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私と私達  作者: 日舞 義孝
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誕生

少女が日記を書いてるように書きました。所々書き方が変わっているのは、少女の心持ちによって丁寧になったり、何の感情ももたないようにしているからです。

そこから少女の気持ちをどうぞ汲み取ってあげてください

私は死んだ。そして、生まれた…私たちが。


私はとても裕福な家で産まれました。兄弟はいないですが、優しい両親に愛されて育ちました。私はそれだけで十分でしたので、友達ともあまり遊ばず、学校が終われば、すぐに帰りました。


そうやって年を重ねた中学2年生の冬。

私はいつも通り一人で帰っていました。その日は冷たい雨がしとしとと降っていました。

家までは歩いて30分くらいかかり、私はゆっくりと帰っていました。


学校近くの交差点にさしかかった時、横断歩道の向こう側に父の姿が見えました。

私を迎えに来たのでしょう。

父は私の姿を確認すると手を降りました。

私は嬉しくて父の方へと走り出しました。すると、父の顔が慌てた顔に変わりました。そうです、私は赤信号であることを知らずに、車道に飛び出していたのです。


父も飛び出し、その勢いで私を歩道の方へ押し飛ばしました。私は宙を舞い、父は黒い影に呑み込まれていきました。


私は、痛む体を無理矢理起こし、父の姿を探しました。道には長く続く赤い道ができていました。父を呑み込んだ大きなトラックまで。その下から大きな父の優しい手が覗いていました。私はそこで意識を失いました。


私の中に"何か"が生まれた瞬間だった。


次に目が覚めたのは、病院のベッドだった。隣には母がいて、泣いていた。父は亡くなったそうだ。


お通夜とお葬式が終わり、父のいない、いつも通りの日常が再開された。


お金に困ることはなかったが、この大きすぎる家に二人は寂しすぎた。母は私を心配させまいと笑顔を作った。私には、母が作り笑いをしているのが分かったので、私も同じように笑顔を作った。ピエロが二人誕生したのだ。


私は父が亡くなったあの日から本当に笑うことができなくなった。ずっと笑顔を作ることしかできなくて、誰からも不気味がられた。


中学3年生の春。

母が亡くなった。父が亡くなり、精神不安になってから病気にかかり、入院したが治らなかった。

私は1人になった。


母が亡くなった時、また私の中に”何か”が生まれた。


父方の祖父母が私を引き取ってくれることになったのだが、私の我が儘で中学を卒業するまではこの家にいることになった。資金面で援助してくれるので、何不自由なく暮らした。


そんな生活を続けた中学3年生の冬。

いつもと違う道を通って帰っていた。

その日は雪が降っていて、少しばかり嬉しくて、いつもはしないことをしてしまった。

その道には、短い橋がかかっていて、中学生の私でも登れる高さだった。その上を歩いてみようと思って登り、橋の真ん中に来たあたりで足を滑らせてしまった。そこの記憶が曖昧で、本当は誰かに押されたような気がしたのだが、誰かに説明する時に何も無いところから手が出てきたとは言えないので、足を滑らせたことにした。

私の記憶はそこからない。


その時私の中から”何か”が消えた。


次に目が覚めた時、病院のベッドの上にいました。

この光景は2度目です。

今度は横に祖母が座っていました。

とても嬉しそうな顔で私を抱きしめ、泣いていました。


私はとても長い間眠っていたようで、いつの間にか中学生ではなくなっていました。なので、今後のことについて祖母と話しました。すると祖母から、母方の祖母の方に連絡をしたからそこでしばらく療養するといいという話をされました。

私の記憶には、母方の祖母の顔すらありません。昔母から話を聞いたくらいなものです。

私は了承し、そっちの高校に通うことになりました。

1人の少女の話を長々と書きたかったのです。まだまだ始まったばかりなので、長ーい目でみてやってください。

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