プロローグ
よろしくお願い致します。
何回も改稿するかもしれません。
最近改稿した時期は、2019年8月13日。
不定期連載です。
「こんにちは~人間さん。あたしは女神なんだけどね?
あなた・・・・・・異世界まで飛んで、魔王とか倒してくれないかしら?」
ハンバーガー店内にて、オレの隣の席に着きながら、急にこんなことを尋ねてくる女子高校生がいた。
もちろんこんなヤバそうなことを、他の客もちらほらいる中、堂々と呟ける知り合いなんて、オレの中には、いない。初対面だ。
女子高生だとオレがわかった理由は、彼女がセーラ服を身につけ、プリーツスカートの下に、赤ジャージを重ね着してたからなのだ。
オレはこの場この状況でふさわしいことを口にする。
「精神科の病院なら、この店から出て、左に曲がってそれから・・・・・・」
「違うっ! あたしは身体も精神も健康そのものよ!! 学校の健康診断では、いい成績を収めているの」
バニラシェイクが入った沢山の紙コップを載せているトレイを、外窓と隣接しているカウンターテーブルに置きながら、否定する女神サマ。
その窓からは、こじんまりとした駐車場が、見渡せた。
「それでそれで女神サマ。このオレになんか用で?」
茶化すように言ってやった。まあ暇だし、少しだけ話し相手になるか、面白そうだ。
「それについては最初に教えたはずよ 虎威 稲荷」
・・・・・・は? 何でこの人オレの名前知ってんだ・・・・・・? もしやストーカー?! オレを付きまとってるって・・・・・・。
モテ期到来か!!? オレのことが好きなのか!!?
「何赤くなっているのよ違うわ。本当に情報通り女慣れしてないみたいね?」
違うのかい!!
自称女神サマは、その顔をオレの面と何の脈絡もなく近づける!?
「ふんふん・・・・・・、黒髪黒瞳で、髪型も顔パーツも何の特徴もないまあまあイケメン童顔・・・・・・おまけに女の子と話すのが苦手・・・・・・バッチリじゃない!」
オレの何かを値踏みするように、数秒眺め続け、感想を述べた。
「・・・・・・何が、バッチリって?」
「テンプレ的な異世界転移者系のノベルや漫画って、そういう系の主人公多いっていうかほとんどじゃない? そっちのほうが読者受けも良さそうだし・・・・・・」
女神サマは、訳のわからないことを言った後、バニラシェイクをストローを使用して飲んだ。
「なんか、君の目的がいまいち見えてこないけど、どういうこと??」
「こういうこと」
ん? 傍から衝突音が・・・・・・窓側の方から?
そうたしかに窓側からだった。
オレに向かって、
外の駐車場からトラックが突進し、
窓ガラスを突き破って、
ぶつかっ・・・・・・。
生々しい衝突音。割れた硝子が、次々に落ちる光景。周囲から繰り出されてる絶叫・・・・・・今まで人生で感じたことのない苦痛っ!!? なんか脇とかが生暖かいっけどっもしかし・・・・・・てこの液体、っ!!?
オレは仰向けで床に倒れたことはわかった。トラックに轢かれたからだ。
だが意識が朦朧とする中、確かに見た。
そのトラックの運転席に、誰も人が乗ってなかった。助手席も同様である。車を乗り捨てた様子も感じられない。
「俗に呼ばれる転生トラックね。ああ、あなた何が何やら訳解んない顔してるわ? まあようは」
トラックの横すれすれに座っている女神は説明しだした。
「トラックを操ったのはあたし。
あたし、神々専用の高校に通っている生徒なんだけど、所属している部活・・・・・・文芸部だけどね、この前部員全員が、小説執筆して、投稿しなくちゃいけなくなったのよ。
締切も近づいてきている中、ネタも思いつかないし、最近下界ではやっている異世界モノでもやろうと考え、それでもどこからどう書けばいいか、わからないから・・・・・・」
区切って目的の核心を、彼女は口にした。
「あなたが異世界で何かやって、あたしがそれを元に小説書くから。
ジャンルはノンフィクションノベルってやつね。だから死んでもらいますよ~」
「ふざけ・・・・・・」
息も切れ切れ、痛みがなんか和らぎだした、・・・・・・感じれなくなった。視界がぐるぐる回っているような・・・・・・オレ死ぬのか?
それでも気になることをオレは口にした。
「他に・・・・・・痛えっ・・・・・・車にぶつか・・・・・・た人いるか?」
「さすが異世界モノ主人公適用者ね。こんな時でも他人の心配なんて・・・・・・大丈夫よ。あなただけだから」
そっか・・・・・・良かった・・・・・・。
あの女は顎に手を添え見下ろして呟いた。オレ・・・・・・の腹部分を見つめて。
「今日はレバーとかモツとか食べれないわね・・・・・・」
オ・・・・・・オレの腹どうなってんの??
それと車とぶつかって、人の臓物撒き散らすものなのかよ・・・・・・。
「さて、メモメモ・・・・・・あった! え~と・・・・・・主人公 虎威は、事故で転生トラックにぶつかって、内臓と膨大な血を撒き散らし、他の群衆に見守られながら安らかに永遠の眠りについた・・・・・・っと」
ヤツは、ジャージのポケットから手帳とボールペンを取り出し、記録していった。
あとまだオレ死んでねえっ!!
でも・・・・・・もうダメだ。本当に意識が・・・・・・落ち。
どこかの誰かが言った。先程まで聞いたような女性の声を・・・・・・。
「あっ。別に転移させるだけなら、死なせる必要なかったわね」
ありがとうございました。