表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なろうテンプレを装ったなろうテンプレでないチーレム小説  作者: 大錦蔵
ジャンクフード店~首都『トックホルムス』
15/23

本屋にて、ギルドにて

 最初は三人称視点から始めます。

 最近改稿した時期は、2019年3月14日。

 ウェーデンス国での主流言語の名称設定を変更いたしました。【ギリス語→ケルター語】

 申し訳ございませんが、紫音の造語を変えさせていただきます。


 「あ~ここにも発見」

 王都脇にある、緑が溢れている山地・・・・・・その獣道に、人も亜人も召喚獣も関係なく、とある物らを探していました。


 声の主は、地球の文化に関する品を展示した、博物館に所属する受付です。

 白シャツの上に濃い赤のサマーセーターを着て、黒の筒状である・・・・・・タイトスカートを身に着けた女性でした。

 彼女は、肩にたすき掛けしている紐付き布袋に、見つけた展示品・・・・・・(本物ではない)ラジカセを入れます。


 どこぞの主人公が昨日この山で、博物館の展示品ごと水魔法で流すものですから、今はスタッフ総出で、紛失品を拾っているのです。


 「おっと確認確認・・・・・・」

 彼女はポケットから展示物リストがメモしてある紙をチェックします。

 どうやら例のラジカセもどきは、項目欄の上記ら辺に記されていたものでした。


 「・・・・・・ん?」

 何やら草を踏みしめる音を、微かに感じ取った受付は、音の発生源に顔を向けます。


 「グルルルル・・・・・・」


 「統率リーダーシップウルフか・・・・・・」

 木々の間に忍び寄り茂みに身を潜んで、受付に接近していたのは、尻尾と耳が長めな淡い青の毛を持つ狼の群れです。一見だけで、十数にも上っていることがわかります。

 その群衆の中から、リーダー格と思しき一番前にいる狼だけ、その尻尾の柄が青と灰色の横縞だったのでした。


 集団の人食い獣の獰猛な瞳が、受付を狙っています。


 「やれやれ・・・・・・」

 彼女は息をのみ、タイトスカートを締めているベルトについた革のホルスターから、武器を取り出します。


 手元に収めれる程の大きさで、鉛玉が装填された、角ばっている飛び道具の武器を・・・・・・。

 

 それは、拳銃ハンドガン

 黒色に鈍く光るそれを目撃した狼らは、徐々に歩み寄るのを止め、様子を見ます。


 持ち手の人差し指をトリガーガードに沿って伸ばしたまま、親指でハンマーを押し上げた受付は次に、引き金の方へとその指を曲げ・・・・・・。


 ダゥンッ・・・・・・ン という、銃声。空薬きょうも一つ落ちて、地面に転がります。

 しっかりと、殺傷能力を持つと思しき衝撃音が響きました。

 しかし彼女が発砲したにもかかわらず、どの狼も怪我を負ってはいません。

 

 そう、ただの威嚇射撃・・・・・・一つの木の幹に、弾痕が残っているだけです。


 受付の脅しに対し、一番前にいる狼は、すぐに横縞尻尾を揚げ、横に激しく振ります。

 瞬時に他の狼も、各々の尾を同じように動かしては、蜘蛛の子を散らすように去っていきました。


 その様子を見送っていた受付は、

 「・・・・・・ふう、危なかった・・・・・・」

 安堵したのか、腰の力が抜けそうになりましたが、

 (いえ・・・・・・ここで座ったら、どこか隠れているかもしれない偵察の狼に、私が弱っていることが、ばれてしまうわ・・・・・・)

 黙考しながらなんとか踏みとどまって、中腰で立っています。


 銃砲から硝煙が流れているのをよそに、彼女は独り言を口にします。

 「・・・・・・本当に危険だった。狼のリーダーが、退却の指示を出してなかったら、私は今頃肉塊・・・・・・いや、骨しか残っていないはず・・・・・・」


 「どうしましたぁああ!?」

 しゃべるウサギが銃声を聞きつけたのか、受付の方まで駆け寄ってきます。

 尻尾がたくさんの蔦や蔓でできているその白ウサギは、実はイナリに雇われた召喚獣。

 彼らの大半も、スタッフ達の手伝いをしていたのです。


 「ああウサギさん。さっきまで統率狼に狙われてたけど、追い返したわよ・・・・・・」


 「追い返したって・・・・・・」

 ウサギは拳銃にその赤い目を向けます。

 「・・・・・・この世界って、電化製品どころか、銃火器なんてものはなかったはずでは!?」


 そのウサギの質問に、受付は そうね・・・・・・ と言って、次に説明しました。

 「知っていると思うけど、召喚術・何かしらのトラブルで起こる空間障害・異界侵入術などの原因で、よくこの国まで入ってくるのよ、異世界物とか人とかが・・・・・・」

 受付からの答えに見覚えがあるのか、ウサギは赤い目を逸らして、脂汗を流しています。


 「そういった理由で渡来してくる人達が伝えた情報を基に、銃火器等を、この世界の鍛冶屋をはじめとした職人達が復元しているの・・・・・・もちろん本物と比べたら、完成度はだいぶ劣るんだけどね。

 私はそれを買っただけ」


 「・・・・・・ところで話は変わるけど、受付さんが働いている博物館って、なんで王都みたいにしっかり防壁で守られているとこではなく、こんな山の中腹に建てられたんですか・・・・・・?

 山賊やテロリストや畜生に狙ってくださいって言っているようなものですよ」


 目を逸らす作者。


 後付け設定上では「うちの館長が、絶景を見渡せれるこの場所で、博物館をぜひ建てたいというのが理由ね・・・・・・。

 博物館にも自警団を雇ったり、私達スタッフも自衛の術を持ったりしているのよ。 

 来るお客さんも、腕に実力がある又は、護衛をつけているかのどちらかのみで、賊や害獣対策はばっちりなの。

 獣やゴブリンらからも、博物館は襲っても、迎撃されるだけで無駄だって思われているのでしょうね」


 ウサギは、(それは、ちょっと無理があるんじゃないだろうか)と、至極まっとうな事を考えて、次に見渡してみると・・・・・・。


 「ボールペン・・・・・・?」

 草影に、プラスチックに似た素材で作られた筆記用具が、落ちているのがわかりました。

 

 ウサギは尻尾の蔦を操り、それを拾います。

 なんかそのペンから、妙な圧が来るのを感じました。


 「え~と、あれ? リストに載ってないわよ?」


 「え~、読み飛ばしたんじゃないですか? ちゃんと捜してくださいよ」

 しかし、何度も注意深く目を見張っても、リストの中にはボールペンなんて単語はありませんでした。


 「それじゃあ、そのボールペンとやらは博物館の管理品じゃなさそうね・・・・・・」


 「どうします? これ・・・・・・」

 ウサギの蔦は、ボールペンを持て余します。


 「一応預かっておきますか・・・・・・」


 そうして、そのボールペンは再び博物館に侵入しました。



 ※次からは、舞台を王都に変え、イナリの一人称へと変更いたします。


 「どうしたんだイナリ・・・・・・? 先程から騒いで・・・・・・」

 息を切らしているオレに、日本辞典を持ったままのカナネさんが話しかける。


 「ええいや、ねぇ・・・・・・ちょっと紫音がボケ倒すもんだから、ツッコミ疲れで・・・・・・」


 紫音とは、オレと同じ高校のクラスメートで、眼鏡をかけている不思議ちゃんのことだ。


 「あらあら、興味深い本ばかりですね・・・・・・これは、魔導書?【日本語】」

 靴を脱ぎ? 本屋の奥へと進んだ紫音は、膨れ上がったカバンを床に置き、並んでいる本棚から、一つの分厚い本を引き抜く。

 無遠慮にその本を開き、記されたことを フンフン と吟味し始めたのだ。


 紫音につられて、アードとガルムの獣人コンビも立ち読みを開始する。

 

 「うわ~、おいしそうっすね」

 ついオレは、アードが持っている料理ジャンルらしき本を、背後から覗き見・・・・・・。

 ・・・・・・アードがどんな人なのかって、オレは忘れていたのだ・・・・・・とりあえず彼女が言う おいしい は信用しないでおこう。

 なんだあのスプラッタイラストは・・・・・・。


 吐き気を催し、きっと自分の顔は青ざめているだろうとオレは思いながら、ガルムによろよろと寄って、彼女が読んでいるものを見せてもらおうとする。

 

 「なんだよ、うちが本読むのがそんなに珍しく感じるのか・・・・・・?」

 挑発的な目で、オレの方を振り向くガルムであったが、すぐに読書に戻る。

 それと、ガルムの腋にオレ達が着ていた衣類を挟んでもらっていた。

 彼女が読んでいる本の内容は・・・・・・。


 「何この小難しそうなの!!?」

 得体のしれない文や数式が、開いている紙一面にビッシリ記されてあったのだ・・・・・・!!

 も、もしやこれは物理の本か・・・・・・それもハイレベルの!!?


 「あ、あんた、その、書かれた内容わかるのか!?」


 オレの質問に、ガルムは生意気そうな態度で自信気に語る。

 「あたぼうよ。これでもうちは巫女だぜ? ほれ見ろこの加速度やら落下運動の数式だが・・・・・・」


 「その数式だが・・・・・・?」


 「え~と、等加速度直線運動の求め方はあれで、何何イコール何何のあれあれで・・・・・・」


 「見栄張ってただけか!!? 一時でもあんたがインテリだと思ったぞオレは・・・・・・!」


 「う、うっせぇなっ! うちはどちらかというと文系なんだよ!!」

 頬を染め、意地悪そうに犬歯をオレに見せつけるガルムは、 ふんっ! と不貞腐れたようにそっぽを向く。


 「ん~オレもなんか読もうかな~・・・・・・」

 たくさん並ばせてある本の背表紙を、流し見するうちに、気になったのだ。

 店外の方へと振り向いたオレは、呼びかける。

 「カナネさん? カナネさんもなんか読まないんですか・・・・・・?」


 腕を組んでいるカナネさんは答える。

 「悪いが・・・・・・買わない前提で、店の本を読むのに、私は抵抗を感じてしまうのでな・・・・・・親からそのことについて厳しくしつけられたのだ・・・・・・付き合いが悪くて済まない・・・・・・」

 やだ! この人すごい真面目だ・・・・・・!


 カナネの言葉に、ガルムは チッ・・・・・・と、舌打ちをした後、読んでいた物を元の場所まで戻すが、アードや紫音はカナネさんの言葉を無視して本に夢中。


 「それよりも、当初の目的を忘れてはいないか・・・・・・?」

 

 はっ! そうだったよ・・・・・・さっさと見つけないと、ケルター語の辞典を・・・・・・。

 気を取り直したオレは、慎重に探したが、目的の物となかなか出合えないでいる・・・・・・。


 「何やっているっすか、トライさん。ありますよ辞典コーナー、道側から見える右側に」

 いつの間にかスプラッタ本を読み終えたアードが、分厚い灰色の本をこちらに渡してきた・・・・・・?


 「あ~・・・・・・ありがとうアード」

 ちゃんとジャンル順に本が置かれてあったのね。どうりで左側から探っても見つからないわけだ。

 受け取ったオレを確認したカナネさんは、オレに銀貨を渡していく。

 カナネさんの蜘蛛の体では、本棚の間を潜るには、狭いから、代わりにオレが払うことに。


 店の奥にいる従業員に支払いを終えて、銅貨のお釣りを受け取ったオレは、魔導書にはまっている紫音の肩を叩く。

 「紫音・・・・・・辞書買ったよ。異界の魔導書に興味を抱くのはわかるが、他のみんなが待っている【日本語】」


 彼女は振り向いて、難しそうな顔で呟いた。

 「ふむ・・・・・・稲荷さん、さすが魔法のレベルが進んでいる国の魔導書ですね・・・・・・書かれている内容が全く分かりません・・・・・・【日本語】」


 そんなに難しいのか?

 わかんないのに、黙々と読んでたのか君は・・・・・・。    


 「もしかしたらでしょうけど・・・・・・【日本語】」

 紫音は冷や汗を頬に伝わせ、震えて持論を口にする。

 「自分が読めない理由は、『どく』が原因なのかもしれません・・・・・・【日本語】」

 また知らない単語を、こちらに押しつけやがったな!? 紫音。

 「ぐ・・・・・・愚読?? そんな日本語があんのか!?【日本語】」


 彼女は何故か首を傾げる。

 「いえ、確か自分が知っている限り、無かったはずですよ? 自分が先程考えた造語でございますから。習得してない外国語の文章を、眺めるという意味です・・・・・・【日本語】」


 「己が勝手に考えた造語を、ごく自然に日常会話にぶち込むんじゃねえぇ!!【日本語】」

 

 紫音はコホンっと咳払いし、 改めまして を口頭に言い直す。 

 「自分はこの国の文字について存じてませんので、それが原因で読めないだけなのかもしれません!!【日本語】」


 わぁっ! この感情はなんだろう・・・・・・今まで抱いたことのなく、言い難いものでもあるな・・・・・・。

 悲観ではなく、喜びとは似て非なる、虚無にも思えて、怒号と錯覚してしまい、楽とも違う・・・・・・とりあえず。


 どうツッコんだらいいのだい?


 「何をとんちんかんなことを言っているのだ君は!!? そんなこと一目でもろわかりだろどんだけ周回遅れしてんだこんちくしょぉおぉおおおおおおおおおっっっっ!!!!!!!!」

 つい、ケルター語で叫んでしまった。


 その後、紫音は置いていたカバンを拾い、脱ぐ必要がなかった靴を履きなおした。

 本屋の用も終えたオレ達は、とりあえず噴水広場で休んでいる。

 噴水はなぜか、その淵の一部が、崩れていた。

 

 追記事項・・・・・・広場にたどり着く前に、ガルムが奴隷という理由で履物を持って無いから、オレ達は靴店に寄った。

 今彼女は、安物だが丈夫そうな革靴を履いている。

 支払ったのはもちろんカナネさんだ。


 「なかなか悪くない履き心地だぜ。サンキュー財布」


 「誰が財布だ!? イナリの頼みでなかったら、聞かなかったところだぞ!!」


 アードが、地面をつついたり歩いたりしている鳩の群れに、ちょっかいをかけているとこを、眺めながら紫音はオレに尋ねる。


 「これからどう致しましょう・・・・・・?」

 ちなみに例の辞典の表紙に、得体のしれないひらがな魔方陣が描かれていて、それを持っている彼女は今、ケルター語で喋っている。

 重そうな荷物はベンチ付近の地面に置いていた。


 「いやえ~と・・・・・・」

 う~ん。女神から、魔王とか倒せと言われているんだけど、具体的に何をすればいいのか、オレにはちっとも頭に浮かばない・・・・・・。


 「やることならあるだろうよ。イナリくーんとシオンちゃーん【日本語】」

 ギリスとは別の、日本辞典をいつの間にか所持しているガルムが、魔術の効果を利用し、日本語で話しかける。

 続けて、

 「お人好しはどうだか知らねーが、周回遅れの眼鏡は国民登録されてねえだろ?

 倒置猫アードにそれがばれたら、人気のないとこでテメーはメインディッシュにされるぜ?【日本語・英語】」


 「いや! そんな大声で喋るな! アードが気付いてしまう!!」


 「バーカ。うちが今日本語とかので言ってんのがわかんねえのか?

 実はな・・・・・・冒険者ギルドで、異世界転移者を国民登録してくれる裏技サービスがあるんだ・・・・・・特別料金だの税金だのという名目の借金が生まれちまうがな・・・・・・一応転移者を保護している法律はこの国にもある【日本語・ケルター語】」


 「え!? まじでそんな方法あるの!!」

 半信半疑な情報ではあるが、オレは

 「カナネさん! 冒険者ギルドに行きたいんだけど、道順とかわかる?」

 彼女に尋ねられずにはいられなかった。


 そうしてカナネさんにも登録についての事情をオレは伝えた。

 早速紫音が、カバンを背負おうとした瞬間・・・・・・。


 「おっとっと・・・・・・」

 危なっかしくバランスが崩れて、千鳥足で転びそうになっしまっていた。


 「大丈夫かよ紫音。こんな重そうな物を運ぶから、・・・・・・待てよ?」

 気になったことをオレは彼女に話しかける。

 「あんた、学校の体力測定で、結構良くない点を取ってたよな? なんでこんな膨れ上がったカバンを長時間担げれるんだよ!!?」


 それに対し、紫音は何でもないように、

 「ああ不自然に思われていたのでございますね? 驚かせて申し訳ございませんでした。

 実は自分は今魔術で、自身の筋力のリミッターを外したり、疲労を誤魔化したりしているのでございます」

 何だと!!?


 「もう担ぐな! そんな無理したら、絶対体が悪くなる結果しか見えないぞ、紫音!!」

 驚愕し、叫んだオレは続けて提案。

 「そんなら、初めてだが、オレの魔法『共同ヂョイント空間スペース』を発動するよ。

 ちょっとその荷物を預かるが、いいか?」


 「はあ、別に構いませんでしょうけど」


 オレは空間収納系の魔法『共同空間』を、無動作無詠唱で繰り出す。

 すぐに魔法の対象である登山用リュックが、虹色の光を纏い、そしてこの世界から一瞬で消えた。


 「へぇ~! お人好し様は、規格外な魔導士でございましたか~【日本語】」

 

 「イナリ、召喚や元素魔法だけでなく、収納系・・・・・・? も繰り出せれるとは流石だ」


 「あら、自分の持ち物は消滅したのでございましょうか・・・・・・?」

 口元に片手を添えてきょとんとしている紫音だが、どうも動揺なんかしてないっぽいな。


 「大丈夫だ、無くなったわけじゃない。この世界とは別の空間まで運んだだけだ。

 さっきの荷物が必要になったら、オレに頼んでくれ・・・・・・。

 すぐにでも手元まで呼び寄せるからよ」

 ふっふっふ・・・・・・もらった能力とはいえ、それの説明するのは気持ちが良いな・・・・・・。


 「ってか、これ使えば、うちが衣服持つ必要も、無かったじゃねえか!!? 余計な苦労させやがってこの規格外のバカ野郎がぁあ!!」

 わぁそうだった! すぐその服らを収納するから、連続ローキックやめて、ガルムさん!!

 

 カナネさんが額に手を添え、目を閉じたままため息をつく。

 「貴様・・・・・・自身が奴隷であることを忘れていないか?」


 「それじゃあ、みんな準備はいいか? アード! もう行くぞ」


 「おや終わりですか? 休み時間。どこですか? 目的地・・・・・・。あらギルドっすか、冒険者専の」

  

 数十分後、カナネさんとアードが属しているギルド前へとたどり着いたオレ達。


 その建物は、東京の市役所ぐらいに敷地が広い、二階建ての木造建築であった。

 

 正門には、まあ当たり前だが、この建物がギルドだと示す看板が取り付けられている。

 庭についてだが、砂利に、はめ込んでならした沢山のレンガの道が、建物まで続いていて、それ以外のとこは、芝生や花壇の多種多様な花で占められている。

 東屋や池も発見できた。


 「こんにちは~、カナネちゃん」


 「ああミレーさん。こんにちは」

 

 向かい側から挨拶してきたのは、緑髪に白い頭巾を被り、布の上着、ロングスカートにエプロン掛けしているおばさんだ。

 刃先を革カバーで包んでいる、さす股より一回り大きいフォークみたいなものを、彼女は担いでいる。


 どうも今の昼の時間帯においては、ギルド出入口の大扉は常に開きっぱなしらしい。

 雨の場合は違うだろうか・・・・・・?


 内部にオレ達は入る。いきなりの大広間であった。

 床はフローリング。吹き抜け構造のようで、見上げれば、天井に鎖で吊るした複数のランプが等間隔に設置してある。

 木材壁側にも燭台が置かれていた。ちなみに窓はガラス製。


 紫音が入室する前に、先程いた本屋に入るみたいに、履物を脱ごうとする・・・・・・。

 「紫音・・・・・・ここは日本じゃないんだ・・・・・・周り見ろよ・・・・・・みんな、靴を履いたまま、室内に入っているだろう・・・・・・」


 「あら、そうなのでございますか」

 おとなしく、靴を脱ぐのをやめる紫音。


 ギルドの説明を続ける。

 右側スペースは、どうやら食堂・酒場のようで、置かれている複数テーブルの内の一つに、とある三人が囲って席に座っているのが、オレは気になった。

 

 そのグループの特徴。

 「でさ~ボクちん、この前、きゃわいいパツキンネーチャンナンパしたらさ~」

 造花かもしれないハイビスカスの首飾りを身に着け、アロハシャツと短パンを着ているくせ毛青髪のチャラ男。

 

 「 ブルーサワー さんの無駄話が原因で、私の眠気が増加。

 今所持しているカップの紅茶を摂取した場合、本日服用したコーヒー五杯・別紅茶三杯と合わせることになり、カフェイン中毒になる可能性上昇。

 私の睡眠を阻止させるため、 ブリュンヒルド さん・・・・・・私の頬を引っ叩いて、刺激を与えることを推奨いたします」

 両側面垂れ布ありの毛皮帽子を被って、金色な氷結晶マークを淵飾りにしている白のローブ着の、乳白色の美肌を持ち、左と右の目の色が違う、表情の起伏に乏しい銀髪おかっぱのロリ系美少女。

 【左目が赤。右が緑】

 

 「 ルミリー ・・・・・・貴殿をビンタしたら、一部の男共から、非難の嵐が溢れるから却下だ。

 そんなことより、我はあの『チンピラ』を、どうしたら八つ裂きにできるかを考えていて忙しい。

 故に、邪魔するでない・・・・・・!!」

 右肩のみ円形肩当ショルダーガードて、左手だけ籠手をしている、左右非対称アシンメトリー甲冑アーマーを装備した赤の長髪の女剣士。なんか、カナネさんと似たような雰囲気が、漂っている。


 ちなみに入り口から見て、食堂奥は、カウンターテーブルがあり、さらにその向かう先には、どうやら調理室らしい。

 

 次にオレは左側の壁側に、顔を動かす。

 大きな掲示板が設置されており、それにたくさんの依頼書らしき紙が、釘で貼られていた。

 板の手前には、複数の人が集まり、クエストの内容を吟味している。

 そのうち印象に残ったのは・・・・・・。

 

 「ふむ・・・・・・怪鳥の討伐依頼があるではないか。

 我が投石紐の特技スキルが、良く活かせれる仕事ではある。

 他の皆の意見を伺いたい」

 着ている鎖帷子の上に、チェスターコートの襟を持っている黒マントを纏った、鼻筋が高く目堀が深い、小麦粉肌でマッチョなスキンヘッドおっさん。


 「 ジャックボック さん昨日あんた・・・・・・、肩脱臼して、医者から激しい運動するの禁止されてるだろ? 根性で乗り越えられるなんて思わねえほうがいいぜ、非科学的だからよ」

 眉間側の前髪と、もみあげを異様に伸ばしていて、それ以外の部分はベリーショートな黄土髪の少年。

 彼の上着の服装は、赤いシャツの上に、学ランと酷似した服を、一番上ボタンだけはめて羽織っている。


 「む・・・・・・? ガイン殿 。ミレー殿と シーフ 殿はどこに行ったのであるか?」

 

 「ミレーは実家の農作業手伝いのため、早退。シーフは知らね」


 「イナリ、何を上の空になっているのだ? 気分が悪いのか?」 

 うわびっくりした! カナネさんがいきなりオレの肩を叩く。


 「いや~、なんかギルドに、個性的な人達がいっぱいいて、つい見入っちゃった・・・・・・」


 「テメーの場合は、無個性モブ根性丸出しだがな」

 相変わらず酷いよ、ガルム。


 「くっちゃべってるんですか、何を。さっさと終わらせましょうよ、サンカン(紫音の苗字)さんとトライさんの冒険者登録を」

 実はアードには、オレ達が今から国民登録の手続きをすることを、冒険者登録だと偽っている。

 もちろん理由は・・・・・・オレと紫音が、彼女のおやつになってしまうからだ、本当のことをばらしたら【アード風】。


 この建物ギルドの一階左奥には、カウンターテーブルを挟んで五人の受付らしき人が椅子に座っている。

 ちなみに、それより少し手前には、筆記スペースの四角テーブルが横に複数並べられてあった。


 「楽しみでございます。異世界では、どの様に国民登録の手続きをするのでございましょうか・・・・・・?」

 両手を軽く叩いている紫音をよそに、


 「国民登録??」

 首を傾げるアード。

 この後すぐ・・・・・・。



 「え? ちょっと何するんすか!!? カナネさんと非常食さん!!!」

 カナネさんが蜘蛛足で、アードを後ろから羽交い絞めし、ガルムが彼女の足元に抱き着いて、動きを止めようとする。


 「イナリ!! 早く手続きを終わらせてくれ!!! 私達が足止めしている間に・・・・・・!!」


 「けっ! ざまぁ見やがれ、倒置猫!! 周回遅れ眼鏡! のほほんとしないで、さっさと向かえ、うち達のことは気にすんな!」


 ああすまない、カナネさんにガルム・・・・・・絶対に君達の勇敢な行動を、オレは無駄にはしない!

 生きて帰ろう・・・・・・みんなで!!


 「え? これは一体どういうことなのでございましょうか・・・・・・???」

 オレは黙って、呆然と立ち尽くしている紫音の手をひっぱり、おもいっきり駆ける。

 急がないと、あの食人鬼はすぐにでもオレ達の後を追い、食い殺そうとするだろ・・・・・・それよりも先に、あのカウンターへ・・・・・・!!


 大口開けて、今の状況が呑み込めてないスーツ姿の女性受付まで、オレ達はたどり着き、叫ぶ。

 「オレ達は異世界出身者です。国民登録の手続きをお願いします!」

 

 「え、あっ・・・・・・はい、お客様・・・・・・この書類の筆記事項に記してください・・・・・・」

 受付から、羽ペンとガラスのインク瓶を借りたオレは、早速二人分の項目に記入を開始した・・・・・・!


 「あっくそ! 倒置猫がうち達を振りほどいちまった! お人好し! 気をつけろ!!」

 うわっまじかよ・・・・・・!!


 「どういうことっすか、これは・・・・・・まさか・・・・・・本当に登録されてないのですか!!? イナリさん達!」

 やばい、背後をつい振り向いたら、アードがとんでもないスピードでこちらに向かってくるじゃないか!?


 「空いていますよ? オイラのお腹! やっとありつけるんですね、久しぶりの人肉を!! む?」

 

 いきなり、アードの足元に霧・・・・・・霜が現れる!?

 何かを察したアードが真横に跳んだ瞬間、彼女がさっきまで立っていた床が凍り付いた!!


 「ダイジョーブイ? 色男ちゃん。何がなんやら分らんが、人食いアードちゃんを止めた方がイイみたいね~☆」

 ブルーサワーと呼ばれていた男が、こちらに向かって手を軽く振って喋っている。


 アードが、鞘から大ノコギリを抜き出した次の瞬間、

 「ふふ、『チンピラ』を切り刻む前の予行練習に付き合ってもらうぞ、食人鬼!!」

 ブリュンヒルドさん? が、諸刃の剣を構え、彼女の前に立ち塞がった!!

 すかさず、剣とのこぎりが衝突し、鍔迫り合いが起こる。


 かと思えば、

 アードの近くに、金色石が床に転がり・・・・・・すぐにそれから閃光弾以上に眩い光を放ったのだ!!


 「何をしている!! さっさと筆を動かすのだ! 状況は大体わかるのである!! 登録さえ終われば、彼女は貴様らを襲わないはずだ・・・・・・くそっこんな肩の痛みなど、けほども効かぬ!!」

 ジャックボックさんが苦痛で顔を歪ませている。

 恐らく、名も知らないオレらのために、病み上がりの肩で、魔石とかいうものを投げたのだろう・・・・・・。


 「『テストスコアを戦力に変換、社会は持久力』」

 学ラン着のガイン(?)が、妙な呪文らしき言葉を口走ったら・・・・・・。

 

 「うっ・・・・・・!?」

 光で目が眩んだアードの動きが鈍った!?

 身体能力が高い印象のある彼女の息が乱れ、肩が震えている。


 「アード・・・・・・どうやらその効き具合だと、テメー社会科目はそんな得意じゃねえだろ?」

 自信満々に、得体のしれないことを言い放つガイン。


 「傍観するのは得策で無し。性別項目に記入漏れ発見。

 直ちに書くことを提案いたします」

 い、いつの間にオレの真横至近距離に、ローブを着ているルミリーが、コーヒーが入ったカップを片手に持ったまま、注意してくれている!?


 「わかった! ありがとう」

 うぉおっ! 羽ペン初めて使うから、慣れてねええっ!!

 よし、二枚とも書いた!!


 「お願いします!!」

 すかさず、オレは焦っている受付に書類を渡した!


 「り、了解しました。それと本当に異世界出身者か確かめるため、あなた達の耳の形を見させて頂きます」

 み、耳の形!? どういうことだ!?


 「この国に住んでいる人と、世界から侵入してきた人との違いの代表例の一つ、

 耳の真ん中ら辺の形状が、微妙に違うことにあります」

 そんなこと、調べる暇ねえだろ!!? ルミリー!!

 

「ああ! イナリ! アードがもう近くに!!」

 何だって!? ブリュンヒルド達の攻撃を潜り抜けてきたのか!!


 「ああ・・・・・・とりあえずあなた達を仮登録しておいて、その後耳を調べた方がいいのですかねっ!?」

 アードがこちらまで迫っているので、テンパる受付。

 その後彼女は・・・・・・。

 「え? 何ですかこれ??! いきなり、頭の中にお客様の声が鮮明に湧き出てくるのですが!?

 声だけでなく映像も!!?」

 冷や汗を滝のように流しては、頭を抱えて混乱している。


 ルミリーが、そのことについて無表情のまま説明する。

 「私のESPエンチャントで、受付に一時的なテレパシー能力を生み出させました。

 貴方が会得した情報は、幻術の類とは別で、信ぴょう性あり」


 「ああ、確かにお客様から地球出身等である情報が流れ込んできてます・・・・・・」  

 震えている受付は遂に・・・・・・。

 「わっはいわかりました。登録完了致しました!!」

 急いで、オレ達が求めていた答えを叫んだのだ・・・・・・。

 次の瞬間・・・・・・。


 「あ、ああっ・・・・・・」

 アードの呻き声が、後ろから聞こえてきた・・・・・。

 声の元に振り返ると、


 残念そうに床にへたり込んだアードの姿が、見下ろせたのだ。

 尻尾とハイエナ耳が、残念そうに垂れている。

 危ねぇ、紫音とアードとの距離、目と鼻の先じゃないか!?


 「やったな、イナリ!」

 腕を組んだカナネさんが、純粋にオレ達の無事を祝ってくれている。


 「ヘヘェッ・・・・・・やりゃぁ、できんじゃねえか・・・・・・」

 ガルムも、鼻の下を指でこすって、嬉しそうだ・・・・・・!


 やった・・・・・・。

 オレ達は・・・・・・勝ったんだ!! 

  

 「やっ・・・・・・やったぞ! オレ達はやり遂げたんだ!!」


 その瞬間、ギルド内部から沢山の人の歓声があふれ出す!!!

 拍手喝采と口笛が、コラボレーションし、

 しょぼくれているアードをよそに、この場が、お祭り会場になった・・・・・・!!


 「ありがとう! 名も知らないオレ達のために、みんな献身的に協力してくれて・・・・・・このギルドは最高のギルドだ・・・・・・!!!」


 「・・・・・・何の騒ぎだ?」

 別部屋から、ワンレン金髪の耳が尖っているイケメンが、喧騒溢れる空気に戸惑いながら、現われる。


 「あ、シーフじゃねえか、トイレにいたんだな」


 「・・・・・・何の騒ぎだと聞いている」

 

 ガインが答える。

 「そりゃぁ、国民登録されてねえあの男女が、人肉好きのアードに狙われながら、なんとかこの国の一員になるために、登録用の書類を提出することに成功したんだぜ!!」


 事情を知ったシーフは、顔色一つ変えず、冷たい雰囲気を纏ったままで、

 「そうか。

 そのことについてと、この場の皆が狂喜乱舞するのと、一体何の関係があるか、私にはよくわからないのだがな・・・・・・??」


 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 奴のKYな言葉に、たったさっきまで騒いでいたみんなが、一気に静まり返った。

 

 なんか今までの状況を、オレは冷静に分析してみる・・・・・・。

 まず、紫音が余計なことをばらし。

 きょとんとしているアードを、カナネさんとガルムが拘束・・・・・・それによって、アードがオレ達が何か隠し事していることに感づく。

 カウンターまで辿り着いたオレは、堂々と彼女にも聞こえる音量で、自分達の情報を叫ぶ。

 仲間? であるはずのアードに怯えながら、オレは書類を焦って、記入する。

 ブルーサワーが氷魔法を繰り出し、

 ブリュンヒルドが抜刀して立ち塞がり、

 ジャックボックが石を投げ、

 ガインが妙なことを口走り、

 ルミリーが訳の分からない魔法を受付にかける。

 アードもアードで、今まで助け合っていたオレを襲おうとしていたし。


 そしてこのバカ騒ぎ・・・・・・。

 オレ達は今まで・・・・・・。


 

 何をしていたんだろう・・・・・・・・・・・・???


 

 ※次からは、時間を深夜まで進ませ、三人称視点に変更いたします。

 赤い月と緑の月が、並んで夜の街を照らしている。

 イナリ達がいたギルドの裏口での会話。

 

 「それは、本当の情報か・・・・・・?」

 甲冑を着ていた騎士が、確認を求める。


 「ええ、この登録書が証拠よ・・・・・・」

 そして男に書類を渡したのは、昼に紫音達の相手をした例の受付女性。

 ちなみに彼女に付加されたテレパシー能力の効果は無くなっている。


 「わかった。国王陛下までに伝えておく。貴重な情報提供感謝致す」


 「まあ、受付の義務ですからね。昨日出されたおふれですけど・・・・・・」

 

 騎士が、あることを思い出し、呆れたようにため息一つ。

 「それにしても、哀れだな奴も・・・・・・まさか国王様と魔王と剣聖様と法王様と天使とチンピr・・・・・・・」


 「おれのことかよぉ・・・・・・?」

 傍からいきなり出た言葉に、受付は心臓が止まりそうになり、騎士は腰ベルトに提げた剣を鞘から慌てて抜く。


 声の元・・・・・・通路先に彼女らが目を向けると、

 髪の色が赤紫、その上に桜色のカチューシャを被っている。

 灰色の肌を持ち、右頬に大小それぞれのタトゥーみたいな三角紋章が浮かび上がっている。

 彼は、イナリの恩人・・・・・・タイガであった。


 「わりぃわりぃ、別に驚かせるつもりはなかったんだがなぁ」

 両手を挙げ、無抵抗を主張するタイガ。

 続けて、

 「さいころギャンブルにぼろ負けして、今途方に暮れているんだ。誰か宿賃とか貸してくれねぇかねぇ・・・・・・な?」

 軽薄な声色で、無心した。

 まるで本物のチンピラのように・・・・・・。


 そんな彼の言葉に、騎士のほうは冗談だとわかり、突き放すように言った。

 「ふん・・・・・・くだらぬ。貴様なぞ、宿の代わりに、溶岩の中にでも飛び込んでみたらどうだ・・・・・・」


 「そうかよ、そうだな。じゃあ今晩はそうするか・・・・・・邪魔したな」

 冗談を言い返したつもりの騎士に対し、彼は肩をすくめたまま本当に賛同し、次に普通に去った。


 受付は、彼がこの場から離れたことを確認して心の底から安堵した後、虚勢を張った騎士を睨み、

 「バカなのあなた!!? よりにもよって、『チンピラ』に余計なことを言っちゃって・・・・・・怒らせたらどうするつもりなのよ!!」

 怒りにまかせ罵倒した。


 冷ややかな彼女の目線を突き付けられたまま、騎士は視線を逸らして一つ咳払いした後、呟く。



 

 「まあ何ともなかったからいいじゃないか・・・・・・。

 とりあえず、例の異世界転移者に、スパイを送り込む方向で・・・・・・」

 

 

  

 

 

 

 

 


 



  


 


 

 


 

 ご覧くださり、ありがとうございました。

 『異読』→『愚読』に変更いたしました。

 次の投稿は、一身上の都合で、相当だいぶ後になる予定です。

 申し訳ございません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ