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第四話 主人公、異世界生物から逃げそびれるのこと。
意識は一気に覚醒した。
奴が後ろから忍びくることが確定した今、のんびりしているわけにはいかない。奴の接近を確認することなく、駆けだした。
森の中は思ったよりも走りにくい。
蹴躓いてころんだ。
すぐに起き上がって駆け出す。
おっとっと、足下がおぼつかない。
ツタ、下生え、倒木。
ひょっとしたら駆けてると思っているのは自分だけかもしれない、が、駆ける。
走る。
息が切れる。
のどがヒュウヒュウと鳴る。
だが走る。
走る。
前方が明るくなってきたようだ。森の境が近いのか。
森から出られるのか。
ならばなおさらだ。もっと速く!
速く!
もう少しだ!
あと少し。
抜けた!
あ。
地面がない。
マジか・・・・。俺はまた意識を失った。