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第九話 主人公、異世界で野宿するのこと。

巨大蟷螂の足を食料として確保するために考えたのは、他の足の棘を錐として穴を開け、触角をひも代わりにして腰に結ぶ事だった。


が、早々に断念した。


何しろ棘ぐらいじゃいくらゴリゴリやっても穴なんか開かないのだ。逆に棘の方がつぶれてしまう始末。


待て待て。まだ焦っていて、冷静に考えていないんじゃないか。


そもそも、足は抱えるかひもで結ばない限り運べないものか?ポケットに入れるのは無理か。


他に紐状のものは・・・。




あるじゃないか。


パンツのベルト。

こいつで足を縛れば・・・・。


いやいやw。パンツが緩くて歩けないじゃないかw。なんの罰ゲームだ。


ベルトを外すんじゃなくて、ゆるめて挟むんなら?



オオ、これこれ。


これなら何とかなるな。


ふう。



解決策が見つかったら、ちょっとのどが渇いた。


オオ!

足に気をとられてて飲料水の確保を忘れていたぞ。


思い出してよかった。とはいえ、器がない。って言うか水もない。



さっきは溺死するほど水があったのにな。文字通りに死ぬほど水飲んだぞw。


いやいや。笑ってる場合じゃないって。



器は・・・。蟷螂のカマか。先に足が生えてて気持ち悪いが、まあ、何とかなるか。ちょっと臭いな。



あ、待て待て。


革ジャンの袖がボロボロじゃないか。

蟷螂が一匹だけとは限らん。縄張りとかあるだろうから、すぐ近くにはいないだろうけど、移動したらわからん。

さすがに足で防御するのはテクニックがいるなぁ・・・。


残るはこいつの本体・・・。いわゆる胸の部分しかないな・・・。うん。頭は俺のパンチでぼこぼこになる程度だし、腹の部分はふにゃふにゃ。胸の背中側をはぎ取るしかないな。水も大事だが、まずは利用出来る部分は持っていくようにしよう。


ってか、こいつまだ息があるのかよ・・・。


文字通り虫の息だがなw。


カマの先を腹と胸のあいだに打ち込んで・・・、またもやテコの要領で・・・。



ウゲー・・・。凄い匂い・・・。


羽根がついて来ちゃったよ。


ビニールシートみたいだな・・・。まあ、方向性があるとはいえ、なんかに使えるだろ。


甲羅のところはそのままじゃダメだ。臭くて敵わん。


水の重要性が高まったな。




えーと、さっきおぼれ死んだよな?


その水ってどこにあったんだっけ?瀧か。


その瀧は?このまままっすぐ行ったところが崖で、そのまま落ちると滝壺だった。


って事はさ、この森の中に川が流れてるんじゃないか?


まっすぐ前に進むと瀧だ。後ろから蟷螂が来た。右に行ったら滝壺が迂回出来た。


という事は川は左に流れているはずだ。瀧に落ち込む前だから、さっきみたいな崖をくだる必要もすくないはずじゃないか?



よしよし。



予想通りに川を見つけた。とはいえ、思ったほどは緩やかじゃない。ちょっと渓流まで降りる必要はあるけどな。降りれなくはない、か。



うむ、水面まで手は届く。


水流もそれほどじゃない。とはいえ、このまま下ればあの瀧が待っているわけで、川の流れに身を任せって訳にはいかない。


まずは手と顔、それに口を漱ぐか。うへー、べとべとー。


それから水を飲んで、甲羅を洗うと。



洗いにくいなー・・・。湾曲した内側だから、どうにもこうにも・・・。

おまけに水を吸って匂いが強くなるし・・・。この匂いは堪らんなぁ・・・。


一応ひもの代わりになるかと思って触角も引っこ抜いてきたけど、使えるのかこれ・・・。



まあまあ気にならないぐらいに甲羅が洗えたと思い、ふと見上げると辺りは結構暗くなっていた。拙いね。


またあの崖を暗い中降りていくのは危険だ。

この辺はまだ水面から森まで上がるのにそれほどの苦労はない。ここは森に上がって夜を明かすしかないだろう。



森に上がった俺は、夕食にまた足を一本平らげ、蟷螂の羽を広げて寝床にした。別に暖かい訳じゃないが、夜風は骨身にしみるのよ。


こうして俺はこんなになってからはじめて、寝床(野外だけど)で眠る事ができた。良い夢が見れますように。

玲央は蟷螂の盾を手に入れた。

玲央は蟷螂の小刀を手に入れた。

玲央は蟷螂の足を使った。

空腹が治った。

玲央は川で水を飲んだ。

のどの渇きが収まった。

玲央は蟷螂の足に水を汲んだ。

玲央は水入り蟷螂の足を手に入れた。

玲央は蟷螂の羽根を手に入れた。

玲央は蟷螂の羽根で眠った。元気が少し回復した。

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