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竜王の思惑

執務室の机の上に積まれた書類を処理しながら、ふっと、昨夜出会った女の子の顔が浮かんだ。今頃どうしてるかなと・・・・・突然知らない場所に来ていたら、驚くだろう!泣いていた姿が浮かんだ。少しは落ち着いただろうか?後の事は、あいつに任せておけば、大丈夫だろう。


しかし・・・・なぜ今、迷い人が異世界から現れた?私がこの国を治めて

から二百五十年現れなかった。祖父の伝え聞いた話では、何代か前の王の息子が、自分のつがいを探しに行ったまま戻らなかった話を、思い出した


まさか?王の息子も、異世界に行ったのだろうか?

俺にはまだ、つがいがいない。別に気にしたことはない。見つからなければ、竜の国に戻ればいいだけだ。俺は後五十年この国を治めれば、解放される。この山と積まれた書類と、この執務室から。クロウドは、焦っているが、俺のつがい探しに奔走して、この国の、娘たちを呼び寄せては、俺に会わせている。今までの中には、話しをして、好ましく思った女はいたが、それ以上の事はなかった。俺の魂が応えない。


面倒なことだ。これも竜族の特長なのだ。俺には、人間と違い一人の、異性しか、愛せないのだ。人間の命は、長くて百年、俺はもう何人も、見送って来た。それは長く辛く、取り残された俺は、世の無常を感じる、こんな感情は、早く終わりにしたい。・・・・・・ノックがして、クロウドが入って来た。


「陛下!少しお時間を頂ませんか?」

「お茶の御用意を致しますので、どうぞ、お休みされては、如何ですか。

「お前が俺に、休めとは珍しいな。」

「私は,いつでも陛下の為にと思い仕えております」

「少し、お疲れの様なので、体に良いハーブのお茶をお入れします」

クロウドはお茶を入れる事も自分でやる。俺の好みも熟知している。

「誰のせいだ。俺を机に縛りつけているのは、お前だろ!」

「私めも、同じでございます。陛下が色々申しつけて下さいますので、まあ、私への信頼の証なのだと、光栄な事と存知上げております。」

「それは、俺に対する嫌みか?」クロウドは、信頼する俺の臣下だ。

「いいえ!!とんでもありません!偉大な陛下に対して、そのような事は思うわけがないでしょう。」相変わらず、世辞が上手い奴だ。

クロウドの入れるお茶は、いつもの事だが美味しい。

「お話と言うのは、迷い人のことです。」

「どうかしたか?」

「此処で、働きたいと申しております。如何致しましょう。」

「しかし、まだ子供だろう?」

「17才だそうです。あちらの世界では、学校に行っていたそうですが」「此処での、生活は不満なのか?」成人だと!

「そうでは、なさそうです。自活したいと申しています。」

「町に、行かせれない以上仕方が無いではないか。」

「あまり目立たない場所でしょうね。」あの、容姿では仕方がない。

「そうだな・・・」女なら普通に、喜びそうな物だがな?

「では、食堂の中の下働きなど如何でしょうか?」

「任せる」17才か。華奢な体をしていた。自分の国では、食べていたのか?抱き上げて、背に乗せて居ても軽い身体をしていた。

「では、そのようにいたします。」

その後、クロウドはまた、厚い資料の束を机の上に置いて、出て行った。

今夜は、眠れそうに無いな・・・・・机の紙の束を見て、ため息がでた。

あの、容姿では何処かに誘拐され奴隷になるか、金持ちの愛眼人形にされるからな。何故か、彼女の事が気になる。体の奥が疼くのが、解らない。







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