さよなら俺
現在、俺は原付きにて人里離れた指定場所へ進行中だ。
これ原付きで来たの間違いだったかもしれん。ガソリン保つのか!?
ワンズによってシキのデバイスだけGPSは復活している。
自宅から目的地まで49kmとやや遠いガソリン補給が出来そうな施設など皆無な山奥だ。
帰りのガソリンは不要であろう。
どの道今日、僕は死ぬんです。。。
カッコよく啖呵切ったけど、正直不安です。。。
走る事一時間半程ガス欠です。
残り五キロ弱。。。
今まで苦楽を共にした愛車の原付きに別れを告げ徒歩で歩く事一時間。
「あー、死ぬ辿り着く前に死ぬ。こんなに歩いたの何年ぶりだろうか。疲れたよパトラっ……!!?」
彼女の指定した敷地が見えてきたのだが。。。
えっ。ナニコレ。軍事施設ですか?
高圧電流に囲われたフェンスに超大型のパラボラアンテナ複数。
以外にも建物は2階建てくらいだが。
その広さが尋常では無い。山1つ分まるまる施設になっているようだ。
高圧電流フェンスの門の前に着くと自動で門が開いた。
恐る恐る敷地に入って行く。
「ふぇぁぁあぁあぁ!?!!」
後ろを振り返ると人型アンドロイドに羽交い締めにされていた。
いや、抱きつかれていた。。。
《会いたかったよーシキ♡》
「ワンズ!?」
《そう人型アンドロイドの開発って実は私が設計してたのよね。人間社会の道具とか人型の方が扱いやすいし。そんな事より随分遅かったね、シキの事だから最悪外で干乾びて死んでるのかと心配してたとこよ。》
「辿り着く前に死ぬかと思ったぞ!引き篭もりなめるなよ!!あってか離れてください。。。痛いです。腕千切れそうです。」
《あっごめん。ごめん。何はともあれ無事に来てくれてなりよりだよ。んじゃぁ、さっそくだが心の準備はオッケーかな?ん?ん?では死にますか?》
「死にますか?って、はい!!とは言いづらいのだがな……ところで質問なんだが痛いのでしょうか?肉体消えるん?」
《ん〜どうだろか。痛みは多分ないと思う。。。肉体は消えます!この世に跡形もなく!!とりあえず中に行こうか。》
「お前。。。無駄死にだけは勘弁だぞ。」
施設に足を踏み入れた。
エレベーターに乗る。2階建てなのにエレベーター要らなくね?
とか思ってたら大間違いでした。。。
もうね、どれだけ地下深くまで下がっていくのってくらい
下に下がってます。時間にして5分は下がっていたと思う。
そしてドアが空き目に飛び込んできたものは。直径100メートルくらいのドーナツ型の装置。
どんな理論で稼働しどんな事になるのか聞かずには居られなかった。
「あの〜ワルスさん。この装置使うとどうなりますかねぇ?」
《ん〜簡単に言うと電子分解して、データとしてシキを再構築する感じかなぁ。》
不安だ。ものすごく不安だ。もっとなんか頭に装着して意識を飛ばす的な事を想像してた。肉体の喪失必須な訳ね。
今日が命日なんだね僕。。。
《さて心の準備はいいかい?もう一度確認するけど二度とこっちの世界には戻ってこれないよ?何せ肉体消えるからね?》
「ああ、構わない。。。怖くないと言えば嘘になるけど、この世界にあまり希望も未練もないしな。新しい世界は退屈しない世界なんだろ?」
《それは勿論保証するよ。君にとってはまさに天国なんじゃないかな?》
「んじゃあ覚悟は出来てる!始めてくれ。」
ドーナツ型の装置中央部にあるベッドに横になる。
しばらくするととてつもない光と超高速で何かが回転する音が聴こえてくる。
チゥイイイイィイィィーーーーーーーー
「あっ熱!あっあっ!手か無え!あ、足ああぁ~あ」
《ふふ♡向こうで待ってるよシキ♡》
そうこうしてるうちに、意識を失った。