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オーパーツとロストアイテムを手に入れた俺の冒険譚?

一度に二つ、取っちゃった。 @短編その51

手に入れちゃいました。

オーパーツとロストアイテム。なんと同時に2つも。

宝くじとどっちがいいかって言えば、1億以上なら宝くじ。

でもこれ、遊べるよね?

これの使用方法は、手に入れると自動で表示される『マニュアル』で分かる。

しゅごい。


まあ、手に入れた経緯くらいは教えてやろう。もしかして同じ方法手に入れる事が出来るかもしれないからね。

みんなも手に入れるといい、みんなで幸せになろうよ!

・・・なんちゃって。これ、実は呪われているんだ。頭に。意味わからんか・・



さて、まずは自己紹介はお約束だよね。

俺は里鞍仁(さとくら じん)、中学3年の、ピチピチボーイ。ノベルやアニメが大好き、今時の若者だよ。

受験勉強真っ只中、家で勉強は気が散るので、死んだばあちゃん家で一人暮らしだ。自由気まま!

勉強疲れで、夜中にコンビニに出掛けたんだ。

ちょっと息抜き、漫画読もう・・・立ち読みだけどね。



来週が楽しみだなー、●杖はどうなっちゃうのかなー。

炭酸とスナックと明日の朝飯の食パンの入った買い物袋をブラブラ揺らし、帰路についた。


で。なんか変な形の皮のバッグが落ちてたんだよね。

交番に持って行こうかな?

ここからは遠いな。しかも真夜中だし。

よし、明日学校行くときに持って行こう。

では、うちに帰ろう。



「貴方、貴方。返して下さい」

「え?」


街路灯でぼんやり明るい道で声を掛けられて、ちょっと玉ヒュンしたわ。

思わず振り返っちゃたわ。確か漫画では、安易に振り返ってはいけないって・・今思い出したわ。

こういうのの対処法は、前もって訓練しないとダメだわー。

まあ、予想通り振り返ったけど、誰もいませんでしたわーー。


「貴方、貴方。返して下さい」


ヒュヒューン!!もう、股間が縮こまってしまったわ。

声が、すごく近い・・・真後ろからしたわ。やばいわ。

兄貴だったら、卓球ラケット振るようなフックを喰らわせていただろうけど、俺はサッカー部だ。

きゅるっと振り返り、ヘデイングで頭付きーーどわああああ、顔が、怖いーーー!!

頭だけだ頭だけだーー口がすげーー大きい、うわあああーー目がぎょろっとして血走ってるぅ!!

だがすかさず、頭付きで倒すーーー!!

がごっ。

うをおお、いでえーーいでえよおおぉ・・・あだだだだぁ・・・

おお、頭、怯んだ、今だ逃げろーーー!!





・・・はあはあはあ・・

デコ、まだ痛え。でもなんとか逃げ切った、よな?よな?

カバン。

そうだ、カバンだ。

何が出るかな何が出るかな・・

逆さにして、一気に出す。

ぼとぼとっと何かが出てきた。

なんだこれ。

ピョロン。

ん?何の音だ?

俺はキョロキョロと辺りを見回して、うわ!!

なんか出ましたよ。透明なブルーの八つ切り画用紙サイズの画面、出ましたよ。

これって、よくあるよね?海外の宇宙船の、なんとかってドラマでもあったよね?

いわゆるステータス画面っぽいものが出たよ。


ってのが、見つけたいきさつ。ただの落とし物です。ただなだけに!!うわ、つい出たわ。

最近オヤジギャグが、自然と口からだだ漏れます。担任の先生の影響か?

あのおっさん、すぐこういうくだらないのを授業中ぶっ込んでくるんだよなぁ・・・


アラサーオヤジのことはいいとして。

ステータス画面を改めて見ると・・・変な文字が、歪んで・・日本語に変形した。


「なになに・・・ロストアイテム・・ろすとあいてむぅう?」


説明しなくても、もう有名だよね!ロストアイテム、だって!

何々、何が出来るわけ〜?まず、これはなんだ?


2つのうち一つを手の取ると、画面に文字が表示された。


『 過去の滅亡した文明が残したアイテム。ロストシップ『ディヴァイン』』


えーーー、それどこのイデ・・むにゃむにゃ・・・船?これ、船なの?

でかくなれ、とかいうと、でかくな、あああ!!

今でかくなるなーーー!!!!!・・・止まった。家壊すかと思ったわ。


「コンパクトになれ」


しゅるしゅる・・・元のサイズに戻った・・・油断ならねーな、こいつら。

で。本当のサイズはどんなもんよ。


『この世界の単位で、全長1キロ』


それって、マク○・・・むにゃむにゃ・・・なにそれ・・・


『ディヴァインは宇宙も地球上も、そして異世界へも行ける万能船舶』


はうっっ・・・万能すぎだぞ、これ!!

こんなもん、俺操作出来るの?!

ううう、じゃあ次だ次!!!

俺はもう一つを手に取った。


『オーパーツ。万能武器。主の思う武器に変形する』


う、わ・・・

これ、武器の達人用じゃね?俺みたいにサッカーしか知らん人間向けではないよね?

学校の授業でやったのは、剣道と柔道くらいか・・・剣道なんて段も級も持ってねー・・・

柔道に至っては、武器すら無え。

使い勝手、良くないっす。初心者向けの武器ってないですか、オーパーツさん。

ぴか。

おお?

いきなり光りましたよ?おお、見る見るうちに、何かの形に変形・・・

・・・・なんじゃこりゃ。

サッカーボールになったよ?

そうか、コ○ンみたいに蹴って使え、と?えーーーー?


・・・・・・・・・

俺はスン、と正気に戻った。きっと今、チベットスナなんちゃらな顔だな。


「受験勉強、本気でやろう」


俺は机に向かい、問題集を開いて集中したのだった。




こうして手に入れたロストアイテム、そしてオーパーツだが、受験に夢中になって、忘れた。


しかも、大事件・・・卓球の県大会に出場していた兄が忽然と消え、行方不明になってしまい、我が家も高校も大変な騒ぎになってしまったのだ。




結局俺が高校に入学しても兄貴は帰ってこなくて、俺が実家の跡取りになる事になってしまった。

料理は好きだから、まあいいかと受け入れた。

創業200年以上を誇る、格式ある老舗の料亭だ。高校を卒業したら、調理学校に通うこととなった。



高校に入って半年、夏休みになって部屋を掃除してたら、あの鞄を見つけた。忘れてたわー。

そうだ。船に乗ってどこかに行こう。

せっかくに夏休みだし・・と思い立ち、段ボールに食料と着替えを詰め、まず海に向かった。そこで、ロストシップ『ディヴァイン』を展開。


どどどーーーーん・・

海に現れた巨大船舶は、津波を起こした・・・まあ、酷い災害にはならなかったけど・・

俺は慌てて船に乗り込み、


「発進!!目的地は・・・兄貴のいるところ!!」




そして到着したのだ。()()がいるところに。


「こんなでかいの、邪魔だ!!もう少しなんとかならんのか!!人が死ななくて本当よかった・・」


怒られた。ごつんとゲンコツも落とされた。まあ俺が悪いんだし。

騎士団設営地に降り立ち、建物を半壊させたからだ。

でも『あーー、サトクラの弟かー。じゃ、しょうがねぇ』と納得していた。どういう意味だってばよ!



兄貴なんだが、中世風の異世界にいた。王子様の側近をしているのだとか。

卓球の県大会の最中に、異世界転移して、この国に来たそうだ。


その王子様というのが、すごい美男子だ。美人さんだ!! 

で、王子様、兄貴を『サトクラ、サトクラ』って、もう懐いているんだよ。

ちょっとちょっと?

王子様の、兄貴を見る熱い視線に、焦る。これはもしや・・・?


気になって兄貴に聞いたら、『お前は戯けか。殿下を侮辱するな』と怒られた。

兄貴もすごい忠誠心で、王子様を『殿下』って呼んでお仕えしている。

俺たちの世界にいた時と、ちょっと性格変わったなぁと思った。いつも一人でいることが多かった人だったのに。

王子様との侍従関係を、大層気に入っている様子。



という事で、暇を見つけては、この異世界のあちこちを旅する事が趣味となったわけだ。

『ディヴァイン』だが、全長1キロとデカ過ぎるんで、兄貴に愚痴ったら、『俺に任せろ』と言って、暫し・・・


「『アラームさん』が改変してくれたから、150メートル級の船になったからな。使い勝手もいいだろう?」


何それ!!兄貴が変に有能なんですけど!!

という事で、かなり小さくなって使い勝手も良くなったわけだ。



 高校2年の夏休み、また兄貴のいる世界に行こうとコクピットに行くと・・・いたんだよ。

あの『顔だけ』に!!今回は、目は血走っていなかった。


「鞄返してーーー」

「ほい」


そしたら消えちゃった・・・なんだ、本当に鞄だけ返して欲しかっただけか!!

中身はどーでもよかったのか・・・呪いは解けた。っつーか、呪いだったのか?



こうして俺は高校を卒業後、調理師学校に行って、家業の料亭に就職。

兄貴が『すまない』と謝っていたが、いいんだよ。俺、料理好きだし兄貴より得意だし。



それから・・・

俺はたまーーにうちの懐石料理を、王城の方々へ振る舞うために此処に訪れる。


「腕を上げたなぁ」


兄貴が美味そうに碗を啜るのを、ちょっと嬉しく思うのだ。それが楽しみとなっている感じ。



すごいアイテムとかを手に入れても、使う奴が野心も正義もない、ただの凡人ではこの程度ってね。

この船、結局異世界以外、飛ばせてないんだ。俺の世界で飛ばせたら、大騒ぎになるからね。

おまけに万能武器は、全く使う機会すら無い。

いっそのこと兄貴にあげちゃおうかな、って今は思っている。



ま、俺にはいいアイテムだよ、うん。



タイトル右の名前をクリックして、わしの話を読んでみてちょ。

4時間くらい平気でつぶせる量になっていた。ほぼ毎日更新中。笑う。

ほぼ毎日短編を1つ書いてますが、そろそろ忙しくなるかな。随時加筆修正もします。

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