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這い寄って抱きついて離さない、催眠系少女

 目が覚めると、俺はベッドの上に寝かされていた。一瞬、自分がどこにいるのか分からなくて混乱したが、すぐに保健室だと分かった。


「あ。……起きました?」


 横を見ると、白坪さんが椅子に座っていた。


「……俺はどうしてここに?」


「貴方と肉宮さんが、その……気絶しちゃったので、私が先生に言って運んでもらいました」


 ……なるほど、俺はあの後そうなったのか。と言うことは、あの抱き合った状態で発見されたってことか?


「……」


「あの……。どうかしました?」


 終わった。俺の人生は今日で終わりだ。きっと学校中に変な噂が流れるんだろうなぁ……。ああ、明日からどんな顔して学校に来ればいいんだろう。


「いや、なんでも……。それより肉宮は?」


「肉宮さんなら……そこにいるじゃないですか」


「え」


 白坪さんの指差す方を見る。そこは俺の入っている布団だ。一人にしては不自然に膨らんでいる。

 恐る恐る布団を捲るとそこには肉宮が俺に抱きついたまま眠っていた。


「うぉおい!?」


 変な声が出た。というか気がつかなかった。ずっとこの状態だったのかよ。


「なんでこんなところにいるんだよ!てかなんで一緒に寝てんの!?」


「ベッドが空いてなかったんですよ。それで仕方なく……」


 なんでそんな偶然が起こるんだよ……。神様の悪意を感じる……。


「とりあえず起こさないと……。おい!起きろ!」


 俺は肉宮の肩を掴んで揺すり起こす。しかし、反応は無い。


「起きないな」


「別に無理して起こさなくても……」


 いや、ダメだ。こいつを早いとこ起こして、催眠とやらで学校中にばら撒かれた俺の噂を消してもらわなければ……。

 外堀が埋まってしまう。そうしたら俺は肉宮に苗床にされて、一生飼い殺されるハメになる。それだけは何としてでも避けたい。


「おい肉宮、起きろ。起きないとその触手をひきちぎるぞ」


「ひゃっ……。う、うぅん……。あっ。だめぇ……」


「…………」


 色っぽい声が返ってくる。それを聞いて、白坪さんが気まずそうに俺たちから目を逸らしたのが分かった。俺も気まずい。


「お前、何の夢見てんだよ……!早く起きろって……」


 肉宮の肩を激しく揺らす。すると、肉宮の身体は段々とベッドから落ちていき、終いには顔が俺の股間の辺りまできた。


「ふぁー……。おはよ〜、ん?あれ?お◯ん◯ん?君のお◯ん◯んが目の前に……」


「おい。起きたか?起きたなら離れろよ。ほれ、起きてるんだったら……」


「んー。これはきっと夢だろうし、私の好きにしても良いよね〜」


「は?ちょ……」


 肉宮が俺のズボンに手をかけようとしてくる。


「おい、やめろって!何しようとしてるんだよ!」


「大丈夫だよ。朝勃ちは恥ずかしいことじゃ無いからね。むしろ、男としては正常な──」


「だから!これは夢じゃねえって!てかなんでお前そんなこと知ってるんだよ!?」


「へ?夢じゃないの?じゃあ現実?ってことは今既成事実作っちゃえばいいってことじゃん?やったぁ!」


 なんなんだよ、全然話が通じねぇ……。


「あの……」


「ちょっと、白坪さん助けて!」 


「その……私はそろそろ帰るので鍵とかよろしくお願いします」


「このタイミングで見捨てるのかよ!?」


「いや、なんか邪魔したら悪いですし……それに、私には関係のないことですし……」


「関係ないわけあるか!このままだと俺が社会的に死ぬから!」


「なので、ごめんなさい」


 白坪さんは荷物を持って出て行ってしまう。


「ちょっと待って、せめて俺を助けてからにして……くっ……」


「へへー。女の子に見捨てられてるー。やっぱり君のことを好きなのは私だけなんだね?いっぱい愛してあげるから安心して?」


「うわあああ!やめろって!触手出すな!」



 今日は散々な一日だった。結局、あの後は俺が犯される前にタイミングよく保健室の先生が帰ってきたので、不純異性交友を疑われ指導を受けそうになったが、肉宮に催眠を使ってもらって事なきを得た。

 ついでに、昼休みに肉宮と抱きついたまま気絶したという事も揉み消してもらった。

 そのことについて、肉宮は一切覚えていないらしい。嘘をついているようには見えなかったので本当に忘れているんだろう。

 俺のことをあんなに振り回しておいて本当に勝手な奴だ。

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― 新着の感想 ―
[一言] もっと性癖爆発させてもいいのよ 読んでる目が触手におかされるような
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