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エロい話 その2

 さてエロい話である。

 私がAI導入を決めた理由がここで、その理由はこのエロというか性行為についてはかなり早くから文章が成立していた事があげられる。


 実は、文章における性行為というのは、その行為が限定されていたりする。

 二人が絡み、愛を交わして、果てる。

 ぶっちゃけると、これだけなので、どれだけ過程があろうが起点と終点が明確になっているので、AIも文章が作りやすいというのがるのだろう。

 で、有名人がこんな事を言った。


富野由悠季「AIが書く小説は安いエロ本。人間の感度はかぎ分けてしまう」


 このインタビューを読んだ時の私の感覚をぶっちゃけよう。



「あ。金山見つけた」



である。

 小説家になっていなかったら間違いなくAIに全人生を賭けただろうこの瞬間。

 たぶん話からそれると思うが覚えておくといい。

 人生にはこういうチャンスが何度かあるが、多くの人はそれを気づかないか見逃すのである。

 少なくとも私にはそんなチャンスが3回ほどあった。


 一回目は馬鹿にされていた2010年後半に一万円でいいからその当時の価格でビットコインを買わなかった事であり、二回目はニコニコのまとめでブレイクしていたVtuberにならなかった事であり、三度目は何を言われ続けても小説を書くことを止められなかった事で、その最後の一つで今こうして皆様の前で偉そうに話をしている訳で。

 話がそれた。


 なんで『安いエロ本』を『金山』と言い切ったのか?

 理由は簡単で、それだけ需要があるからだ。

 

 では、そんな金山とは言え採掘して精錬しなければ金と呼べない訳で、ここではその採掘と精錬について簡単に語ろうと思う。


1)官能小説こそ、情報を食う小説である


芹沢達也「あいつらラーメンを食べているんじゃない。情報を食っているんだ」


 あまりにも有名になってライバル役から主人公に出世したラーメンハゲこと芹沢達也氏の言葉だが、この情報をどう料理するかが官能小説の肝である。


 ヒロインの容姿は?年齢は?髪は?3サイスは?職業は?趣味は?


 これをトータルかつ一撃がわかりやすく提示してくれたのがジュブナイルポルノの挿絵である。

 かつて官能小説を読みまくって構造解析をしたことがあるのだが、その際にヒロインの容姿に触れているページが1ページもなかったので「あ、ここいらないんだ」と思った当時の私をぶん殴りたい所である。

 これができないと、挿絵で仕上がるヒロインを好きかどうかという作者がしたらいけない判定を行うことになる。



2)官能小説こそ、エロシーン以外の所で勝負しなければならない。


 たとえば単行本1冊分の官能小説を書くとしよう。

 そうすると最低でも10万字は書かないといけないのだが、濡れ場、つまりエロシーンは最低で45%、最大で75%しかないのだ。

 つまり、エロエロアへアへがエロくなるために、日常シーンをいれる事でエロへの落差を作らねばならい。

 そして、このエロへの落差についてはAIはいまだ下手である。

 なぜかというと、AIは起承転結の模倣はできるが、起承転結の意味を理解できないからである。

 つまり、幼馴染とのやり取りも、人妻の憂いも、ヒロインの笑顔の意味も、彼女が流す涙の意味もAIは知らないのだが、それでも物語の模倣によりある程度の物語を作れてしまうのだ。

 富野由悠季氏が『AIが書く小説は安いエロ本』と言い切ったのはここだと私は思っている。

 という事は、ここだけを人が制御すればいいのだ。



3)官能小説こそ、作者の性癖を晒さねばならない。


 という事で、書く為には作者の性癖をさらして書かねばならないのである。

 流行のものを己がエロくないと思いつつ書くものはぶっちゃけるとAIにすら負ける。

 己の性癖はこれだ!と勝負しなければ、勝てないのだろうと思っている。

 そして、人の性癖は困ったことに千差万別であり、そこに今のネット環境はそこにリーチできるならば換金することは比較的容易になっている。

 いい世の中である。




 さてここまで語って、その上でAIを使って官能小説を書きたいと思う人は、どうやってAIに命令するかを軽く語る前に、官能小説が完全に文章として型がある事を知ってもらいたい。

 さて、これを見ている皆様は小説家志望の方が多いとという前提で話をしているので『起承転結』は理解しているという事で話を進めさせてもらおう。


 官能小説である以上、当然その濡れ場を期待して本を買っている訳で、延々と面白い物語が紡がれても濡れ場が一切なかったら、その本は叩きつけられる運命にあるのだ。


 という訳で、その濡れ場が物語におけるウェイトが大事になるのだが、物語を作る場合、実は濡れ場というのは『転』の部分に当たる。


『起』 男女の出会い

『承』 出会いから恋愛

『転』 濡れ場

『結』 二人は恋人END


 こんな感じで無理なく濡れ場を入れられるのだが、これを均等で配分すると25%という事になる。

 なお、官能小説の読者には濡れ場だけを読む層も存在する訳で、そういう人間にとっては、一冊の本の内3/4が不要という事になる。

 それは良くないよねという事で、出版社も作者もその比率を増やす方向に動いた。

 官能小説を書く際に作者を苦しめる濡れ場の肥大化である。

 一人相手に手を変え品を変えてセックスする事のなんと難しい事か!

 それを世の官能小説家たちは二つの方向で解決したのである。


 量と質である。


 量は簡単だ。つまりハーレムである。

 上の『起承転結』で言うとこうなる。


『起』 Aとの恋愛 濡れ場

『承』 Bとの恋愛 濡れ場

『転』 Cとの恋愛 濡れ場

『結』 三人との濡れ場


 これにはもう少し補足説明が必要だ。

 それぞれの場面で女の子が違うから正確にはこうなる。


『起』「起」 Aとの出会い

   「承」 出会いから恋愛

   「転」 濡れ場

   「結」 恋人END


『承』「起」 Bとの出会い

   「承」 出会いから恋愛

   「転」 濡れ場

   「結」 恋人END


『転』「起」 Cとの出会い

   「承」 出会いから恋愛

   「転」 濡れ場

   「結」 恋人END


『結』「起」 Aとの濡れ場

   「承」 Bとの濡れ場

   「転」 Cとの濡れ場

   「結」 三人の濡れ場


 16分割になった訳だが、これで本の各所に濡れ場が配置されているのがポイント。

 更に、この各章が均等文量な場合、その濡れ場比率が43.75%にまで跳ね上がる。

 


 一方質である一人を相手にする場合、展開はこうなる。


『起』 男女の出会いから恋愛

『承』 恋愛から濡れ場

『転』 濡れ場にハマる

『結』 ハマった果てのEND

 

 よく言われる『堕ち系』がこれで、これ究極的には承転結の75%まで濡れ場を増やす事ができる。

 ジュブナイル系ポルノにおいてこのハーレムものと堕ち系はまさに王道となり、その流れがエロゲーにもというのは話がそれるのでひとまず置いておこう。




 最後に、とてもとても大事な事を語ろう。

 最悪これだけ覚えて欲しい。

 


4)官能小説家とは、究極的には作者という読者を満足させる自慰的小説である。


 おあとがよろしいようで。

富野由悠季「AIが書く小説は安いエロ本。人間の感度はかぎ分けてしまう」ChatGPTはエンタメの脅威にはならない https://futabasha-change.com/articles/-/153 #双葉社THECHANGE


https://dic.pixiv.net/a/%E8%8A%B9%E6%B2%A2%E9%81%94%E4%B9%9F



なお、後半の起承転結の話は春河童先生の二次創作からである。

「私は休むのが下手」

https://syosetu.org/novel/276852/ #hamelnovel #hmN276852

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