持ち物が必要だ。」
アウレリアは目を丸くした。
「どうしてそんなに、あなたは楽しそうなのよ」
少し疲れたアウレリアと楽しそうなルーク、対照的な2人で、買い物に出る




