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最強剣士の血風伝  作者:
四章
46/61

再会

 ヴィルヘルムがベヘモス討伐をしてから元のきた町へと戻ったのは3日後のことだった。

 さらに数日を掛けて街道を北へと戻り、大河の流れる町へと戻る。そこから東へ川を下るように川沿いを歩き続けていた。

 さすがに荒野では上と渇きが厳しいと理解し、まともな気候をもつ平原の方が身の安全と理解したのだった。

 本当に死ぬ気があるのか当人でも怪しいのだが、何も考えないでその場しのぎで生きていても、元々、山奥で自活するのが祖父から与えられた最初の修行だったので、存外に逞しく生きてしまうのである。


 そして大きい都市へとやってきていた。現在、ヴィルヘルムがいるフンメル大公領の中でも屈指の大都市にして港都市でもあるフルスブルクである。耳にした事はあったが、そこがフルスブルクだと知ったのは町に入ってからだった。

 途中で狩った獣の毛皮や肉などを売ってから町の中へと入るのだが、人口密度はシュバルツバルトほどではないが、非常に広くて大きい都市である。川岸にはフルスブルクの町の名前の元となった城が存在していた。

 歴史を紐解けば、200年以上昔、フンメル大公家が伯爵だった頃、この地を平定して辺境伯に任じられるまで拠点としていた城で、帝都シュロスの南西にある最大都市としても知られている。


 首都が南に遷移したのは東部に仲の悪い山岳民族の国があったり、南部がアームズ帝国との国境でもある中央山脈となっているので、戦いやすく動きやすい場所に変えていたのである。後、皇族を降嫁させる事で大公領となった。国の規模が辺境伯と呼ぶには規格外の広さだった為でもある。かつての辺境伯は、乱世であった西の小国家群を平定し続けた結果、西の大国だったケーニヒ王国と国境線を決める場所まで国土を広げ、その辺境伯の領地は既にリュミエールでも直轄地に次ぐ面積を保持しており、西部にあるリュミエール帝国傘下に治まっているリヒト共和国やケーニヒ大公国よりも大きいのだから。


 閑話休題、そんな町に降り立ったヴィルヘルムは、仕事として街の外のモンスター退治をしながら日銭を稼いでいた。

 この大公領、南部ではベヘモス騒動があって難民がたくさん出たらしいが、余りにも豊か過ぎて戦いがほとんど無い。戦場で死ぬ為に立ち寄った場所は、むしろ戦場がないので食うに困るという状況に陥っていた。

「人間と分かり合えない生物だったのだろうか、私は…」

 平和な場所では日々の生活もままならず、戦場では大量の金をもらえるという矛盾が非常に悲しかった。




 夏が終わり、秋も3分の1も終わろうとする頃だった。残暑も過ぎて紅葉がチラホラしている。

 ヴィルヘルムは平和な領地では死に場所は見つからないと考えて、冬になる前にアームズ帝国との国境付近まで居を移そうかと画策していた。

 だが、そんな平穏を打ち破るように一人の少年が現れた。


「ヴィルヘルム様!やっと見つけた!」

 そこに現れたのはかつて従者ディオニスだった、

 別れて1年とたっていないが、さすがに子供なので随分と背が伸びており、少年と呼ぶほどに幼くはない様子だった。

「ディオニス…。お前、何でここに?」

「皆が大変なんです!助けてください!」

 ディオニスはかつての主にして兄貴分に泣きつくように駆け寄ってくる。どうやら半年以上に渡る放浪は、終わりを告げることとなったようだった。




 自分の借りている宿にディオニスと共に入る。

「で、何があった?皆が大変だと?」

 ディオニスに椅子を進め、自分は簡素なベッドの上に座る。

「どこから説明していいのかが分からないのですが」

「最初から話せばいい。私がいなくなった後、どうなったというのだ?」

「……」

 ヴィルヘルムの問いに対してオズオズとディオニスは頷く。



 ヴィルヘルムが去ると同時にオリバー、トルーデ、エメリ、ディオニス、リズの5人は直にハインリヒ領へと居を移したらしい。

 領地に戻ると最初に問題が起こったのは大量の難民だった。どうやら不作が続いた近隣の小領から多くの民が流れていたらしい。難民の中には獣人もたくさんおり、どうやらウエストエンド崩壊により、西部の全体的に多くの難民が移動をしていたらしい。

 リズが機転を利かせて冬を越す為のあらゆる施策をしてくれて、まともな生活を領民達が暮らせていたらしい。オズバルドの残してあった遺産があったのも大きかったそうで、オリバーが頑張っている姿を見て領民達もを随分と信用したらしい。

「あの人は、本当に女王として生きていたら、ケーニヒはもっと栄えていたかもしれませんね。オリバーさんも頭が上がらない様子でした」

 ディオニスが語るのだが、そもそもケーニヒが落ちぶれたのは女王が亡くなってからだ。

「問題はないのだろう?」

「普通はそこで潰れるところでしたが、そこを乗り切れたので、そこまでは問題が無かったのです。毎年の様に、雪の時期は領地の外の状況なんて分かりませんから。春になって自分達以外の領地が地獄と化していた事さえ全く知らなかったのです」

「は?」

「シュバルツバルトは春先に行なう結婚式の為にファルケン領を含めて、たくさんの物資を緊急徴収していたようで、冬を越えられず死に絶えた場所がたくさんあったようです。元々、人が尋ねないような過酷な環境の辺境の村の方が滅びず、ロートブルク付近の農村はほとんど滅んで、一時期、ロートブルクはかなり危険な治安の悪い場所になっていました」

「!」

 驚き開いた口が塞がらないというのはこの事であろう。むしろ難民が出ている時点で気付くべきだったかもしれない。

「春になって結婚式が行なわれたのですが、そこからはそれこそ目に見える形で凋落していくのが分かりました。えと、僕とリズさんの2人でロートブルクやシュバルツバルトの偵察をしていたのですが、首都はもっと酷かったです」

「首都が?」

「大量の難民がスラムを形成しようとしていたので、大公閣下は軍隊を投入してスラムを焼き払いました。汚い物を帝国大公と皇女の眼下に晒す事は許されないという事で。王都の離れた貧民街は廃墟で死体がたくさん転がって放置されています。リズさんが取った情報から、冬から春の半ばにかけて、既に国家の2割ほどの人民が死んでいるとも」

 とんでもない事態が祖国に訪れていた事を知って、ヴィルヘルムはハッとする。

「ハインリヒ領は大丈夫なのか?」

「大公はハインリヒ領が安定して問題が起こってないと知るや、今年の秋に収める税額を倍に増やしてきました。勿論、移民が増えて先々の暮らし向きが厳しいのは分かってたので、国外にある1年で2度の収穫を行なう輪栽式農業と言うのを導入する為に、実はフンメル大公領経由でそういう作物に切り替えてました。オズバルドさんが1年くらいの不作では領地が潰れないように貯金していたお陰で投資できるお金があったので、瀬戸際を何度も踏み越えてます」

「ほとんどオズバルドさんの人徳とリズの頭だけで回っただけじゃないか。領主1年目でこれは酷い話だな」

 さすがのヴィルヘルムもオリバーの不運さに同情する。

「ですが、夏に入る前に、ファルケン領は南西部の旧オッタル領、旧プフェールト領という南部と手を組んで一斉蜂起しました」

「ファルケンと大公家がぶつかるとはそういう事だったのか?まさかファルケン領と大公が戦争など考えられなかったから、何かの冗談かと思っていた。ライナーは何をしているのだ?息子の暴走ぐらい止めて見せろ」

 ヴィルヘルムはディオニスにいう事ではないが、あまりにも不甲斐ないファルケンの内輪もめに呆れるように口にする。

「ライナー卿は亡くなってます」

「は?……待て待て、命に別状は無かったのではないのか?」

 毒が回った時は大丈夫だと言っていたとユーリは記憶している。そもそも国外へ飛んだのはライナーが生きていたからだ。ライナーは敵対派閥であるが有能な人材である。彼抜きの状況では怖くてハインリヒ領から離れられたものではない。

「春先に、ライナー卿が大公に諫言したようですが、父であろうと大公には向かうものは許さぬと、多くの貴族が見ている前で斬り殺したそうです」

「!」

 あまりにも増長している大公ウルリヒの様子を聞き、流石のヴィルヘルムも言葉を失う。

 ライナーは優秀な文官だった。公国中央をレーヴェとドラッヘに奪われてから10年以上もファルケンは過剰な納税の義務を負わされて、酷い扱いを受けていたが、それを乗り切らせた男だ。ライナーは本家やヴィルヘルムを嫌っており、ヴィルヘルムもライナーという男は好きではなかったし、自分に対する嫌がらせは、殺す大義名分を何度となく掴んでいた。だが、彼がいなければファルケンが路頭に迷うと知っていたから、そんな事をできなかったし、だからこそ爵位を彼に譲ったのだ。

「あの阿呆は私の遥か想像を超えた阿呆だったのか…」

「ですね」

 ヴィルヘルムはウルリヒが想定をはるかに超えた阿呆だったと初めて知らされる。

「だが、ドラッヘやレーヴェは?やつらはバカじゃないだろう?」

「クラウスという新領主ですが、これがまたとんでもないバカで、税が払えない領地を潰して、領民を殺して食料を自領に調達するような、野盗紛いの行動を普通にしてました。南部は地獄ですよ。ハインリヒ領はどうにか例年通りに過ごして、他領からはうらやまれているぐらいです」

「あの貧しい農村生活が羨ましがられるだと?」

 呆れるのを通り越して、もうケーニヒ大公国は滅ぶのではとしか思えなかった。

「ドラッヘ家はリヒト共和国に国境線を書き換えました」

「そういえばドラッヘ領はリヒト共和国に隣接していて、シュバルツバルトとは我等よりも少しだけ離れてたな。確かに…それが一番楽な方向かもな。同じ帝国下だから許される可能性はあるが…まさか」

 ヴィルヘルムは思い出す。


 ケーニヒ大公国となり、ウルリヒ・フォン・ファルケン大公は皇女コンスタンツェと共にシュバルツバルトを牛耳っている。帝国の人間達も多く入ってきているらしい。

 それによってこのケーニヒ大公国はどうなったかといえば…

 ファルケン公爵家は分家が継いで反旗を翻した。

 レーヴェ公爵家は大公と一緒になって国を滅ぼしていた。

 ドラッヘ公爵家は大公国に愛想をつかせて隣国の庇護下に入ったらしい。


「クーデターの時に、俺がどんな思いで戦ったと思ってやがるんだ、あのクズは。あのような阿呆を助けるのではなかった!」

 斬るべき相手を放って出てきたのは失策だったのだとヴィルヘルムも納得するしか無かった。国家の生命線だと思っていた奴が、まさか最大の癌だったとは大きい失策だとしかいえないだろう。

 それを守る為に恩人であるオズバルドが殺されたのだと思うと腹が煮えくり立ってくる。だが、ここで感情的になるわけにも行かない。何せ、目の前にいるかつての従者は助けを求めに来たのだ。

「だが、ハインリヒ領は問題なかったのではないのか?」

「問題はその後です。誰がどこで嗅ぎつけたかは知りませんが、貴族達の中にリズさんの素性を知っていた人がいたようでした」

「!」

 ディオニスの言葉にヴィルヘルムもさすがに絶句する。それは最高機密だったからだ。

 実際、彼女を連れてドラッヘ家がいる中に行ったが、全く気付かれなかった。かつてのレーヴェ公爵ヨハンも知らない事だったとリズから聞いていた。

 だが、よく考えれば幼少の折はレーヴェ家に過ごしていたのだ。南東部はレーヴェにほとんど押さえ込まれているので、レーヴェの息の掛かった有力貴族がリーゼロッテを一目見て、公爵の実子だと気付く人間がいてもおかしくなかった。

「女王陛下によく似ているそうで、古い貴族なら人目で気付かれるレベルだという話も聞きました。南部の貴族達はアームズ帝国と一緒にハインリヒ領に攻め込んで、リズさんをさらってロートブルクに集結し、正統なるケーニヒ王国復興の名の下で、戦争を開始しました」

「オリバー達は?」

「その……人質にされてます」

「人質?」

「リズさんが、僕達が殺されそうなのを庇ってくれて、もしも僕らに手を出したら自殺すると彼らを脅して。ロートブルクの城に軟禁されていると思います。リズさんは貴族やアームズ帝国の人達に無理やり玉座に座らされています。いえ、戦場の中にも駆り出されて大将にされたりしてました」

 ディオニスは説明をする。つまり総大将に仕立て上げられ、大公国を倒さなければ、リズは矢面に立たされて死ぬという事なのかと理解が追いつく。

「助けるとはそれか?」

「……王国復興軍はアームズ帝国は3万の援軍を貰い総勢5万、大公軍は夏にリュミエール帝国10万と合流して総勢15万ですが、王国復興軍はこれを撃退しました。後に更に追加でリュミエール帝国西部討伐軍の残り5万が途中で来ない事になったらしく、今はシュバルツバルト南部の平原でにらみ合いが続いている状況にあります」


………


 どうやらヴィルヘルムは知らない内に身内の助けをしていたらしい。その5万がこれなくなったのは自分の所為だ。

「よく5万で15万を退けたな」

「……リズさんがこのままだと自分だけでなくオリバーさん達も死ぬと思ったので、軍の指揮を始めて、情勢は一気に変わりました。3倍の数を押し返す程度に」

「…改めて、リュミエール王族の血筋の凄まじさを感じるな」

 チェスでも思いつかない一手を簡単に打って情勢を変えていた女である。しかも国土以外の情報にも明るく、様々な分野の知識に秀でていた女だ。

「僕らの知らない場所でバカみたいな武勇伝を作っていたヴィルヘルム様だけには、リズさんも言われたくないと思いますよ」

 ディオニスはジトとヴィルヘルムを見上げる。


「助けてほしいと言うのは、私にウルリヒを殺せと?」

「そうではなく……リズさんは、オリバーさん達を救い出して欲しいとの事です。そうすれば、自分はどのようにも立ち回れる。戦争を終わらせる方法の一つとして女王の首は必要なはずだからと」

 ディオニスの言葉にヴィルヘルムはリズの事を思い出して目を閉じる。間違いなくリズは自分をも駒にして、場合によっては捨て駒にしてでもオリバー達を救うだろう。

 短い付き合いながらも自分に似た性質を持っていたことを思い出す。

「オリバー達は生きているんだろうな?」

「はい。ただ……リュミエール帝国軍はさらに中央から10万の軍隊を動員するようで、アームズ帝国は恐らくその時点でファルケン領を奪取して引くだろうと。アイゼンシュバードを過去に陣取っていて彼らはあの城塞の利便性を知ってますし。彼らは領地を切り取れれば満足なんですよ。だから、戦線が崩壊するまでに『ユーリ』を連れて来て、オリバーさん達を助けてここから離れさせて欲しいと」

「もう…あの国は終わった…という事か」

 たった1年足らず、阿呆が国のトップに立って帝国の恩恵を用いて絶大な権力を振るうと同時に、まさか国が滅びるとは思いもしない事態である。

 もはや呆れてものもいえなかった。そして、それを招く事になった原因は確実に自分であったと、ヴィルヘルムは後悔するしかなかった。


 そこでヴィルヘルムはディオニスを見る。

「それにしても……よく私がここにいるのが分かったな」

 簡単に人探しを出来るものではない。どうやって自分を見つけたのか不思議に思うのだった。

「結構簡単でしたよ?」

「は?」

「赤鬼の噂を辿ってきただけですから」

「……」

「数千もいるという大盗賊団を1人で滅ぼし、5千の帝国軍を単独で滅ぼし、挙句ベヘモスと戦い2時間の死闘の末に倒したとか。挙句、それが赤鬼ヴィルヘルムだと。まあ、8割くらいは盛られていると思いますが」

「…」

 薄々察してたはいたが、酷い噂である。8割盛られるどころか、1桁くらい減少していた。数千ではなく数万の盗賊団、5千ではなく5万の帝国軍、2時間所か2分掛からずにベヘモスを討伐している。

「そ、そうだな」

 ヴィルヘルムは自分の武勇伝を誇るというよりは、悪行を暴き立てられている気分なので、桁が少なくなっているならそれはそれで良いと思い、追従する様に頷く。

「最初に立ち寄った僕の故国の南部にあるこのフンメル大公領の町で聞いた話では、その赤鬼はつい最近フルスブルクで50メートル級のワームを狩ったのに、素材にならないと武勇を放棄したとか」

「いや、とおりすがりに無駄にでかいミミズがいたから斬り殺しただけで、別に目的と違うから放置しただけだぞ」

 ちなみに50メートルではなく500メートルくらいありそうな巨大なミミズだった。ヴィルヘルムは自分の悪事が少しずつ小さく伝言が回っているようで、嘘を吐いている様で少しだけ心が痛む。

「そこら辺が全く世慣れてないので、本当に変わってないなぁと呆れてましたが」

 ちなみに、ワームとは、稀に村ごと食い散らかす土の中に潜む危険な巨大なミミズ型モンスターである。それを討伐すれば、領主から大量の報酬だってもらえるのに、ヴィルヘルムはそれが素材になるかならないかで判断していた。

 そしてそんな常識知らずの規格外なのはヴィルヘルムだけであり、赤鬼の噂が当人であるとディオニスが確信するには十分な話だっただろう。大急ぎで船を使ってここまできたという事だ。

「まあ、そこに寄ったのは、アルツ南部に河岸を挟んだこの大公領の街にいるお医者様が、実は僕の医術の師匠だったのです。亡命するオリバーさん達の引き受け先に頼んでいたのです。フンメル大公の目どおりが出来る凄い人なので、領の総意として受け入れてくれるように手配してくれると思います」

「ディオニッソスは死んだのではなかったのか?」

 ヴィルヘルムは目を丸くする。ディオニスは自身が殺された事になっているし、殺された事にしたかったはずだ。それが母国を更に苦しめる事になるから。

「ヴィルヘルムがまだ生きているように、ディオニッソス王子の身分が必要ならば、僕は使いますよ。リズさんがそうするように」

「耳が痛い話だな。必要もないのに、赤鬼ヴィルヘルム呼ばわりされている身としては」

 ユーリは、現在、ヴィルヘルムを名乗っていた。

 ユーリという名前は大好きな人達が親しみを込めて呼んでくれた名前だ。だがその名で呼んでくれた親しい人達は全て死んでいる。自分の手でそれをした。故に、その名で呼ばれる事が苦痛になっていたというのも大きい。

「もう、誰も頼まなくてもヴィルヘルムと呼ぶのだから、もう諦めて甘んじて受け入れるしかないのだろうなぁ。もはや祖父に与えられた名と言うよりは、大衆がそう勝手に呼び始めているからな…」

「新しい赤鬼伝説でもつくりに出て行ったのかと思うくらい、凄い噂でしたよ。赤鬼の話を聞こうとしたら、むしろ話が尽きない感じで。どこまでが尾ひれなんですか?」

「…」

 それはそれでちょっとだけショックだった。

 そして、凄まじい噂が流れているが、尾ひれどころか中身は小さくなって伝わっている事実が、非常に心苦しかった。

 いっそ無かった事にして欲しいと願うのは本人ばかりだった。

 年末にとあるMF文庫を購入しました。

 新巻のご案内が入っているじゃないですか?「~なろう」発の小説がまたアニメ化にするんだー、これ読んで無かったなー。魔法科~とかダンジョンで~とかは読んでたんですけど。今度読んでみようかな~、とか思って眺めていたら……本編でない方(?)の広告文章に以下のような文言が。


 一本の剣を携え戦場を暴れ回る少年剣士ヴィルヘルム。


 うちの子とめっちゃかぶっとるやん(笑)

 知ってたら避けたのに。うっかり関西弁になってしまいました。

 ドイツ系貴族に多く、軍事に関わる名前(ヴィル=意思、ヘルム=兜)として取ってきたんですけど、考えることは皆似たようなモノなのでしょうか?

 日本人と違って外国人は名前のバリエーションが少ないからホント大変です。だから実際の名前にはセカンドネームだったりミドルネームだったりがあるんでしょう。でも名前を長々とすると小説的に読みにくいですし。自分でも面倒ですし。下手すると名前だけで一行使っちゃいますし。

 ちなみに、リュミエール&ケーニヒ系列はフランス系とドイツ系が混ざって西部はドイツ系に統一してます。歴史を紐解けば…というアレコレはありますが、そこには一切触れません!

 本編は一気に佳境へ突入します。もっとウチのヴィルヘルム君が東へ旅をしてくれれば出てきたかもしれないけれども。

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