25 魔石
結局、その後も王都滞在を続け、俺はもう一度近衛に呼ばれて魔法を披露したほか、エセキエル氏の研究所にお邪魔して、飛行魔法のデータ収集に関する打ち合わせや、魔法関連の書籍を借りてきた。
今度の近衛は盾や鎧のほか、やたらと豪華な衝立を持ち込んできた。それに攻撃魔法を当てろというのだ。これはもう魔法の披露ではなく、俺の魔法にどれだけ耐えられるかの性能試験だよな…。と思いつつ、次々に魔法を当てていく。
魔力を抑えているので、本当の性能は分からないと思うが、豪華な衝立が俺の『ファイアボール』を霧散させると、近衛騎士団長のアントニオさんは満足そうに頷いた。俺も驚く。どうやらあの衝立には防御魔法か結界魔法が施されているようだ。
「あの衝立はこんなものではないぞ。次に地属性の攻撃魔法を使ってみろ」
と、団長さんが言うから、いわれるままに『ストーンバレット』を続けて打ち込むと、今度も魔法で打ち出した岩が霧散する。
「詳しくは話せないが、あの衝立には、全面を覆う強力な防御の魔法陣が使われている。君の魔法が良いきっかけになって、これまで止まっていた防具の研究や開発が動き出したのだ。君が魔法を出し惜しんでいるのは分かっている。もっと強い魔法が放てるのだろう? でもこの衝立は、どんな魔法も無効化させる効果があるから、いくら効果の高い魔法でも、衝立に当たれば関係ない」
「……」
衝立に当たらなければ効果がないなら、大量の火魔法を周囲に展開させ、こんがりロースト灼熱地獄に追い込んでも良いのだ。とあるアイマスクと赤い軍服がトレードマークの偉人も言っていた「当たらなければどうということはない」と。彼の言ったこととは真逆だが……。
しかし、俺が魔力を抑えているのが分かってて、こんなことさせてるのか。嫌がらせかか? ちゃんと防御手段があるのだと見せ付ける意味があるのかな?
それにしても、この衝立は魔道具なのか? 一体どんな構造になってるんだろう?
俺が不思議そうに衝立を見つめていると、団長さんが声をかけてきた。
「魔道具を見たのは初めてか? あまり見かけないから無理もないだろう。これには魔石という魔力を保存する石が嵌められていて、その魔力を使って防御の魔法陣を展開させるのだ。豪華な装飾は魔法陣を隠すためでもあるが、王家が使うから見た目も大事なのだ」
ずいぶんと饒舌だが、それだけこの衝立に自信があるのだろう。
しかし、魔力を貯める魔石というのがこの世界にはあったのか。誰からも聞いたことはなかった。団長さんがあまり見かけなと言ってたから、知らない人が多いのかも知れない。そういえばロレルカさんが一族の宝石があると言ってた。普通に価値が高い宝石のことだと思ってたが、もしかすると魔石のことかもしれない。
「魔石は値段が高いのですか? いろいろ試したいから是非とも欲しいです」
「魔石はドワーフの自治領だけで産出され、王家が管理しているから市場には出回らない。産出量というか、ドワーフとの契約で、年間の取引量が10個までと決められてるので、王国にもほとんどないのだ」
なんと! そんなに希少なのか。簡単に入手できるものではないとは思ったけど、全く手に入らないとは思わなかったよ。しかしそんな希少なのか?
「王国内から産出はされないのですか? あれば、いろいろ便利な魔道具が作れそうですが」
「魔石は地下数百メートルという深い地層から産出されるといわれている。ドワーフの技術じゃないと掘り出せないのだ」
どこか地表に露出していてもおかしくはないが、それを探す手立ては俺にはない。
仕方ないので、俺はじっくりと魔石を見続け記憶に焼き付けることにした。魔石は俺のこぶしを一回り小さくした大きさで、少しくすんだ黄色の宝石だった。いつかどこかで見つけられるかも知れない。そのときただの石だと見逃したくない。でも、魔石を使うには魔法陣というのも必要だ。その知識も欲しい。エセキエル氏が知っていれば教えてもらおうかな。
◇ ◇
王家から爵位授与などに関する内々の話しがあったのは、王都に滞在して間もなく1カ月という頃だった。王家に仕える栄典担当の文官と、人事担当の文官がうちの王都邸に来て、爵位を受けなければ王家の印象を悪くするとか、上層部の貴族から何を言われるか分からないから是非受けろと、半ば脅しのようなことを言って父と俺に迫ってきた。
既に父と話し合い、爵位を受けることと王立魔法研究所でお世話になることを決めていた父と俺は、文官の態度にちょっと引きながら受諾した。
俺に与えられる爵位は、空位になっていたコルテス男爵という名らしい。コルテス家は、かつて魔法の才が認められて王家から爵位を与えられた家で、俺も境遇が似ていてるからぴったりなのだとか。70年ほど前に途絶え、親戚もおらずしがらみは特にない。ついでに、家も財産も何もないのだ。
8歳の子供に新たな爵位を与えるというのは、長い歴史を持つリエルタ大国でも過去にないのだそうだ。そのため、今は仮にとどめ、俺が成人を迎える16歳になってから正式に爵位を与えることになるという。
ただ、王に拝謁し、仮の授与式を行うことで、その時点から男爵扱いになり、報酬も支給されるという。その代わり王立魔法研究所で魔法研究に携わることになる。研究所では特別研究員として遇され、こちらも手当てが出るというのだ。
俺たちがすんなり受諾したことで、栄典担当の文官は拍子抜けしたのか、少し驚いた表情を浮かべながらも、満足そうに一つ頷いた。先ほどとは少し印象が違い、肩の力が抜けているように見える。威圧してでも受けさせたかったのは、文官自身が王家や上層部からプレッシャーを受けていたからだろうか?
もしフィデル兄さんが官僚になったら、配属先によってはこういった仕事もあるだろう。大変だな…。
文官は最後に、正式な内定は1、2か月後、仮の授与式はさらにひと月は先になるだろうと伝えてきた。研究所に勤めるのは仮の授与式のあとになるという。父は一度領地に戻るので、内定の連絡は領地で受け取りたいと話し、文官はそれを了承して帰って行った。
これでやっとうちに帰れるよ…。3日後、父と俺は王都を後にした。
◇ ◇
父の領地に帰ると、母が飛び付かんばかりに俺を抱きしめてきた。「もう大丈夫なのね?」と言って、服が汚れるのも構わず、俺を両手で抱え込むように抱っこしたまま家の中に入ろうとする。8歳の息子を抱っこしたまま移動するなんて、母は結構力持ちなのだなと思うとともに、抱っこもこれで最後かも、としんみり思う。
母を含め家族に爵位のことは伝えていない。今晩にでも父が話すだろう。ここは俺の故郷だが、爵位を得れば気軽に里帰りもできないだろう。御使い様やニルダ、三馬鹿たちともお別れだな。
ちょっとしんみりしている俺を見て、旅の疲れが出たと思ったのか、母はゆっくりしなさいと自室に戻ることを勧めてくれた。エマ姉さんも何か言いたそうだったが、母の言葉を聞いて同じく自室で休むように言ってくれた。
自室に戻ると、懐かしさはほとんどないが、あと数カ月でここともお別れだと思うと、改めてじっくり部屋を眺めたくなった。ニルダは王都から持ち帰った荷物を片付けている。男だらけで王都に行ったからというわけでもないが、洗濯物とかが溜まり、行ったときより荷物が多い。
国王に拝謁するために礼服も買ったのだ。貴族の服に既製品はないが、3日で仕上げる店が王都にはある。デザインはある程度決まっているが、国王に拝謁するといったら最高級の布を使い、デザインも少し凝ったものが出来上った。
仮の授与式でもう一度着るだろうが、以降は成長もするので、もう着る機会はないと思う。2回着るだけで大銀貨4枚と小銀貨6枚が飛んで行った。俺の金ではないし、特急料金なので仕方ないが、実に勿体ない。引き取ってもらえるなら、古着屋にでも売ろうかな?
夕食は、家族みんなで卓を囲む。領主の帰還を歓迎している雰囲気が伝わり、父がまだ俺のことを話していないことが分かった。魔人の件は家族みんなが知っているので、王都から捕縛部隊が来たときの領民の驚きや、森の捜索に代理として同行したときのことを、エリアス兄さんが面白可笑しく話した。
父は国王陛下から直接ねぎらいの言葉と、褒賞として大金貨5枚と名工の作である剣一振りを賜ったと話した。「我が家の家宝になりますね」と、エリアス兄さんが嬉しそうに言って微笑むと、家族もつられて笑いが起こった。
翌日になり、朝食を済ませた俺は、昼までラミラさんの授業を受け、そのあと外出する。森の空き地に行って御使い様に会うためだ。来るかどうかは分からないが、来なければ森の奥にあるという祠まで行ってみよう。いまの俺ならたぶん飛行魔法で行けると思う。父に買ってもらったナイフを腰のベルトに差し、人目につかないところで飛行魔法を使う。
森には王国の捕縛部隊がまだいるので、なるべく岩山の方からは見えないよう、木を縫うように慎重に進んで行く。やがて草むらに着くと、御使い様が岩に腰掛けているのを見つけた。待っていてくれていたのだろうか。そう思うと、少し嬉しくなって急いで側に近づく。
「御使い様、レオンです。昨日戻ってきました」
御使い様は俺の方に振り向くと、「そう」とだけ言って無言になる。別に嫌がっているわけではないが、元気がないのか動作が重そうだ。魔人たちと何かあったのか?
「何かありましたか? ゼオノス君や魔人の皆さんは無事に逃げられたのですか?」
「途中まで一緒だったけど、無事に山を越えられたかどうかは分からないわ。比較的安全で低い山を越えられるように案内したけど…」
「それにしては浮かない顔ですね」
「あの長だと言ってたおじいちゃんが、1人残ると言い出して、みんな説得したけどだめだったの…」
アティリオさんのことか。父が捕まったと王都で話してたけど、その後の行方は分からない。多分どこかに収監されているのだろう。それにしても、これまで見続けてきたのでなんとなく分かる。御使い様は根が優しいから、たぶん気に病んでるのだろう。
「アティリオさんが捕まったと王都で聞きました。そのあとどうなったかは分かりません」
「そう…。魔人のみんなも説得はしたけど、おじいちゃんがけじめだとか、皆をこんな辛い目に合せた償いだとか言うから、最後はみんな何も言えなくなってた…」
「けじめや償いの気持ちはもちろんあったでしょうが、一番は山越えで足手まといになると考えたのでしょう。杖をついていたので、初めから山越えは無理だと思っていたのだと思います」
「多分そうね。ゼオノスのお父さんもそんなこと言ってた。だから負ぶっても行く覚悟だったけど、おじいちゃんの言うことも理解できるからって、泣いてた…」
「御使い様のせいではありません。それより、御使い様はどの辺まで一緒だったのですか?」
「いくつか峠を越えた辺りよ。まだ雪が残ってて寒かったけど、あたしが遠くまで見渡して歩きやすいところや、天候が変わることをゼオノスに教えて早めに避難しながら進んだから、誰も欠けずにそこまで行けたわ。山に入ってからは進むのに時間がかかって、途中で食べ物がなくなりそうになったけど、運よく、獣や沢で魚を捕まえながら行けたの」
「さすが御使い様です。では少なくとも北の地には行けたのですね」
「あれを行けたと言って良いのかしら。まだ半分くらいよ」
確かに峠を越えたとはいえ、道程としては半ばだろう。言葉と実際じゃ同じ峠を越えるでもだいぶ違う。
「そういえば、話しに出てこないですが、ポッカというラノスの大蛇は一緒じゃなかったのですか?」
「大蛇は合流地点という場所には来たけど、そのあといくら付いてこいと呼んでも来なかったから、最後は置いていったわ。多分あの子も足手まといになると考えたのね」
大蛇の魔物がそんなこと考えるとは思えないが、最初に見たときのポッカは、ゼオノス君と意思疎通が図れているようにも見えた。
でも確かポッカには従属する呪術をかけていると言っていたような…。魔人の言葉を拒否できるのだろうか? 父の話しではラノスは神の遣いと崇める存在らしいので、もしかすると、元々知能が高く、従属の呪術にかかったふりをしていたのか? そうなると、御使い様が言うこともあながち間違いじゃないのかも知れない。王都に行くときに見かけたのは、本当に俺を見送りに来たのかも……。
「そうですか、でも大蛇を討伐したとは聞いてませんから、結構しぶとく生き残ってるのかも知れませんね」
「森で見かけたら声をかけてみようかしら。多分あたしのことは見えると思うから」
「そういえば、魔物は御使い様が見えるのですか?」
「言ってなかったっけ? 種類によるけど、魔物は結構魔力があるのよ。だから魔物って言うの。だけど魔法を使うほどの知能はないわ。稀に簡単な魔法を使うのがいるけど。それと、神の存在を信じているというより、疑うことを知らないからあたしが見えるの」
またもや重大な話が…。そういうことは早く言って欲しい。聞かなかったのは俺だけど。
でも、ゼオノス君は神の存在は信じても、魔力はそれほどなかった。御使い様が不思議だと言ったのはこういうことだったのか? 俺は転生者で天使室長を知ってるから、神の存在を疑わない。魔力量も過去最高の人間らしいから御使い様が見えた。
ゼオノス君の場合、神の存在を信じているというだけで、御使い様が見えるようになったのかも? エセキエル氏が加護の話しをしていたから、もしかすると、ラール神の加護を持っているのかも知れない。それを確かめる機会はもうないだろうが…。
「知りませんでした。しかし、魔法を使う魔物もいるのですね。何か見分ける方法とかありますか?」
「ないわね。でもこの森には多分いないわ。いれば暴れているだろうから。魔物が魔法を使う場合は、大体獲物を捕らえるためね。地魔法で岩を投げたりする攻撃魔法になるわ」
そんなのがいたら危ないじゃないか。物語に出てくる魔物が、たまに魔法のような攻撃をしてくるのは、実際に魔物が攻撃魔法を使った事実を、物語に落とし込んだからだろう。
その後も御使い様との会話を続ける。御使い様は俺と話すことで気分転換ができたのだろう、浮かない顔だった最初の頃に比べると、だいぶ明るさが戻ってきた。俺はいよいよ本題を切り出す。
「御使い様。今回の魔人の件や、その後もあれこれあって、私は王都で暮らすことになりました。王都に行けば気軽にこの森には来られません。まだ数カ月先ですが、先にお別れを言っておこうと思います」
「ちょっと待ちなさい! そのあれこれって何?」
あっ…、やっぱりそれを聞くか? 言うと御使い様がわざわざ忠告してくれたのが無駄になるから、恥ずかしくて言えなかったのだ。
「あぁ、ええっと、その。つまり、国王の前で飛行魔法を見せたら、王と国の上層部が騒ぎまして、王都で飛行魔法の研究に協力することになりました。でも飛行魔法は秘密にするらしいので、知る人は少ないと思います。ついでに爵位を賜り、成人後は貴族の息子から正式に貴族になります」
御使い様が黙って聞いているだけの筈がない。自分の忠告を無視するかたちになったことを知り、怒りが頂点に達する。
「だから魔法を使うときは、気を付けなさいと言ったのに、国王の前であの飛行魔法を使ったの? あんた本当に馬鹿じゃないの!」
妖精の格好をした、20センチのフィギアのような御使い様に罵倒される、見た目は8歳児だが、累計43歳の転生者というのは、字面にするとかなりカオスだろう。御使い様が俺の仕出かしたことを真剣に怒ってくれているから、さらにいたたまれない。
「本当に申し訳ございませんでした。まさかこんなことになるとは…、と少しは思いましたが、成り行きで…。家が取り潰される可能性もあったので、出し惜しみ出来なかったのです」
俺はしどろもどろになりながらようやく弁明する。
御使い様はもっと言いたいことがあるのだろうが、怒ったところで何が変わるわけでもないので、もはや諦めの表情だ。……見捨てないで欲しい。
「もういいわ。それで、あと数カ月で王都に行くのね」
「はい。それまではここにいますので、御使い様にもお会いできます。ですが、貴族の家を継ぐことになりますので、準備で多少は忙しくなるかも知れません。よろしければ御使い様が普段いる祠の場所を教えて下さい。御使い様がわざわざこの草むらまで来なくても、こちらから会いに行きます」
「祠まで遠いのと、狩人に見つかる可能性もあるからこの場所で会うことにしたけど、今さらね」
そういうと、御使い様は祠の場所まで案内してくれることになった。
草むらから北に20キロといってたから、かなり森の奥だが、飛行魔法なら文字通り一っ飛びだ。俺は捕縛部隊や狩人に気を付けながら、ぎりぎり木の上を時速60キロくらいの速度で、20分ほどかけて祠に到着する。
祠は、周りの木より明らかに立派で、遠くからでも目立つ大木の下にあった。大木の周囲は少し開けていて、祠の周りの下草は刈り取られ、石畳が敷かれている。狩人が手入れをしているのだろう。大木の影から逃れた春の日差しが、木漏れ日となって祠をわずかに照らしており、御使い様が言う通り、確かに空気が澄んでいて居心地が良さそうだ。
祠は日本で見る小さなものや、洞窟を利用したものではなく、全て石で作られた小屋のような造りで、扉はなく中が見える。中は2人くらい入れるスペースがあり、何も置いていない祭壇と、床に平たい石が置かれていた。石の上で祈りを捧げるのだろう。よく見ると、祭壇の先の壁に何かが彫られている。文字のようだが判別できない。地母神エナ様のことでも書いてあるのだろうか。
「ここは確かに居心地が良さそうですね。しかし、こんな森の奥では狩人くらいしか来ませんね」
「騒がしいのは嫌いだからそれでいいわ。狩人も春先と、夏の盛り、秋口に来るだけだから、いつもこんな感じよ」
「折角来たので、地母神エナ様に祈りを捧げてきます」
そう言って祠の中に入る。捧げるものとか持ってきてないが、とりあえずゼオノス君が言ってた、魔力を頭のてっぺんに集めることを意識して、祈りを捧げてみる。地母神だから、ここはひとつ、領地の特産品であるぶどうや麦など大地の恵みを頂いている感謝を伝えておくか。
「大地の女神たる地母神エナよ、神の御名において彼の地に大いなる恵みをもたらす奇跡に感謝し、願わくはこの先もかの地に恵みを与え賜え。我は女神に祈りと大いなる信仰を捧げる者なり」
即席の祝詞を唱え、頭のてっぺんに魔力集めて奉納してみる。
すると、思った以上に魔力がごっそりと抜ける。体に力が入らない。生まれて初めて魔力が枯渇する気分を味わい、パニックに陥る。このまま死ぬかもしれない。やりすぎたのか!? もう祈る姿勢も維持できない。俺は石に折り重なるようにうつぶせになり、やがて意識が遠くなる……。
「レオン、何事! しっかりしなさい」
御使い様の問いかけに返事しようとするが、口もまともに動かない。遂に俺は意識を手放した。




