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なろうラジオ大賞4

天才データキャラを演じるのが楽しすぎる

掲載日:2022/12/02

 私はメガネが欠かせない非モテJK。

 浮かない学生生活を送っている。


 そんな私には楽しみが一つ。

 スポーツ大会を観戦しながらデータキャラを演じるのだ。


 やることは単純。

 試合を観戦しながらタブレットをいじり、たまにメガネをくいっとさせて、それっぽく装う。


 別に特別な意味があるわけじゃない。

 でも、こうしているだけで役割のあるキャラクターになれた気がするの。


 その日も、高校のバスケ部が参加する試合を観戦しながら、タブレットで数独をプレイしていた。

 たまーに「ククク……」と笑って見たりして、演技も欠かさない。

 今日はこれくらいでいいかなと思って引きあげようとすると――


「おい、お前さっきから何してるんだよ?」


 他校の生徒が声をかけて来た。

 ガラの悪いいかにも不良っぽい見た目の男。


「え? 別に……タブレットみてただけです」

「嘘つくな。

 絶対見てたぞ。

 勝手に撮影とかしてんじゃねーよ。

 ほら、それ見せてみろよ」


 不良っぽい生徒は私からタブレットを取り上げようとする。


 本物のデータキャラだと思われたようで、ちょっとだけ嬉しかった。

 でも誤解を解かないと酷い目に――


「おい、うちの生徒になにか用かよ?」


 そこへまた別の生徒が現れた。

 うちのバスケ部のエースのイケメン君だ。


「コイツ俺たちの試合を盗撮して――」

「なにか証拠とかあんの?

 その画面、どう見ても数独だけど?」

「え? あっ」


 タブレットの画面を見て誤解だと分かったのか、不良っぽい生徒は眉を開き、謝罪もしないまま立ち去って行く。


「災難だったな」

「あっ、うん……ありがとう」

「いつも試合見に来てくれてるだろ?

 応援ありがとな。

 次の試合、絶対に勝つから」


 そう言って取り返したタブレットを差し出しながら、爽やかに白い歯を見せて微笑むイケメン君。

 こんなん惚れてまうやろ。


 それからか。

 私が本気でデータを取るようになったのは。


 試合を観察して、他高校の生徒の弱点を分析。

 結果をこっそりと報告するようになった。


 そのおかげかどうかは分からないけど、うちの高校のバスケ部はそれなりに活躍した。


「ありがとな、データちゃん」


 イケメン君は試合の後、必ず私に声をかけてくれた。

 他のチームも挨拶くらいはしてくれる。


 いつの間にか演技ではなく、本物のデータキャラになっていた私。


 今振り返ると結構楽しんでいたと思う。

 こんな青春があってもいいよね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] スポーツ漫画をほぼ読まないので最初?でしたが、読んでいくうちに分かりました! こんな青春送りたかったなぁと思いました(*´Д`*) イケメン君、惚れてまうやろー!!
2022/12/09 20:50 退会済み
管理
[良い点] フリをしていたらいつの間にか本当になっていた件ですね。 [一言] 読ませて頂き有難うございました。
[一言] データキャラ……いますよね。そこが女子というのが意外性があっていいなぁと思いました。私の中ではデータキャラといえばテ○プリのイメージです……笑。 そこから思いがけずほっこりラブストーリーに展…
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