04 軍事と無双の関係
説明が長くてすみません。
2019/12/18:一部修正しました。
2022/09/27:「出来る」の表記の揺らぎを調整しました。
さて、俺は再び信長殿に呼ばれ、軍事についての説明を受けた。
例によってしょうもない小芝居が続くので、要約するとしよう。
軍備についてはこれまでと考え方が大きく変わった。
常備軍を持つには、政策で「刀狩り」と「兵農分離」を同時に行わないと出来なくなった。
騎馬隊と鉄砲隊は専門職なので、常備出来るのだが数が少なく、雇うのにも金がかかる。
つまり足軽と弓隊の多くは全て農民兵である。
なので繁忙期である春と秋は足軽を加えた大規模な合戦は出来ない。
しかも3ヶ月を超える長期戦は出来なくなったのだ。
なので、到着まで2ヶ月もかかるような遠征をすることも不可能であるため、必然的に近場での戦いしか出来なくなる。
さらに農民のうち兵士として徴集する割合をパーセントで指定するのだが、20%を超える割合で徴集すると、領主に対する友好度が大きく下がる。
さらに税率を上げたりすると急降下することは明白である。
元々0に近かった場合マイナスになることもある。
マイナスというのは恨みを持った状態ということなので、農民以外でも例えば武将を、たとえ戦の上であっても殺したりすると、その家族、または親族の友好度はマイナスになることが多いので要注意だ。
−60を下回った場合、以後友好度が+になることは無いので、個人でも、民衆でも、恨みだけはかわない方が良いだろう。
農民徴収が嫌なら「兵農分離」しか無いのだが、かなり革新的な思想なので、おいそれと行える政策ではない。
施行するにはそうとうな下準備が必要になる。
したがって、そこに至らない大名たちの間では、武将同士の小競り合いと言ったものが多くなる。
通商妨害や軍事施設の破壊、または敵武将の討伐を目的とした、「襲撃」と呼ばれる任務だ。
この辺は信長無双の三国時代版である「中国無双」とよく似たところである。
面倒な場合、襲撃任務は単純な数値の比較で決着が着く簡易戦闘で済ますことも出来る。
アクションが苦手とか、戦闘をやるのが面倒な場合とかは便利だが、自分の努力で勝ちをもぎ取れないので、勲功があまり付かない。
自分が大名じゃない場合、戦闘は必ず自分で行った方が有利だ。
他の部隊が全滅しても自分の部隊だけ生き残り、目的を達成した場合など、勲功を独り占め出来たりするのだ。
また、領地の中に農村が無い、または繁忙期で兵が出せない場合、国人衆のような集団に、拠点の護衛や襲撃を依頼することも出来る。
当然金がかかる訳だが、大きな港と市場があり、そこが大きな街道に面していれば宿場町が発達して、相当な収入を得ることが出来るので、期間限定でも長期お願い出来たり、あるいはお抱え衆にして彼らの集落を自分の拠点として使うことも可能だ。
ただし、お抱え衆はあくまで独立した集団なので、そのまま他の武将の下に付けたりすることは出来ない。
海の上でも同様で、こちらは漁民と水軍の関係がそれだ。
大量の荷物を遠くまで運ぶには、陸路より海路の方が効率が良いのは今と変わらない。
ただ、こちらはより専門性が高いので、水上交通を担う船頭達の元締めは、国人衆などより大きな力がある。
村上水軍の元締め村上武吉などは、ちょっとした戦国武将並の力があった。
彼らを牛耳るか、味方に付けることが出来れば瀬戸内海周辺では、かなり有利に行動出来るだろう。
それには長期にわたる経済的な支援と、元締めの思想をこちらと同じにし、友好度を80以上にする必要がある。
水上での戦闘は同社の別ブランドで出していた「ウォーシップ○○○○」というシリーズとよく似た操作感覚で、敵の船にとにかく横付けされないよう操作して弓矢戦の後、焙烙玉と呼ばれる手榴弾のようなものを投げ込み、船上に火災を起こさせる。
敵が消火作業にあたらざるを得ない状態にした後に、刀を持った戦闘部隊が乗り込み、敵を掃討するというのが常套手段だ。
なので、焙烙玉を投げ込まれた段階で、勝負あったという事になる。
また、水上戦の場合、無双のように繋がれた船の間を駆けずり回ったりと言うことは無い。
アクションの要素はあくまで操船だけである。
それでも安宅船と呼ばれる大きな船になると操作も大変で、漕ぎ手の人数が足らないと船が動かなかったり、帆を張ってると風に逆らって進めなかったりで、その都度操船方を変えたりと色々と大変である。
この水軍に対抗する手段は、鉄甲船を作る以外無い。
それには莫大な金がかかるし、時間もかかる。
それが出来ないのなら、水軍を味方に付ける以外無いのである。
軍事に関しては、ザッとこんな感じだ。
じゃあ実際に戦はどうやって始めるかと言えば、「襲撃」は騎馬隊があればすぐに出来るのだが、足軽を含めた大きな「合戦」となるとなかなか大変である。
敵の城を攻め落とすには、必ず「合戦」を仕掛けないといけない。
まずは敵の戦力との比較で、こちらが必ず勝てるという見込みが無いと、合戦など仕掛けてはいけない。
戦力というのは、出撃できる武将の数と兵糧によって決まる。
武将には得意な兵科という物があって、騎馬が得意な武将、弓が得意な武将、槍が得意な武将などがいるわけだが、それぞれ部下の侍大将というものがいて、その下に兵を振り分け、隊列を組んで出撃する。
しかし槍隊、すなわち足軽だけはもうひとつ下があり、足軽頭というものが侍大将の下におり、それが農民兵である足軽を指揮するのだ。
通常、軍の構成員の大半を足軽が占めるので、農民兵を如何に集めるかで戦力が決まってくるのだ。
さらに農民を徴集してもすぐに戦える訳では無い。
訓練をして、兵隊として使えるようにしなければならない。
訓練してない兵だと、騎馬隊が近くに来ただけで逃げてしまうことがある。
訓練は時間をかければかけるほど効果は上がるが、3ヶ月で農繁期が来てしまうので、やり過ぎると合戦をしている時間が無くなる。
ただし、3か月間みっちりと訓練しておくと、次の農閑期になっても訓練度がさほど低下しない。
なので、2年ぐらいかければ訓練度Maxの非常に強力な軍に仕上げることが出来る。
ちなみに、訓練度の高い農民が一揆を起こすと超絶に強いそうなので要注意だ。
下手な武将など返り討ちに遭うと言う話なので、農民の友好度には常に気をつけなくてはいけないようだ。
徴集し訓練した農民兵を足軽として使うには、武将に預け、その部下の足軽頭の指揮下に入ってようやく足軽隊として使うことが出来る。
チュートリアルで出てきた森可行は侍大将だったようだ。
さっきのシーンではおそらく自分が足軽頭だったのだろう。
足軽頭は武将が各々雇っている家臣で、武将の石高に応じて雇える足軽頭の数が変わってくる。
侍大将までは名前の付いた武将として登場するが、足軽頭は個人としては登場しない、あくまで居ると想定しているに過ぎない。
雇える数は侍大将の俸禄で決まってくるので、武将の給料を上げてやればそれだけ足軽頭は増やせるが、それだけ兵糧も必要になる。
要するに経済と人事が上手くまわらないと大兵力を抱えるのは無理であり、合戦には周到な準備と、計略なども含めた根回しが必要となるのだ。
さて、実際に兵を動かすやり方は、ゲーム内での自分の立場によって変わってくる。
大名の場合、これまでのシミュレーションゲームと同様に、部隊ごとを凸アイコンで表示した俯瞰画面で行う訳だが、基本的には何もしなくても自動でやってくれる。
細かく指示したければ、部隊のアイコンを選んで、目標の武将、または地点を選んで、陣形や戦法を指定すれば、AIの判断で勝手に動いてくれる。
また大名でも無双したいという場合、本陣をズームアップすれば自分の姿が表示されているので、選択すると無双キャラとして大立ち回りが出来る。
ただし、普通の武将と違って総大将なので、もしやられるとその合戦も負けになってしまうので要注意である。
自分が部隊を率いる武将の場合、凸アイコンではなく、部隊全体を俯瞰から見た画面になる。
陣形の指示が総大将から来るので、その指示どおりに部隊を動かさなくてはならないのだが、マップ上に陣を構える位置が表示されるので、それにそって部隊を配置する。
最初に布陣する時は、問題ないが、移動中に陣変えとなるとなかなか大変だ。
集団行動のパフォーマンスのように、各部隊がかなり入り乱れて動くことになる。
訓練が出来てない兵隊だと、この段階で数が減ってしまうことすらある。
実際に敵と対峙し闘うと、さらに混乱を極めることになる。
特に個人技で強力な技を持ってる武将などが駆け廻ると、陣形などはあっと言う間に崩れてしまう。
そのため、そういう強力な敵は予めマークしておき、こちらからも強力な武将を当てることで混乱を最小限に押さえることが出来る。
場合によってはその場で一騎打ちが発生し、勝利すればこちらの強力な武将で、敵を混乱させ大勝することも出来るが、負ければこちらが総崩れとなるので、一騎打ちの時は辺りに予備の武将なり、狙撃集団などを配置し、自由に行動させないことが重要だ。
無論自分がそういう無双武将になって、戦場をかき回すことも出来る。
自分が武力の高い武将ならむしろそうすることで勲功も増やせるし、「信長無双」とコラボした意味があるというものだ。
ただし、敵も同じことをしてくるので、最初にまず一番の強敵と闘わなければならないのが「信長無双」との違いだろう。
仮に勝ったとしても、鉄砲隊やら弓矢隊が執拗に付け回してくるので、信長無双ほど好き勝手出来るわけではない。
弓の斉射や鉄砲隊は特に強力で、まともに攻撃を食らえば死亡することもある。
最低でも負傷はしてしまうので、弓隊、鉄砲隊の正面には出ないことだ。
当たり前と言えば当たり前なのだが、無双で慣れているとつい甘く見てしまいがちである。
そんな強力な弓隊、鉄砲隊も、盾を担いだ侍隊には弱い。
足軽とは別に、大きな盾を担いだ侍隊というのが必ず本陣の側にいる。
いざという時、総大将を盾で囲って逃がすためであるが、それらを使って遠距離攻撃部隊に接近戦をしかけることが出来る。
矢・弾を盾で防ぎつつ、接近して野太刀で切りまくるのだ。
これも自分で操作して、闘うことが出来るが、これは自分が武将よりも下の位の時である。
ある意味、侍大将の時が、こういった侍隊や、あるいは忍びとなって戦場での暗殺を企てたり様々な戦闘を楽しむことが出来る。
変な話、戦場で無双をしたければ武将より上の位にならないことだ。
まあ、軍師とか家老とかが戦場を駆け廻る方がおかしい話なのである。
「信長無双」とのコラボで、戦闘に関しては大幅に手が入った感じだが、大まかな流れはだいたい掴めた。
この他にも攻城戦だとか、攻城櫓や大筒による攻撃とかいろいろ要素があるのだが、それらはお金持ちになってからの話だ。
そんな話を信長公自ら教えてくださっている最中に、なんと一大イベント発生である。
今川義元が上洛を開始したという連絡が入った。
即刻軍議が行われるとのことで、どういう訳か自分もそれに出ることになった。
多くの家臣が籠城戦を唱える中、信長は打って出ることを選ぶ。
お決まりの「敦盛」を舞い、熱田神宮にお参りしたあと、およそ2,500の騎馬隊、侍隊で今川軍を迎え撃つことにした。
既に各地に多くの砦が作られ、それぞれの陣地で防衛戦を繰り広げていた。
信長本隊は善照寺砦に入り、今川軍の出方をうかがっている。
今川軍は総勢20,000を超える数だが、部隊を分け、各支城や砦を個別に攻撃させ、本陣は奥に控え、後詰めや補給などに当たっているようだった。
本陣周辺の軍勢はおよそ5,000。
奇襲が出来れば倒せない数では無い。
だが、こちらの砦がいくつか陥落し、戦況が不利になり始める。
今川本隊はそれを見て、陣を移しはじめた。
信長はそれを見て「我らも行くぞ」と言い、2,000の軍勢で砦を出発した。
今川本隊はなおも移動を続け、我々が抜けた後の善照寺砦に残った500の守備隊に向け接近しつつあった。
そのとき、急に天候が変わる。
今気づいたが、右上に表示されたミニマップには、雲の動きも表示されていた。
雨雲レーダーのように雨量の激しいところは赤く表示されている。
今まさに、今川本陣は大雨の中にいた。
そこでチュートリアルのメッセージが出る。
※大雨、雹、台風、大雪といった厳しい気象状況になると、行軍が極端に遅くなり、場合によっては動けなくなることがあります。
また、霧などの場合、視界も妨げられるので、行軍が遅くなり敵の発見も遅くなります。
なるほど。
それを待っていたかのように、信長殿がお決まりのセリフを発する。
「好機!狙うは義元の首1つ!ものども掛かれい!!」
「おぉぉー!!」
というイベントシーンが挿入され、場面はいきなり無双シーンになった。
俺の手には鉄扇が握られており、既に乱戦になっていることがうかがえる。
雨は止んでいたが、敵はいまだ混乱のさなかにあるようだ。
俺はとにかく手当たり次第に、頭の上に名前の付いている武将を叩きのめし続けた。
本当は捕まえた方が後々良いのだろうが、今はそれどころでは無い。
そしてついに、ひときわ名前の大きな武将。
今川義元の文字を発見した。
何人かの武将に囲まれ、逃走を図ろうとしているようだ。
このマップでは、逃走ポイントというのが決まっていて、そこに逃げられたら大将を倒せなかったと言うことで、負けになる。
敵の逃走ポイントが地面の上に表示されているが、もうあと少しも無い。
急がねばならない。
俺は先回りして、義元の逃げ道を塞ぐ形で護衛の武将達に襲いかかった。
俺の後にも何人か味方の武将が追撃していたようで、そいつらも護衛の武将を攻撃していた。
俺は松井宗信という、そこそこ強い武将を倒したところで、ようやく目の前に今川義元の後ろ姿を確認した。
そしてそのまま、なり振り構わず、義元に斬りかかった。
だが、さすがは総大将。
振り向きざまに軍配でこちらの鉄扇を受け止めた。
「おじゃる」な顔は無双譲りだな、と思いながらも敵の防御を弾き飛ばし、中段に連続攻撃を決める。
その攻撃で義元のライフゲージが2/3ほどに減ったが、まだまだ余裕があるようだ。
すると義元が必殺技を繰り出してきた。
信長無双では無いので、さすがに蹴鞠攻撃では無かったが、刀を素早く逆袈裟に切り上げてきて、こちらも反撃を食らってしまった。
その一撃だけでこちらのライフゲージが半分になってしまった。
これはなかなか。
さすがは「海道一の弓取り」である、「弓」じゃ無いけどかなり強力な攻撃である。
レベルに差があるせいか、防御力がだいぶ違うようで、まともにやり合っては勝てそうも無い。
ここはヒットアンドウェイで行くしかない。
ということで、敵の防御を外すか隙を突いて何度か攻撃を繰り返し、どうにかライフを1/4程度まで減らすことが出来た。
だが、ここで義元が急に光り出して、無敵状態になり無双をはじめた。
いかんいかん、これを食らったらこっちが死ぬわ。
しばらく距離を取り無双が収まるのを持とうと思ったが、どうやらそのまま逃走ポイントまで向かうつもりのようで、それはマズいと思い、いまだ無敵中の義元だが攻撃を加えようとした時だ。
馬に乗った信長が現れ、義元を弾き飛ばした。
ボーンと丸っこい身体が、2〜30mは飛ばされた感覚だろうか。
その衝撃で気絶状態になっている。
そりゃ!チャンスだ!
こっちも必殺技を出し、一気にケリを付けてやる。
○ボタンを連打して無双攻撃を発動させると、こっちの身体も光り始め、何やら必殺技っぽい言葉を発し、大谷吉子ちゃんが舞を舞い始めた。
そんな日本舞踊めいた攻撃だが、鉄扇を目にもとまらぬ早さで往復びんたを食らわしている。
同レベルの相手なら即刻絶命しているだろう。
「お仕置きですわ」とか、予想とは違うセリフをのたまって決めポーズをしていたが、ともかく無事、今川義元を血祭りに上げることが出来た。
信長からはお褒めの言葉を頂き、組頭という役職をもらうことが出来た。
この戦いで総合レベルは一気に3つも上がり、階級も侍大将を飛ばし、武将になっていた。
褒美として金2000と兵糧を5000、さらに小さな領地ももらった。
各種パラメータも、色々とアップしたようで、名声値も65になっていた。
そして、信長との友好度が25になっていた。
フフフ、木下君でもまだここまで行くまい。
と、ここでチュートリアルさんがまたメッセージを入れてきた。
※チュートリアルはこれでひとまず終了です。このままシナリオ「桶狭間の戦い」を続けますか?
□はい
□シナリオの最初に戻る
□キャラクターメイクからやり直す
□スタートメニューに戻る
ここは少々迷うところだ。
シミュレーションだけなら、もういちどスタートに戻って新キャラではじめるところだが、アクションもあるので、動きに少し慣れてきてレベルも上がったこのキャラで進めてみることにする。
と言うことで、いよいよ本編スタートである。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
申し訳ありません。
次でゲームの説明は、だいたい終わりますので、もう少しお付き合いください。