03 政略パート
2019/12/18:誤字修正しました。
2021/01/03:誤字修正。
2022/09/27:「出来る」の表記の揺らぎ調整しました。
信長は「大義であった。特別に貴様を小姓として雇い入れる」と言い、内政に携わる権限を与えてくれた。
ま、普通はこんなにトントン拍子には行かないであろうが。
さて、内政はこれまでに無い新たな要素が多く追加されていた。
チュートリアルさんの話をざっくりまとめると、城と城下町の関係が大きく変わったようだ。
これまでのバージョンでも城下町の設営というのがあったが、区画ごとに武家町とか商人町とか分かれており、その都度区画ごとボンッと作り上げていた。
今回、新たに加わったのは城下町の将来も見据えた縄張りの作成という要素だ。
つまりは都市計画である。
メインストリートを何間の幅で作るとか、主要な街道に直結させるとか、人や物の動線をシミュレーションして発展させていく。
いわゆる都市育成シミュレーションだ。
街中の重要な建物は領主が建てるのだが、住宅とか水田以外の農地などは、そこに住む者に任せる事になる。
人口が増えれば、街も発展していくわけだ。
これは城の大きさにも関係があって、大きくなればなるほど、人口も増えやすくなる。
さらに人を集めたければ、街道の近くに寺や神社、演舞場とか市場を設置し、城の守りを固めたければ、城の近くに兵舎や道場、武家屋敷を設置する。
このように都市計画で経済効果や防御効果などを高めるようにするのだ。
正直これは、ハマりそうで怖いな。
無論、そういった施設を建てるには、お金と労働力が必要となる。
労働力はその領地の総人口の40%と決まっているので、人口が少ないうちはそのままでは大きな施設を建てられない。
そこで、労働力を金で買う人足という制度が加わった。
一月あたりの労働力10=金10で引き替え出来る。
城や港など大きな施設を建てるには、それなりの大金が必要になるのだ。
築城にも新たな要素が加わった。
普請奉行の配置である。
これは、街道の防御拠点と砦の建設とも関係するが、特殊な技能を持った武将、または国人衆、豪商の存在である。
石垣作りなら穴太衆や加藤清正。木材なら淀屋常安や羽柴秀吉など、土木工事、あるいは建築、治水工事に特に力を発揮する人物に任せると、そうでない者に比べ、作業効率と成果が大きく変わってくる。
穴太衆などの国人衆は、金で雇うことができるが、彼等の根拠地から遠いと法外な料金がかかる。
その根拠地のある土地を占拠して「お抱え」として独占してしまえば、他の大名に使われること無く、その技能を利用出来るというメリットもあるが、一定量の仕事を確保しないと、技能が失われたり国から出て行ってしまうこともあるようだ。
これは、鉄砲の製造に係わる根来衆などにも同じ事が言えるようだ。
更に砦と城との区別が曖昧になったことも新しい要素だ。
有名な木下君の墨俣一夜城などは、きちっとした城では無く、土塁の大きなヤツという捉え方が一般的だが、その程度の物なら水部の中や山岳部を除く地図上のどの地点にも作ることが可能になった。
そして、大きな要素として100%完成してなくても使うことが可能となったことだ。
要するに掘り割りと盛り土だけあれば、最低限防御拠点にはなるのである。
これで完成度20%となり、野戦などの陣地として使うことが出来るようになった。
ただし、防御力も20%増し程度である。
完成度40%を超えるとようやく、塀が設置できて、板塀に銃眼や櫓を設置することが出来る。
防御力は40%増しとなり、完成度60%超えで虎口や馬出しと言った防御施設が設置でき、80%超えで石垣が設置出来る。
完成度100%でようやく天守を設置出来るようになった。
防御力はそれぞれの完成度の割合に応じて増える換算だが、銃眼などの付加要素で、実質的な防御力はもっと高まることになる。
要するに砦でも城でも、全て縄張りが必要で、最終的に何%まで完成できるかで城か砦かに分かれることになる。
そこで普請奉行の能力がいかに重要か分かってくる。
城下町を作ろうと思えば、更に土地の条件が絞られてくるのは明らかなので、どこにでも作るという訳にいかなくなるという仕組みだ。
もうこれだけで十分楽しめそうなのだが、人事の方にも新たな要素が加わっている。
前から、パラメータ画面の時に気にはなっていたのだが、思想・信心という項目が加わったのだ。
思想は、天皇を中心とした朝廷の下に武家があるという保守的な思想「守旧派」と、武家が政の中心であるとした封建的な思想「中道派」、西洋の技術や思想を取り入れ、経済を中心にした思想「革新派」に大きく分かれ、各武将はそれぞれその3つの思想の間を揺れ動いている。
教育や談話、説得、あるいは書物によって、思想は変動するようになったのだ。
信心は新たに加わった要素で、宗教を信じる度合いであるが、仏教とキリスト教が相反する位置関係となり、その中間に神道という形でこれも説法や聖書などによって変動する。
宗教や思想が違うため忠誠度が上がらない武将には、教育や書物を与えることで、忠誠度を上げることが出来る。
知略の値が高いと、教育や説得の効果が高くなる。
なので、敵から武将を引き抜く時は、その逆、敵の思想や宗教に反する説得や書物を与えることで、忠誠心を下げさせ、謀反や独立を仕掛けることも出来るようになった。
これも、知略の高い密使がやると効果が高くなる。
大谷吉継あたりは、まさにこの辺の任務にピッタリであろう。
さて、国の大まかな方針を定める政策にも、この思想が係わってくる。
これまでは保守か、中道かでそれぞれ出来る政策が決まっていたが、今度は全ての政策は、最初から施行出来る。
だが、武将の大半が保守的なのに、いきなり革新的な政策をやると、みんな辞めてってしまうのだ。
なので、武将の思想の平均値が、国の政策に影響するようになってくるのだ。
国の思想を変える場合、有力な武将の思想を徐々に変えていき、その武将達に下々の説得を任せる必要があるようだ。
これが、外交にも影響するようで、同じ思想を持った大名同士は同盟を組みやすいとか、少なくともいきなり襲って来るようなことは無くなるようだ。
そうすると、同じ主義・宗教の大名からは、武将が引き抜けないかというとそうでも無い。
ここで友好度が効いてくる。
更に、茶器とか武具とかを贈り物としてあげると、忠誠度を「奪い取る」ことが出来るのだ。
忠誠度は上限が100で、城主の名声値とか主義・宗教で忠誠度が変わってくる。60以上あればひとまず安心らしいが、50を切ると危険水域である。
こちらの名声値が200以上あって、高価な贈り物をすると50くらいの忠誠心だとコロッと寝返ってしまうかもしれない。
経済に関する部分も大きく変わっている。
今までより、米などの農作物に関する扱いがシビアになった。
水利と肥沃度と面積で、収穫量がキッチリ決まってしまうのだ。
その代わり、漁業、畜産、狩猟といった田畑以外の作物の種類が増えた。
農地が作れなくても大きな港があれば、漁業が成り立つので、街を作ることが出来るようになった。
つまり城が無くても街が作れるのだ。
ただし、誰が支配下に置いているかを明確にするため、砦程度の物は作らなくてはいけないようだが。
金山などの、鉱山による収入も、これまで以上に大きな割合を占めるようになった。
更に、特産物が復活した。
塩など、海岸の有る地域なら沢山とれるものを、内陸の国に売ることでお金にすることが出来る。
これには街道の整備と、流通ルートの設定が必要なのだが、この管理は市場で行うようだ。
需要と供給のバランスを見て、凶作のあった地域に米を送ると大儲けできるとか、南蛮の物品を関東などに持ち込むと高く売れるとかである。
このへんは同社の他のシリーズ「大発見時代」と近いイメージがあるな。
実際、海外の取引先として「那覇」「釜山」「呂宋」「上海」「澳門」といった文字が見える。
島津などは石高が低くても、南蛮貿易で大儲け出来そうだ。
また、特定の宗教団体なども、大名では無いが寄付、喜捨といったもので収入を得ることが出来る。
ただし、その団体の平均信心が90%以上ないと出来ないようだが。
ここまでの話で明らかなように、このゲームで大名は、拠点をいくつ支配してるか、そこにどれだけの人口を抱えているか、それを支える経済基盤があるかで勢力が決まる。
奪っても自分で建てても、どちらにせよ多くの拠点と人口を抱え、経済的に潤っていれば勢力はドンドン成長していくのだ。
要するに、これまでのように石高増やして兵を増やして力押し、だけでは勝てなくなったのだ。
支配する地域、団体によって攻略法が変わってくるのである。
これにハマると一生遊んでしまいそうである。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
申し訳ありません。
次話もまだ説明が続きます。