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初めてのキスは甘酸っぱい?いいえ恐らくその前に相手が食べた物の味。

えー、先週ですね週別読書ユーザー数なる物を見ましたらですね!何と264人の方が見てくださったようで!ありがとうございます!

今後も見ていただいている方が一人でもいる限り書き続けるので宜しくお願い致します!

え、何で33回目で?はっきり言いますと…

今までそんな機能知らなかったんです……!

「もう帰ってしまうのですか?」


「ええ。まぁ…仕事がありますし。」


イレウスを捕らえてから宿屋に待機していてくれたクライス女王を迎えにいき、大丈夫だということを伝えた。そしてそのまま国…いや、ティエルフールをあげて歓迎祭の運びになり、セントラルエリア塔の中で


のお祭り騒ぎの中、女王に呼ばれて一回の宴会場から二階に移動してきた。


「そうですか。」


「ああ…そう言えば聞きたいことがあるんでしたよね?」


最初に呼ばれた理由を思い出して逆に聞いてみる。


「ええ。まぁ色々と、先ずはオークをどうやって倒したのか。ですね。」


「え?そういう趣味ですか?」


もしそうだったら引くどころの話ではない。


「興味があるんです。聞いたことのないもの、見たことのないものとか。知りたくて仕方ないんです。」


クスッと笑いそう答える。変わりに溜め息をつき、俺の右側に立つクライス女王に向けて左手をあげて瞬間的に変化。


「こうやってですよ。」


「まぁ…それは……」


心底驚いたというように口元を両手で覆うクライス女王。


「知ってるんですか?これを。」


「知らないんですか。…そうですか……」


何か知っているような口振りだったのでつい口調を強めて聞く。


「知ってるんですか?」


「教えてもいいんですが…」


俺の右手を両手で包みうっとりとしながら、


「サンプルを「ああいいです結構です。」


貴重な皮膚を削られたくない。


「では失礼して。」


後ろ手にナイフを取り出して突き立てようとしてくる目を輝かせた女王様。


「いやいや。何してんですか。」


ナイフを変化させたままの左手でしっかりと掴んでもぎ取ろうとしたが意外にも手を掴んだら顔をサッと赤くし離してくれた。とりあえず、ナイフを握り潰し遠くに放りなげる。


「いいです、結構です。と賛同を貰ったので。」


コホン。と咳払いをして喋りだしてくるクライス女王。


「あのですね…」


「少し心臓片のサンプルを。」


「一辺たりともあげませんよ。」


ちょっとした大手術を麻酔なしで患者を立たせたまま執刀する気らしい。


「じゃあ俺からも一個質問いいですか?」


「はい?」


「前に外交が覚束無くなったって聞きましたけど具体的にどんな感じで?」


「何故?」


クスッと笑い楽しそうに聞き返してきた。


「単純な興味ですよ。」


「そうですね…魔法使いがこの国に余り来なくなって、そのあとですかね暫く交易の物資が届かなくなって。そのあとイレウスが来たら何事もなかったかのように交易は出来るようになって。」


イレウスが来てからとなると、やっぱりアイツは関係者だろう。依然帝国に献上云々と自白してたし。となると…今回はアイツで、アイツをティエルフールに潜り込ませたのは…


「いい顔してますよ。」


ふっと顔をあげるとクライス女王のアップが目の前にあり、急いで距離を取ろうとしてナイフを取り上げる時から手を掴んだままだと気づく。


「ああ、すいません、今離しますね。」


断りをいれて手を…離せない。ガッチリと掴まれている。


「ユウ様に一つ。私からも教えることが。」


戸惑う俺にそう囁いて掴んだ手を両手を添えてグイッ!と自分に引いてくるクライス女王。倒れこむ訳にはいかないのでグッと耐え…


「私は意外にも惚れやすいようです。」


瞬間視界が暗転。いつの間にか首もとに手を回されていて動けない。抗議のために開けた口にぬるっと何かが入ってくる。口が閉まらない。いや閉められない。舌が俺の口の中に二枚ある。唇が何か柔い物に触れている。抵抗しようとして唾液が溢れるがチュルルと音が鳴り俺の口からみるみる減っていく。相変わらず視界が晴れない。


頭の中で金髪の誰かが『裏切り者に裁きを!』とか言いながら俺を砕くべくメイスを振り回し追い回す幻覚まで見えてきた。よく分からんというか裏切り者って何だ。


スッと離れたクライス女王は何処からか取り出した手巾で口元を拭い、


「ご馳走さまでした。」


ヘタッと腰を抜かしてその場に座り込む俺の前に座り込みクスッと笑い


「聞こえてませんでしたか?」


混乱する頭の中でこんな言葉が浮かんできた。確かどこかで聞いた台詞だ。


─初めてのキスは甘酸っぱい─とかなんとか。



…味なんて分かるか。





「な、何?あれ……今。え?」


フラフラと一階まで戻る。ユウの姿が見えなくなったから探しにいったらエライ場面を目撃してしまった。


「あ、アニエスさん。……大丈夫ですか?お顔が真っ赤ですよ?」


「……平気、よ。」


「フラフラしてますが…」


「平気…」


近くにあったテーブルから水を取り、コップに注ぐと一息で飲み干す。


「あー、もう…」


頭を掻いたり振ったりしても先程の映像が焼き付いて離れない。


「…とりあえず、アイツは殴る……」


そうしないとモヤモヤが晴れない。そんな気がする。



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