餓死
ぐるキュルううううう………
……お腹が、鳴った
魔力はいくらでもある
でも、食べ物は無い……
「お腹がペコペコって……こーゆー事なんだなぁ……(ヽ´ω`)」
今までは空腹なんて感じた事は無かった
左手を振るう
すると、自分のステータスが表示される
「………空腹以外はマックスなんだけどな………」
攻撃力、防御力、魔力、速度
全てマックス
ぐぎゅぅ~………………
元妖精王………
お腹空いて死ぬとか………
(´°ᗜ°)ハハッ..
笑えるわぁ…………
ーーーーーーー
ガタンカタン……
ガタンカタン………
~♪
イヤホンから流れる音楽
通勤の為に乗っている電車
お姉ちゃんが着ていたスーツを着て、電車に乗っている
………日曜日だけど……
プシュー
電車のドアが開く
……1駅なんだけどね……
歩きたくない
めんどくさい
近所の人達に会いたくない
ただそれだけ
今日だって、別に会社に来なきゃ行けないワケじゃない
ジー……カラコロガガ……
昔ながらのタイムカードを押す
自分の机……PCの電源を入れる
何をするでもない
メールの確認をして、緊急の案件が無いか確認をする
………特に何も無い
フロアを見渡す
シーン………
誰もいないようだ
「…そりゃそーか……日曜日だもんね……」
そう呟きながら、荷物を肩に掛けた
ーーーーーーー
まだお昼前。
カッカッカッ………
ランチには早いし………
電車で帰る気にもなれず、何となく自宅へと歩いている
なんて事はない、普通の公園を見つけ
「…ふぅ、ちょっと休憩(*´ο`*)=3」
ベンチに座る
何故かミョーに疲れてしまった
「………そろそろダメかな………( ´ー`)フゥー...」
……ン……
?
ク………ン…………
キョロo(・ω・ = ・ω・)oキョロ
何処かで仔犬の声が……
ク……ン………
どこだ…………?
アタシは集中する
ク………ン………
あの辺!!(๑•̀ㅁ•́๑)✧
ゆっくりと、声の聞こえた辺りへと向かう
そこには
ダンボールに入った小さな仔犬がいた
「……お前も……捨てられちゃったのかい……?」
優しく撫でてあげる
「ク……ン……ク………ン」
もう体力の限界なのだろう……
仔犬は必死にアタシの手に擦り寄る
でも
「……ごめんね……!アタシのウチ……ペット禁止なんだよ……もし君が獣人化出来れば良かったんだけど………」
仔犬は首を傾げる(੭ ᐕ))?
カバンの中からクッキーを取り出し
「ごめんね、今はこれしか無いんだ……食べる?*˙ᵕ˙*」
わん!
必死に食べる仔犬
その姿を見ながら背中を撫でる
「ごめんね…………」
そう呟いて、立ち上がる
後ろでは仔犬がまだ食べている
ぐぎゅぅ~………
お腹が鳴ったw
そういや、さっき仔犬にあげたのが最後だったっけ……
わん!!
後ろを振り向くと、ひと欠片のクッキーを咥えた仔犬がいた
「……いいんだよ♪それは君にあげたんだから(^^)ゆっくり食べなよ♪」
そう言って、仔犬の頭を撫でる
「くぅーん………」
何か不満気だ
(*・ε・*)ムー
なら……
「じゃ、一緒にいるから……さ………」
(*´ `)
だめかな?(˶• ֊ •˶)
わん!U^ェ^U
そうして、暫く二人でいたのでした