10 縄張り2
2話目です(>_<)
俺は防御的な要素は全く無視して、効率最優先の街づくりを目指してみた。
東西南北の門から直接、幅20mの太い放射道路を延ばし、メインストリートとする。
堀のすぐ脇の環状道路1号線は幅2mほどの細い通路にした。
ギリギリ荷車が通れる幅である。
その一周目の街は全て武家屋敷にする予定だ。
武家屋敷の次が兵舎と町民の集合住宅が混在するエリアになるだろう。
それを区切る環状2号線は、生活道路となるので幅5mの比較的広めの道にした。
その次のエリアが商業区域だ。
次の環状3号線がこの街一の繁華街となるよう、幅は10mとした。
市場もこの道路に面するよう、移設することにした。
そして、東西南北の放射道路の間に45°の角度でそれぞれ4本、やはり幅10mの放射道路を配置する。
この道路の外側は自由開発区域となる。
ていうか、北東側の領地がもうそこでいっぱいになってしまった。
砦が領地のだいぶ東寄りにあるので、もう一本環状道路を作ろうとすると、他所の領地に入ってしまうのだ。
また、もともとある幹線道路がちょうど、環状4号線のような役割を果たすので、放射道路もとりあえず、ここまでにしておく。
様子を見て、延伸を考えるとしよう。
と言う具合で道路を敷きました。
その後はどうすれば良いんでしょう?
※後はそれぞれの区画の種類を決めていくのですが、街づくりにおいて必要な社会インフラ、井戸や用水であるとか、検断所のような治安維持設備を予め決めておかなくてはいけません。
道路よりは、むしろこちらに一番お金が掛かるかも知れません。
あー、用水は考えてなかったな。
上下水要るわけだよね。
※成熟した都市では必要となりますね。
開発の余地だけ残して、当面は井戸水で凌ぐ手もあります。
そうね、シムシ○ィ方式だね。
それで行こう。
人口が2000人超えたら考えます。
※それはすぐに超えると思いますよ。
既に1050人の人口がありますので。
あれ?いつの間に1000人超えてたの?
気づかなかった。
とりあえず、放射道路と環状2号線に用水路を引ける幅を追加しておく。
さしあたっての水の確保に、区画の中心部に井戸を設置、飲料用はこれを使っていただくとしよう。
更に治安維持用に検断所を設置し、街中の警備には自警団のような物で対処することにした。
ここでふと、シ○シティでは真っ先に建てていたはずのアレが無いのに気づいた。
そう、消防署である。
江戸時代には火消しと呼ばれるものがあったはずだが、そういった物はこの時代無いのだろうか?
教えて女神さま〜。
※その通りです。
戦国時代は武士が消防業務を代わりにやっていた、と言うか城を守るために街並みを壊して、延焼を防ぐだけだったようですが、あくまで軍事的な理由でのみ消火活動をやっていたようです。
江戸時代になって、都市化が進み人口密度が増えたことで火災が頻発し、そこでようやく消火専門の火消しという制度ができたのです。
ちなみに、検断所を作るのであれば「法度」つまり法律ですが、制定しておく必要がありますね。
そうですか。
法律ね、いろいろ勉強になるね。
消防絡みでもうひとつ、病院はどうなんだろう?
町子ちゃんのお母さんは、寺に運ばれていたようだけど。
※そうですね。
大友宗麟がアルメイダさんと「府内病院」という物を建ててますが、これは稀なケースですね。
一般的には寺社が医療の一時受け入れ所のような役割を果たしていました。
南蛮文化をどんどん取り入れていけば、いずれ西洋医学に通じた宣教師などと仲良くなったりして、病院も建てられるようになりますので、頑張ってください。
はあ、頑張らないといけないんだね。
※頑張りたくないですか?
いえ、頑張りまっす!
病院は無理なので、寺を2つぐらい建てておくか。
※この段階で、およその都市計画は纏まったと言えます。
後は、これらの計画に沿って造成を任せる奉行を決めてください。
城の普請奉行とは別の奉行になりますので、城の造成を急ぎたい場合は先に城の普請奉行を決めた方が良いでしょう。
いや、都市計画優先で、木下小一郎君で良いかな?
※彼はまだ、街道の整備の途中ですので、任せるなら一度解任してください。
ただ、あと1日ほどで工事は終了する見込みですので、それを待たれても良いかと思いますが。
そうかぁ。
じゃ、城が先か。
まあ、城と言ってもとりあえず住めるようにするだけだからな。
今回は又右衛門に任せてみるか。
※奉行を任命する前に、まず城の縄張りを決めてくださいね。
丸投げすると、際限なく強固な城にしようとしますので。
ああ、そうね。
まだやってなかったね。
※城の場合、まずどういう目的で城を使うかで、築城のコンセプトが違ってきます。
防御力が主体の場合、攻め難くするため構造を複雑化し、掘り割りを縦横にめぐらし、塀ひとつ取っても様々な仕掛けを施したりしますが、大谷さんのこの城の場合経済志向のため、むしろランドマーク的な意味合いの方が強くなるかと思います。
ですので、最終的には見た目の美しさを目指すことになると思いますが、そう考えますと防御施設は最低限で、しかも単純な構成とした方が効率的でしょう。
また、現在お金がありませんので、石垣などもまだ作れません。
ですが、土盛りだけ先にしておくだけでも見た目の印象が違いますので、おすすめです。
はい。
ご高説ごもっとも。
これについても考えがあるんだ。
名古屋○ンデレラ城計画というのを考えているんだが。
※もう、名前聞いただけで無謀っぽいので止めてください。
えぇ?観光名所としては最高でしょ?
※シム○ティのやり過ぎです。
諦めてください。
そもそもそんな建築技術がありませんから。
えぇ?ダメかぁ。
じゃあ、安土城ぐらいで我慢するか。
※安土城の規模の天守閣を作るとなると、規模を最初から最大で作らないと無理です。
犬山城程度で我慢してください。
つまらんなぁ
だいたい犬山城はこれから落とそうって話をしている城だしな。
げんが良くない。
仕方ない、那古野城ぐらいにしとくか。
※はい、それでお願いします。
では、まず城の建物の敷地を区分けします。
先に必要な防御施設を設置した後に、本丸や曲輪の位置を決めていった方が良いでしょう。
どの程度、防御施設を設置するかで、使えるスペースが変わってきますので。
なるほど。
まあ、せいぜい虎口と櫓くらいだろうな。
馬出しは要らない。
ただし、堀は二重にする余地を残したいかな。
それで門から先を水堀にして、跳ね上げ式の橋を付けたいな。
※では掘り割りの下書きをまず始めましょう。
縄張りメニューから築城を選んでください。
そして先ほどと同じく縄張り作図を選んで、作図モードにしてください。
はい、出ました。
※今度は先ほど決めた門の位置に従って、堀の位置を線で決めていきます。
堀を二重にしたいとのことでしたので、堀の深さや幅に気をつけながら2本の線を城郭の外側に描いてください。
はい。
ここはもう普通に四角形で良いです。
ほいほいっと。
あ、でも外側の堀は空堀で道を残すんだから、いちいち線を引かないとダメか。
※大丈夫ですよ。
消しゴムツールがありますから。
筆のお尻を押さえながら描いてみてください。
あ、消えた。
この方が楽だね。
はい終了。
※では、その線を選択状態にして、設備の種類から「堀」を選んでください。
同じようにして内側の線は水堀を選んでください。
はい。
おお、なんか良い感じになってきたね。
※そうしましたら、土盛りの位置と高さを決めます。
内側の堀から最低20mは開けないと、後で石垣が作れなくなりますのでご注意ください。
うむ、これも普通にピラミッド形で良いや。
高さは5mもあれば良いだろう。
はい、決定しました。
※ではその土盛りの上に塀を作ります。
これも先ほどの堀と同じように、中心となる線を描いて後から種類を指定してください。
はい、ぱぱぱっと。
えー、板塀とか土壁とか色々あるが、板塀で。
でーきた。
※では今、堀の外側にある門の位置を、塀のところまで移動してください。
あぁ、門が何でこんなとこに有るんだろうと思ってたわ。
そういうことね。
※そんな、どこでもドアみたいな間抜けな門建てたら、笑われますよ。
女神さまからそのようなツッコミが入るとは。
昭和世代ですか?
※………門を移動して位置を確定したら、後は櫓を設置してくださいね。
あれ?
地雷踏んじゃったかな?
えー、櫓ね、はいはい。
櫓以外の施設というと、あー物見櫓ってのも有るのね。
こっちのが安いね。
櫓が2つと物見が4つで良いや。
ハイできた。
※残った土地が曲輪のスペースになります。
ここに天守や屋形などを建てて行くわけですが、二の丸ぐらいは作れる余裕は有りそうですが、どうしますか?
ん〜、まだそこまでは良いかな。
とりあえず屋形があればいいや。
ただまあ、天守閣を建てることを考えると、端の方に置いといた方が良いよね。
そうするとこの一画が余っちゃうわけか。
まあ、将来的には二の丸も作るかも、と言うことで、残しておきます。
※では、お好きなところにどーぞ。
なんか最後ぶん投げてきたな。
そんなに昭和世代が癇に障ったか?
神様なんだから、年齢関係無いんじゃないの?
まあいいや、これ以上掘り返すと大変なことになりそうだからな。
はい、屋形の位置も決定しました。
ほんで、普請奉行を荒木又右衛門に設定と。
これでOK?
※はい、大丈夫です。
これで、完成まで城下町の方で1000、城の方で1000ずつ毎月費用が掛かりますので、頑張って稼いでくださいね。
はーい。
こうして城の設計図は無事に完成したので、道路整備で忙しい小一郎を後回しにして、荒木又右衛門を呼んで奉行に命ずると、彼は感謝の涙で顔面崩壊してしまった。
そんなに嬉しいもんかねぇ。
又右衛門は、「小一郎殿より先に私に声をかけてくださったこと、何より嬉しゅう御座います」と俺の小袖に縋り付いて泣くもんだから、袖がびちょびちょになってしまった。
それで寧々さまの御利益が減ったらどうしてくれるんだ、まったく。
次の日、小一郎を呼びつけ、同じように奉行に命ずると言って絵図面を渡すと、暫くそれを眺めていて、ニヤリと笑うと「面白そうですね、この街」と言いやがった。
この態度の違いは何?
一応小一郎に完成までどのくらい掛かるか見積を聞いたところ、全て完成させるには3ヶ月以上掛かる見込みと言ったので、放射道路の4本と環状2号を優先させるように命じた。
それならば2ヶ月以内にできると豪語しやがった。
すごいね小一郎君は。
秀吉に返すのが惜しくなっちゃうね。
その道ができれば城の工事もより早く進むことだろう。
その間に俺は清洲まで行き、馬上筒を修理に出すことにした。
仮にこのまま武力が成長して80台になったとしても、一騎打ちで勝てるような強さにはならない。
そんな事態になる前に、遠距離攻撃で片がつくならそれに越したことは無いのだ。
火炎かまいたちも強力ではあるが、速度が遅いので剛槍などで簡単に弾かれてしまう。
鉄砲なら当たらなくても十分足止めにはなる。
セカンドウエポンとして最良ではなかろうか。
清洲の武器屋の親父は、驚いたことに俺のことを覚えていたようだ。
まだ、ゲームの中の人になる前だったし、チュートリアルの一部だったはずだが、この辺は神の御業と言うべきか。
だが、部品を1から作り直す必要があるらしく、1ヶ月ほど掛かるという。
時間が掛かるのは仕方がないが、次の戦に間に合うだろうか。
秀吉が、材木を1ヶ月で揃えろ、と期限を切ったのには根拠がある話だろう。
それまでにはせめて道路ぐらいは完成させておきたいところだけどな。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
どうしても切りたくなかったので、2話連続にしましたが、ここで書きためたストックが尽きました。
更新がちょっと滞ることもあるかもしれませんが、ご容赦ください。
次回は来週半ば頃になるとしか…
ひきつづきよろしくお願いします。