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第一話 主人公、転移するのこと。

んん・・・。ハエの羽音がうるさい・・・。


ブンブン飛び回っていて、落ち着いて寝てもいられない・・・。


無意識にハエを手ではらい、フッと起き上がる。


アレ?おかしい。


気がつくと、見慣れない景色に変わっていた。あたりには木や下生えが生い茂り、どうやら森のように思える。


おかしい。


俺は・・・。ハッとした。景色が変わっていたと思ったが、それまでの景色が思い出せない。


はて?


これまでの自分を思い出そうとしたが、はっきりしない。

生まれは日本・・・。だと思う。


東京?いや、東京生まれではないような気がする。


なんだかひどくおかしい。違和感だけがある。


服装はごく普通だ。

黒いレザーのライディングジャケットに、ジーンズ。ちょっとゴツ目のブーツ。


名前は・・・。山崎玲央。ちょっと嫌かも・・・。何となく頭が悪そうな気がして。

一応8月生まれだからという由来がないわけでもない。だったら葉月とかもあり得るが、それはそれで嫌だ。というか、生まれた季節や月をそのまま名前にするっていうのは安直すぎるだろう。


やはり、ここは子供にこういう人になって欲しいという願いを名前には込めて欲しい。とはいえ、なってしまったものはどうしようもないが。


親の方にもそういう希望のようなものは特になかったんだろうな。親父も大変な時代に生まれたんだと思ったそのときに、親の顔が思い出せないことに気がついた。ヤバイ。

学歴もはっきりしない。中学と高校は卒業したような気がするが、大学はどうだったのか。

必死に受験勉強をしたような記憶がないので、大学にはいってないのかも知れない。

年齢や生年月日もよくわからん。思い出せないとなると余計に気になる。ここに来る前はどこで何をしていたんだ?

有名人とかではないとは思うんだが・・・。


ウムム・・・。頭が悪くて生年月日も覚えられなかったというわけでもない。明らかに「覚えていたものが思い出せない」感覚がある。この年で認知症っていうのも嫌だなぁ・・・。


あ、ほら。認知症って言葉はパッと出てくる。そんなに頭が悪いって訳ではないらしいぞ。


あはははは、はあ・・・・。




あらためて周囲は・・・。名前もよくわからない樹木。熱帯ではない・・・気がする・・・。



「なんじゃこりゃ」


まさにそんな感じなのだが、そうつぶやいた直後、俺は頭に強い衝撃を感じ、あっさり意識を手放してしまった・・・・。



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