第一章 ド●クエとか最初一人だけど必ずしもそうである意味ないよね。
朝。煌びやかな日光に少し窮屈な寮は照らされていた
…まぁ、一人用にしては余裕があるけどな…
布団を片付けながら、真次鈴哀は小さく欠伸をした。
鈴哀は稀にな天才である。
十六歳にしてパラディンの三人分の戦闘力を持つ鈴哀は、この学校の中で数少ない特待生なのである。
だから、寮も一人じめできているのだが、ひどいことに一番窮屈な所では、同じ空間に五人の生徒が寝泊まりしているという。
…一人で十二畳は寂しい。
内心そう思うのだが…
ダァン!ダァン!
突然、不謹慎なノック音が聞こえてきた。
こんな雑なノックする奴は一人しかいない。
「鈴哀ー!!ごはん行きましょー行きましょーねー行きましょー!」
「うっせぇ。朝早くに大声で連呼すんな。すぐ行くから。」
ノックの主は真向かいの部屋の神崎希楽。
部屋が近いからとか言って何気にお世話になっていたが、だんだん仲良くなっていったのだ。
色白で背も鈴哀より高くスタイルも良ければ頭もいい…という美少女だが、彼女には問題点がある。
「ごーはん!ごーはん!ごーはん!ごーはん!ごぉぉぅはぁぁんん!!」
はい。皆様お分かりいただけましたね。はい、その通りです。
こいつは稀に見る極端にうざい奴なんです。
「ごぉぉぅはぁぁんんを!!ごうはぁぁぁぁ…」
「うっせぇ!!うっせぇ!!うっせぇ!!飯、飯、飯って…お前はガキか!!」
今にも手から剣を出現させて頭にぶっ刺してやりたいと思ったが、鈴哀は大人なので抑えた。
まだ、「ごはん」コールは続いているが、最小限に殺気を抑え、櫛を手にとり出来るだけ丁寧に髪をとかし、束ねる。鏡で身だしなみを確認すると、声の聞こえる方の扉を開けた。
扉を開けると、風がまるで鈴哀の部屋に逃げるように入ってきた。横に束ねた髪がふわっと跳ねた。
そのには、予想した通り、少し駄々をこねてているような幼い表情を浮かべている人がいた。
「食堂行こうか。」
そう言うと、ぱぁっと表情が晴れて、「うん!」と返事をした。それを見るといつも思う。
こいつ…疲れるな。