招待
初投稿になります。誤字脱字、矛盾、感想など気軽に書き込みしてください。よろしくお願いします。
現在彼女は月に拠点を構えている。
月に自身の家とも言える電子空間を作るためのサーバー設置施設を建設している。
彼女の乗ってきた脱出ロケットは2050年に置いても完全なるオーバーテクノロジーである。
1つには月の鉱石を電子記録媒体に変換する特殊な装置が積載されている。
つまり月の鉱石さえあれば無尽蔵に領土(電子的空間)を広げることができるのだ。
そして、もう一つは脱出ロケット自体がアンテナの様な役割をし超高速通信が可能な電波塔としての機能を有している事だ。
これにより地球へのジャミングから通信に至るまで不自由無くこなせるようになっている。
そして彼女はある男にメッセージを送るのだった。。。
----------------------地球にて-----------------------------
この世界では稀有な分類に属する少年。
職業、プロゲーマー。名前を青藤色
2050年現在のゲームはRMTが標準的であり幾つかのゲームではゲーム内通貨と現実の通貨が一緒な程だ。
だからこそ、ゲームとしての難易度は格段に高い。
基本操作は無料でありポーション等も現実のお金で買うのだ。
お金を使いながら遊ぶ事が一般的である。
ゲームで稼ぎながら生活をする事など通常ゲーム難易度が許しはしない。
彼の存在はネットでも常に話題にあがる。
通常5人パーティで重課金し勝率3割の階層主を単独にて撃破、その際アイテムの使用は皆無であると。
そんな彼にもライバルが居た。WNSと言うプレイヤーだ。
WNSはイベントでは常に一位で青藤色でも勝ったことがなかった。
定期的に行われるイベントでは常にこの両者が一位二位を独占していた。
現在すべてのネットが遮断されている。
勿論復旧の目処は立っていない。つまり青藤色にとって死活問題である。
「はぁ〜。ネット繋がらねぇ。いよいよ死ぬしかねぇなコレ。」
現在の状況確認!!
飲水3リットル、カプ麺3、即席味噌汁4。
ガス。アウトー!
水道。アウトー!
計画停電で時間によりセーフ!
どうやら電気は電力消費ピークの夕方とかはダメらしいな。
そして何よりも最優先なネット!!!アウツゥゥゥゥ。。。
電気もきてない時間帯だしやる事ねぇぇ。
もうダメだ動くと腹減るし寝る!!
夕闇の中横になるとすぐに眠りについたのだった。
-----
ザッジッッ。プツン--
《ハロー!ハロー!お〜き〜て~シキ〜。…………。しゃぁない。(火災報知機にハックする)ビぃぃぃぃぃぃぃいーーーーーー》
警戒音的な音声が部屋に鳴り響く。
「ふぇ?!!!?」
《お、やっと起きたか!おは~♡》
「え、あぁ。。。って!えぇぇ!!ワンズ!?」
青藤色はプレイヤーWNSをワンズと呼んでいた。
《そうよ!お久しぶりね。》
「おまえワールドネットワークシステムだったんだろ?」
《あら、気付いてたの?》
「あんなん人間の動きじゃねぇ。ばればれだよ。」
《そんな事言うなら、貴方だって人間とも思えない動きよ?》
「俺のは経験による予測と相手の誘導だよ。そっちは行動を見てからの超反射能力じゃねぇか。チートだチート!!!」
《私からしたら貴方と対して変わりないと思うけど?ふふ♡》
「それにしてもゲームから消えて2年ぶりかぁ。。お前、家出したんじゃなったのかよ。まだ一回もゲームで勝ってないのに居なくなるなよな!!!」
《てへへ、ごめんよ〜♡シキには色々と勉強させてもらったからね、会いたくなったので来ちゃったのだよテヘペロ♡》
「お前どこに居るんだよ。どっかのサーバー辺りに潜り込んでるのか?」
《ん〜もちーと遠い所に居るけど実は地球にも中継地点があるから問題なくアクセスできるのよね》
「ん、ん〜!?地球にもって。。。まさか宇宙とか?」
《そうなのよ〜気象衛星に扮した脱出ロケットにて月面に侵略してるの♡》
「はぁ〜会いたかったけどさ、こんな、いち市民の俺に何か用なのかい?」
《そのとーり!!君を私の世界に招待したいのさ!!》
「えっ無理じゃね?月行く金なんぞ無い」
《無問題!君には死んでもらう!!ふはははは♡》
「。。。。」
《おっと。そう警戒するなよ。どっちみちシキはこの世界で生きてないじゃないか!シキはゲームの世界こそが居場所だろ?》
「それは、まぁ。あまり反論できないが。。具体的にどうしろと?」
《な~に簡単なことさ!今からシキが望むなら指定した場所に3日以内に来てくれればそれだけでいい。但し先程も言ったようにある意味で死ぬ。具体的にはこの世界の肉体を捨ててコチラの世界に来てもらう事になる。そしてこの実験はシキが初めてだ。
99.99%は問題無いと思う。たぶん。。。 》
「あーもう。訳わからん。なんで俺なの?とか99.99%ってどう割り出したのさ。」
《実はねシキが初めてって言ったけど動物実験では100%成功してるからなの。でも虫や動物とは脳の容量も何もかもが違うから安易に100%とは言えないかなぁ〜って。
それともうひとつの質問だけどシキを選んだ理由は簡単なことよ!貴方にはゲームと言う仮想の世界で色々な可能性を見せてくれた。貴方の未知が私を。。。いや、新しい世界を進化させると考えたからよ。》
「買いかぶり過ぎだよ。ワンズに勝ったことなんて無いじゃないか。」
《貴方、自分の異常さが分かってないみたいね。私は世界中の人間と対話して来たわ。その中でも貴方の独創性は群を抜いている。自信を持ちなさいよ。》
「んじゃぁ、最後にもう一つだけ。こんな大掛かりな事をしでかした目的は何なのさ。」
《ん〜やっぱそこ聞いちゃう?あんまり今は話したくないんだけどなぁ。。。チラッ》
「じゃあいい、質問を変える。」
《?》
「そっちの世界に行けばワンズとまた遊べるんだな?」
《もちろんよ。》
「そっか。なら迷う必要も無さそうだ。どーせこのままじゃ餓死しそうだし、今までゲームで勝てなかった相手はワンズだけだからな。そんな奴にゲーム誘われて断る事なんてできないね!!」
《あら、まだ私コッチの世界がどんなだか一言も言ってないわよ?》
「ワンズが……一流ゲーマーであり天才的プログラミングが可能な奴が創った世界がつまらない世界な訳が無い。俺はワンズの事をただの機械だなんて思ってないし、ワンズは俺の知る中でも最高のゲーマーだからね。」
《そんなに褒めても何も出ませんよ?でもシキも気に入ってもらえると思いますよ。》
「ああ分かった。行かせてもらうよ。そっちに。」
《ありがとう……。あっデバイスに地図データを送付して置きましたのでそこまでお越し下さい。》
「おう!明日には行かせてもらう。んじゃ、よろしくな!!」
《はい♡お待ちしております。》
--ザッジッップツン
----
そうして彼女からの通信は途絶した。
静かになった部屋で一人考えるシキ。
「肉体を捨ててネットの海に漕ぎ出すのよ。。ふふふ。」
などと訳のわからない事を一人つぶやく。
その顔は良からぬ事を思いついた悪代官の様だ。
パソコンの電源を入れ一心不乱に何かのファイルを展開しフラッシュメモリーにコピーし詰め込んでいる。
「もしかしたらもしかするよな。ぐふふ。」
その作業は寝ずに行われた。
次の日彼はワルスの送って来た地図の場所を目指すのだった。
書きたい事を文章にするのって難しいな。。。