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#08 意外な事実はやっぱり気づかないもの

 男の子と仲良くなるための議会を開催してから数日後。


 中学三年の秋後半ともなれば、大半の人が所属している部活を引退して、後輩たちに以降の部活を託していき。

 自分たちは高校へ向けた受験勉強に勤しんだり、残り少ない中学生生活を満喫しているだろう。


 そんな中、私たちは3人とも放課後の勉強会と称して。部活の顧問に部室を開けてもらうという、浅ましい足掛けを続けている。


 今日も放課後、私たちは顧問に学業という学校の先生が断りずらい謳い文句を並べ、いつも通り部室を開けてもらっていた。

 部活動時の私たちの活動はともかく、普段の学業成績が地味に良好な私たちだったこともあり。


 先生から疑いの眼差しを受けてもどこ吹く風だった。


 そうして開けてもらったテーブルゲーム部(TG部)の部室で、私は秋ちゃんに縋りついていた。


「あぎぢゃああん!」

「おーよしよし。そうだなー大変だったなー、辛かったなー」

「だから言ったのに……」


 秋ちゃんの胸の中でむせび泣く私と、それを優しく受け止めはすれど、どこか気持ちの入っていない慰めを続ける秋ちゃん。

 もっちゃんがそれをみて頭を振る光景は。先ほど鍵を開けてくれた顧問が見れば、即座に部室利用を禁止されるだろう。


 しかし、それでも私が悲しみ、秋ちゃんに慰めてもらっているのには理由があった。

 数日前に仲良くなったはずの男の子3人組から、何故か私は避けられるようになっていたのだ。


 何故、どうして。答えの見つからない疑問ばかりが頭を占めていく。


 結果、耐えられなかった私はこうして秋ちゃんの胸で泣くことで、どうにか平常を保とうとしていた。


「な、なんで私ばっかりこんな目に……」


 嘆く私に秋ちゃんともっちゃんから可哀相な子を見るような、哀れみの眼差しを向けられる。

 だが仕方ないのだ、カフェの一件以来から私は変わったはずだった。


 少し前の私から一歩前進した私は、彼等と話すときは細心の注意を払っていた。


 相手の話は最後まで聞き、それに対して気になるところがあれば質問して。難しければ話の方向を少しずらすようにしたり。

 私が話すときは一方的にならにように、出来る限り彼らが反応しやすいように話したし。キーワードも過激にならないよう落ち着いた表現になるよう注意していた。


 この数日間の私からは、以前とは比べ物にならない程にコミュニケーション能力の向上を実感するほどだ。


 それでも、今までと同じ結果になってしまったという現地が、私に重く圧し掛かってきた。


「秋ちゃん、私はもうそろそろ本当のことを伝えたほうがいいと思うんですけど」

「んー、それもそうかな。中学生活も後半年もないしね、というかよくここまでバレなかったよね」

「え?」


 二人が突然始めた会話に、私は困惑する。

 前後の脈略がなく始まった会話は、察しの悪い私でも二人が何かを私に対して隠し事をしている風に聞こえた。


 別に二人が何か隠し事をすることは別に気にしていない、前世の記憶という特大の爆弾を自身でも抱えている私は、出会ったときから今までずっと二人にそのことを隠しているのだから。

 私が二人に対して隠し事を責めるなんてことはお門違いというものだろう。


 だけど、このタイミングで自分たちが隠し事をしていると、示唆させるような会話を始めたのかが分からなかった。


 困惑する私に、もっちゃんが話を始める。


「澄ちゃんごめんなさい、私達。貴方に黙っていたことがあるの」


 申し訳なさそうにもっちゃんが頭を下げてくるけど、どうしてもっちゃんが謝るのかすら、今の私には分からない。

 もしかしなくても、隠していた内容に付随するなにかなのか。黙っている内容に、もっちゃんが謝罪に至る何かがあるのか。


 私の疑問は、すぐに解消されることになった。


「あ、もっちゃんが謝ってるからって勘違いするなよ? これは澄ちゃんのためでもあったんだから」

「そ、そうなの? もっちゃん……」

「それもあるんですけど、でもどちらにしても澄ちゃんに隠し事をしていたのは事実ですし。気を悪くさせてしまったらごめんなさい」


 そう言って先ほどよりも深く頭を下げるもっちゃん。


「私は気にしてないよ? 隠し事って誰でもするものだし、友達だからなんでも話せなんて私思わないよ」

「ありがとう澄ちゃん……、それで。私たちが澄ちゃんに隠していたことなんだけど。まずはこれを見てほしいの」

「私のも見てくれ」


 二人からそれぞれ、プラスチックのような素材で作製されたカードが渡される。

 黒を基調としたカードには”M・S FANclub”とオシャレな文字が前面に描かれており、カードの隅には会員番号としてナンバーも記載されていた。


 もっちゃんから渡されたカードには大量の0と、下一桁に2という数字が記載されていた。

 秋ちゃんのカードも、もっちゃんと同じように大量の0、そしてなんと下一桁に1という数字が記載されていた。


 だけど裏を見ても、角度を変えてみたりしても、それ以上の情報は確認できなかった。


 他に見落としていないかと思い、カードの前面に描かれている”M・S FANclub”の文字を見つめる。

 FANclubという文字と、見たこともないカードから、私はこれが誰かのファンクラブが存在していて、且つ、二人はその中でもNo1とNo2だということ。


 それは二人が何かしらのファンクラブに所属しており、その中でもリーダー的な位置にいることを示していた。


 残る情報はM・Sの文字。これが二人の所属するファンクラブの中心となるモノ、若しくは人物ということになる。

 私はどうにかM・Sの文字から、二人に関係するモノがないかを記憶の中から探そうとする。しかし、それを見つ事は出来なかった。


「初めて見たけど、これがファンクラブの会員カードだってことは分かるよ? でも誰のファンクラブなのか、それとも何か私たちの世界で有名なキャラなのかが……」


 私が最後の1ピースが見つからず、ついに私は無意識に唸り始めてしまう。

 私は去ってしまったけど、秋ちゃんともっちゃんは絶賛花園貴婦人だ。だから私が楽園を去った後に、歴史に名を刻むほどの名作、名キャラが出てきたのかもしれない。


 それならば、私の探し求めている1ピースは、私の手の届かない所にあるのだろう。

 もう少し唸ってみようかとも、いっそのこと威嚇してみようかと思ったけど、多分解決には至らないと思った私は観念したとばかり、二人に向かって降参のポーズをした。


「澄ちゃんが威嚇もしないで降参するなんて珍しいね」

「私、澄ちゃんの威嚇が結構可愛くて好きなんですよね」

「もう! 私だって真剣なんだからね! して欲しいならお望み通り威嚇するからね、うー!」

「だっはっはっは! 言ったそばから威嚇してるじゃんか!」


 思わず癖になりかけている威嚇の構えを取ってしまった私は。そんな私を見て笑い転げた挙句、さらに煽ろうとする秋ちゃんをどうにかスルーして、呼吸を落ち着けることに専念する。

 完璧美少女にあるまじき醜態を晒してしまった事を自覚して、目の前の二人程は実っていない自身の胸に手を当てて深呼吸をする。


「降参したんだから、答え教えてよー」


 ようやく落ち着いた私は、やっとのことで秋ちゃんたちに最後の答え合わせを要求する。

 秋ちゃんは肩をすくめながらも素直に答えてくれた。何故最初からそうしてくれないのか、秋ちゃんの前世は超絶ツンデレさんだったのかもしれない。


 私みたいに前世の業を背負っているなら、もはや同志ではないだろうか。

 そういうことなら仕方ない、一度は諦めたけどやっぱり秋ちゃんには、ゴマ油もん吉との再戦の機会を上げるのもやぶさかではない。


「澄ちゃん、顔に出てるよ」

「ひぁん!」


 どういった原理か分からないけど、秋ちゃんは私の思考を読んだようで、すぐに私の脇腹を突いてくる。

 完璧なポーカーフェイスで隠していたはずなのに、流石は秋ちゃん。この私に悲鳴を上げさせたこと、ゴマ油もん吉に言いつけてやる。


「秋ちゃんが入ってくると全然話が進みませんね、やはりここは私が説明します」

「流石もっちゃん! 待ってました! 私のマリア様ー!」

「ちぇー、ちょっと遊んだだけじゃんかー」


 例え私が腐の世界から足をあらったとしても、例えもっちゃんの楽園が腐りきっていても、もっちゃんは出会ったころから私のマリア様だった。


 もっちゃんは姿勢を整えると、ノートをバッグから取り出して。何も書かれていないページを開いて、そこにペンで大きく文字を書いていく。


 そして十数秒後にはローマ字で「Mitsuki・Sumika」 と、才女に相応しい綺麗で歪みのない文字が静かに主張していた。

 もっちゃんは書き終えたノートのページを私に見せつけるように持ち上げる。


「M・S FANclubというのは、美月 澄香というこの中学校に在籍する一人の女の子のファンクラブです」

「へえ、そうなんだ。うちの学校にそんな人いたんだねえ……あれ? 私と同姓同名?」


 見せられたノートから私は自然と目線を逸らす。

 まさか私の学校に、そんなファンクラブを抱えるほどの人物がいたことに、私は素直に感心した。


 普段は自分のことを完璧美少女と表現する私だけど。流石にファンクラブができるなんてことはないだろう。


 つまり、私以上に完璧な美少女が同姓同名で実在するといこと……どんな確率なんだろう。

 わかっている、この考えが現実逃避だということぐらい自分でもわかる。でも、認めてはいけないと心が叫んでいるのだ。


 既に明日から学校に来るのが怖くなりそうだ。そうだ、今日はもう帰ろう。

 お家に帰ってゲームをしよう、確か今日はフレンドとバトロワのランクマッチをする約束をしていたのだった。


「澄ちゃん逃げない。現実を受け入れろよ、ファンクラブができるほどの人気者め」

「くぅ……」


 無言でバッグを回収して部室から撤退しようとする私の手を、秋ちゃんがホールドしながら現実を叩きつけてくる。

 別に力を入れて掴まれているわけではない、だけど引き止められているという状態で、私はこの手を振り切ることはできない。


 二人がファンクラブのことを黙っていてくれた理由がすぐに理解できた。

 私はこのインパクトと現実に到底耐えられるような、鋼のハートを持つ超人少女ではない。


 クラスの委員会決めがあれば、いつの間にか図書委員になっていたし。

 運動会で自身が出場する種目決めを行えば、目立たないような玉入れといった集団競技しか私は選ばない。


 私という人間は例え美少女に転生しようが、どこまで行っても平々凡々で、私が自分を尊大に評価するのは、そんな自分を快く思っていなかったから。


 そんな私が、ファンクラブができる人間となれば、それはまさに夢のように思えるだろう。


「私、明日からみんなとどう接したらいいか分からないよぉ……」


 だが、それは漫画や小説の中での話だ。

 私はファンクラブなんて大層な人気があるとは思っていないし、自分ができた人間なんて思ってもいない。


 だから私にとってファンクラブが存在していたなんて事実、どう反応したらいいかも、どう対応したらいいのかが全く分からない。


「別に今まで通りでいいだろ? それで今まで困ったことも別に……あ」

「え、秋ちゃん? 今、何か思い出したよね!?」


 何かを思い出し、口を歪めながら思わず声が漏れてしまった秋ちゃんに、私は疑いの目を向ける。

 あははは、と笑って誤魔化そうとする秋ちゃんの代わりに、もっちゃんが説明を続けてくれる。


「困ったことというのは今日みたいなことですよ、澄ちゃんが話していた3人組なんですけど。彼らもつい先日ファンクラブへ入会したんですよ」

「えー! なんで!? 中学3年まで入ってなかったら、今更入らなくていいのに……」

「彼らが入会した理由は澄ちゃんだぞ?」


 もっちゃんから告げられたまさかの情報に、私は膝から崩れるようにうなだれる。

 そんな私に秋ちゃんは当然のように追い打ちをかけてくる。


「だからなんで!? 私仲良くお話ししただけだよね?」

「だーかーらー。その仲良くお話が問題なんだよ」

「今現在のファンクラブ会員数は約200人、全校生徒の3分の1にあたります。そのうちの大半が面白半分にはなりますが、熱狂的な人も一定数います」

「ね、熱狂的……」


 私達の通う中学校は、県の中でも生徒数が多い。だから1学年分の人数ともなれば、それなりの規模になってしまう。

 ファンクラブの実在、そして想定以上の規模になっていることもそうだが、その中でも熱狂的なという言葉にびくりと反応してしまう。


「おービビるなビビるなー。むしろ熱狂的な連中のおかげで助かってる面もあるんだぞ?」


 私の反応に目ざとく反応した秋ちゃんは、すかさず崩れ落ちた私の頭を撫でながら優しく声をかけてくる。

 秋ちゃんはこうして私の気が動転しているとき、必ず優しくしてくれる。それがうれしい私は、だから私はつい秋ちゃんにすがってしまう。


「ほんとに?」

「本当、澄ちゃんは可愛いからな。誰かが守ってないと悪い狼が襲っちゃうんだよ、こうやってな。ガオー!」

「ひゃい! あっはっはっはっは! だ、だめえ! 脇! 脇弱いのぉ!」


 狼の鳴きまねをしながら秋ちゃんが私の脇を触ってくる。

 前世から脇の弱い私は、秋ちゃんの間の手から抵抗を試みるけど、異様に素早い動きで後ろから両脇に手を入れられてしまう。


 両脇から襲ってくる、まるで体に電気が流れているような表現のしようもない衝撃が、秋ちゃんの手によって強制される。

 我慢などという精神論は役に立たず、永遠にも感じる十数秒、私は自分が非力な存在なのだと思い知らされる。


 秋ちゃんから解放された私は、今度こそ力なく床に崩れ落ちる。


「まったく、秋ちゃんはどうして澄ちゃんをいじめるのかしら」


 溜息とともに嘆くもっちゃん、だけどその言葉とは裏腹に、私が秋ちゃんに襲われていた時もただ傍観するだけで、助けてくれることはなかった。

 そして今も、口ではそう言いながらも、力なく横たわる私に向けて携帯のカメラを向けている。


(どうしてその状態で、その声色出せるの……?)


 友人の非常な一面と、疲れて起き上がる事が出来なかった私は、瞳に涙を溜めてただ非常な友人に視線を向けることしかできなかった。

 瞬間、彼女の掛けている眼鏡が怪しく光を放ったと感じたのは、決して錯覚などではなかった。


「いい……いいよ澄ちゃん! そのまま顎を引いて……」

(あ、失敗した)


 私の嘆きは友人の琴線を刺激するだけだった。

 秋ちゃんとは違い、もっちゃんはテンションが上がっても基本的には大きくはしゃぐことはない、その分静かに行動へと以降してしまう。


「ま、まあ。こんな感じで澄ちゃんに危険が及ばないのも、その過激なファンが守ってくれてるからでもあるんだぜ?」

「それは分かったけどさあ。これが星君たちの件と何が関係してるの?」

「あーそのだな。まとめて言えば脅しと共通思想って奴だな」

「んー?」


 言い淀むようにして秋ちゃんは口を開いてくれたけど、それでも抽象的な表現になってしまい。結局それだけで理解することはできなかった。


「まとめすぎたな、もう少し分かりやすく流れで説明すると。まず、澄ちゃんと星君達が仲良くお話しするようになりました。これが昨日までの状況だよな」

「うん」

「そして今日、澄ちゃんの過激なファンが、自分たちのアイドルに近づいた星君たちを脅迫する」

「ん?」

「精神的に追い詰められて、まともな思考が出来なくなってる状態の所に、澄ちゃん崇拝論とアンタッチャブル論をダブルで刷り込む」

「え?」

「それを1時間かけて行った結果。彼らは立派な澄ちゃんファンになり、ファンクラブの会員となりました。めでたし、めでたしっと」

「……」


 秋ちゃんの分かりやすく、噛み砕かれた説明に、私は星君たちの脅された光景がありありと目に浮かんだ。

 何故見てもないのにその光景が浮かんだのか、私はすぐにわかった。それと同じ光景を何度も見ている、いや、味わっているからだ。


「そういえば、秋ちゃん、もっちゃん」

「なんだー?」

「どうかしました?」

「一つ聞きたいんだけどさ、二人って会員番号が1番と2番だよね。それってこのファンクラブを作ったのは二人ってことだよね」


 私の問いかけに、もっちゃんは歯切れ悪く「えっと」と返答するけど、肯定も否定もしない曖昧な返事になっていた。


「おう、澄ちゃんを守るには手足が足りなかったからな」


 もっちゃんはここで既に察していたみたいだけど、秋ちゃんは何も気づいていないのか、どうしてか少し誇らしげに答える。

 私は自然に秋ちゃんの手を取り、制服の袖を少しだけ上げて、秋ちゃんの手首より後ろが少しだけ見える状態にする。


「ん? ま、でも大変だったよ。みんな澄ちゃんを狙ってたからさ、私達で一人一人お願いと説得を繰り返していったんだ」

「そうなんだ、二人とも私のためにありがとう」


 片手で秋ちゃんの手をしっかり握って固定する。

 秋ちゃんは私の行動が好意によるものだと思ったのか、疑問を持ったのは一瞬だけで。すぐに嬉しそうに何かを待ち望むような表情を見せる。


 私はそんな秋ちゃんに反応することはなく、空いたほうの手の人差し指と中指を伸ばして、指の腹を澄ちゃんの露出させた腕部分に軽く何度か当てる。


 これから起こることを察したもっちゃんが、諦めたような表情を見せる。


「それで、秋ちゃんが説得した人達に会員になってもらって、秋ちゃんの手伝いをさせてたってこと?」

「そうそう、流石澄ちゃん頭の回転早いねー。最初は大変だったけど、やり方さえ教えれば皆自主的にやってくれたから、それ以降は結構楽だったけどねー」


 対象との距離、目測完了。

 腕の稼働状況、確認完了。

 対象の警戒度、警戒なし。

 気持ちの準備、いつでもOK。


 ファイヤ!


 私が思い切り振りかぶった手が、露出させていた秋ちゃんの腕に思い切り叩き付けられる。

 怠ることなく入念に準備した私の攻撃は、邪魔されることなく綺麗な軌跡を描き、柔らかい肌同士が勢いよくぶつかる音と共に目標を達成する。


「しいいいいっぺ! いったあああああああ!」

「秋ちゃんのバカあああ!」

「澄ちゃんまた明日ねー」


 無警戒状態に叩き込んだ痛みに、秋ちゃんが悲鳴を上げるなか。私は捨て台詞とともに、振り返ることもせずに家へと走っていった。


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