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第十話 主人公、異世界で二泊目を迎えるのこと。

目をさました。体のあちこちが筋肉痛だが、おおむね快調。目がよく見えないと思って触ってみたら、むちゃくちゃ目やにがついていた。うひー・・・。

顔もなんかべたべたする・・・。


伸びかけたヒゲはしゃあ無いな・・・。


とりあえず、川に顔を洗いに行こう。



洗った後を拭くタオルとか無いのか・・・。


また脚を一本食べて、口を漱ぐ。


こうしてみると、水場の確保って言うのは大事だな・・・。


今日はこのまま川沿いに瀧まで下ってみるか。


念のために食べ終わった足をよく洗って、水を汲み、腰に下げる。


羽布団(笑)はきちんと畳んで、と。


身支度を調え、早いうちに出発する。




川岸は少し足場に不安があるものの、森に比べて見晴らしもよく、割と進みやすい。対岸は数メートル先にみえるが、当然、川の流れは速くて渡河は諦める。


苔むしているところは、ちょっと滑りやすいから気をつけないとな。

木が手すり代わりになるところはちょっと助かる。


聞いた事もないような鳥の声が、頭上を渡っていく。


のどかだ。自分の命がかかっている事をこっちにおいておけば。食料と水の確保だけで、これだけ自分の心理に変化があるとは思わなかった。


朝に下り始めて、おそらく昼前だろう、割とすぐに瀧に着いた。


どうどうと音を立てて、すさまじい量の水が遙か下方の滝壺に落ちていく。

瀧って、下の方に虹が見えるのね。


まあ、滝壺見学ばかりをしていてもしかたがない。

前回よりは一日遅れになるが、滝壺を迂回していこう。足下に注意して。


二度目の滝壺迂回は、前回に比べるととても順調にいった。これが経験値って奴か。


玲央はレベルが上がった。ピコピコピー♪とかね。こんなんで腕力だの体力が上がるんなら苦労はせんわ。



迂回が順調に進んだおかげで、午後の早い段階で、前回滑落した崖を通過する。滝壺直後の沢は、降りて水を確保するには危険すぎる。

もっと下って、緩やかになってからにすべきだ。


腰に下げた脚から少しだけ水をなめとって、慎重に坂を下る。沢とは違って、足場が崩れやすいという事はなかった。下生えもあって、慎重に下って麓に降りる事ができた。


左の方の谷間からは、割と流れの速い沢がさらさらと流れている。


樹木は上流よりはややまばらになり、森と言うよりは少し林のような風情になっている。


日はすでに陰ってきていて、もはや夕方の風情だ。早めに寝床を確保すべきだろう。幸いに水場は確保出来ている。


また脚を一本消化して、目についた割と太めの木に羽布団を敷く。

蟷螂の脚も残り後二本か。蟷螂みたいな脅威があれ以来出てこないせいで、甲羅がただのお荷物と化している。


捨ててしまおうか。


まてまて。


明日の朝には脚も残り一本だ。脚とは違う食料も探さなくてはいけないだろう。それが脚のように持ち運びやすければいいが、そうでないとなにかバッグのようなものがいる。そういうときにこの甲羅は使えるんじゃないか。持ち方に工夫は要るだろうけど。


これまでの移動でとにかく実感しているのが、両手だ。とにかく足場に不安があるので、よろめいたときに何かが掴めるよう、両手は空いているべきだ。

どんな道具であれ、防具であれ、武器であれ、手がふさがるようなものを避けなければならない。



そんな事を考えながら、羽の布団を掛け、早々に眠りについた。




不意に衝撃を感じて目が覚める!

なんだ!?


その「何か」を羽布団ごと手で払いのける。耳障りな叫び声が上がる。


立ち上がると「何か」が暗闇にいるのがわかった。目がらんらんと輝いている。羽布団のおかげで初撃を防げたのか。


ふたたび叫びを上げて「何か」が飛びかかってくる!思わず左手でかばうと「何か」は甲羅の盾に食いついた。


とはいえ、さすがに甲羅には歯を立てられなかったようだ。食いついてはいるが、かりかり、ガリガリという音がするばかりでそれ以上食い込んでは来ない。


右手で鎌をとると棘の部分で打ち据える。


「何か」は叫びを上げて離れた。鎌の先の部分が関節になっていてスナップが利き、一撃でもダメージは意外と大きい。


「何か」がうなり声を上げて、こちらを窺う。


大きさは中型犬ぐらいだろうか。


犬のような四つ足でもないようだ。とはいえ、人間のように二足歩行をしているわけでもない。こちらを窺う視線が印象的だ。


鎌を振るって攻撃してみる。


大きく飛びすさって避けた。棘が地味にダメージをあたえたのか、大きく警戒している。楯を突きだし、鎌を構える。


「何か」は忌々しそうにうなりを上げると、闇に溶け込んでいった。


ふう。


羽布団様々だ。日本の快適な羽布団とは違って、寝心地はよくないが頑丈だ。葉脈みたいな筋が気持ち悪いが、これが強度アップに地味に効いている。


木を背にしたのもよかったんだろう。無防備な背中が狙われなかったんだから。


蟷螂の鎌や甲羅も役に立ったし、こういったらなんだが得る事が多い襲撃だった。



俺はあらためて眠る事にした。ゲームだったらピコピコ言って「レベルアップしましたー」とか言うんだろうな・・・。


今回学んだ事を踏まえて木の根元に背中を預け、羽の布団で体を覆い、水筒兼武器の蟷螂の脚を手元に置いて眠りについた。


良い夢が見られますように。



玲央はレベルが上がった。

サバイバル技能「抵抗」を得た。

サバイバル技能「野宿」を得た。

蟷螂の脚×2を使った。

空腹が収まった。

武器「蟷螂の鎌」、防具「蟷螂の甲羅」の耐久度が減少した。


生存記録を更新した。

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