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犬って意外と重かったりする。

「もういい。認めよう。ここは異世界。それを置いても…」

そう言いながら首に下がっている物体を目の前に持ってくる。

「これは何だ?」

見た感じ使い古して、コンパスに使われるくらい大きさの鉛筆サイズの荒くカットされた水晶体。色は白。透明というよりかは深めの乳白色。

勿論元の世界から持っていた訳じゃない。こっちに来て起きたらいつの間にか首から麻っぽい紐と一緒に下がっていた。

「何かのカギだったりするのかな…」

そこまで考えてふと気づく。

「まさか、これが世界のなんたらかんたらとか…ないよな?」

そんなことになったら先ず確実に人生最大の『巻き込まれ』確定だ。

「そうだと分かった瞬間投げ捨てよう。」

異世界まで来て巻き込まれなんて洒落にならない。よくわからないけどこれ以上巻き込まれたくはない。

一人見知らぬ森で自問自答していると、

右の方角から物音がした。動物の音じゃない。規則的に聞こえてくる。

「くそ…よく聞こえないな……」

聞き取るために耳に意識を集中したとたん、キィーンという音叉の音色より高い音色が何処からか聞こえ、その瞬間から急に音がよく聞こえるようになった。

「…何だ?まぁこれで聞こえるか。」


(あー疲れたな。ウルフは随分狩ったが…

肝心のアイツはゼロか。)


どうやら男が一人。口振りから多分狩人か何か。随分と言っていたから腕は相当。ここまで聞いてたら乗り物がかなり早いのか、はっきりとはいかないが男の乗り物が見えてきた。それはいいのだが乗り物自体が変わっていた。見た目は馬車まんま。それを引いている動物が変わっている。

「牛…だよな。」

シェルエットは完全に牛。問題は色だ。

ピンクと紫のしましま。何だあれ。

もう少し詳しく見ようと意識を集中しようとしたとたん、馬車?が停まった。

そこから男が降りてくる。先程はよくわからなかったがその背に幅広の大剣。

「そこにいるやつ、出てこい。逃げようなんて考えるなよ。その瞬間たたっ切る。」

…少し考える。ここで素直に出ていこう。

そして男にこう一言。

『実は異世界から飛んできてよくわからないんですけど、助けてください。』

先ず飛ぶのは俺の首。異世界どうのなんて気にする暇なんて無い。

「聞こえてないのか?出てこないなら…」

そう言ってこちらから目を反らし、近くの大木をめがけて大剣を一閃。

それだけで樹齢80年は軽くありそうな木は轟音をたて、倒れていった。

「そこの藪ごと切り殺す。」

そう言ってこっちに歩いてくる。その距離約50メートル。大剣のリーチも考えるとあと45メートル。

その気になれば一瞬で来るだろう。

何かないか?時間稼ぎじゃなく、

交渉の道具的な…。






「最後まで出てこない、か。…ん?」

首無し狼もどきを片手で掲げて登場。

大剣もった男の前、10メートルまで接近。はい。正直超恐いです。

「や、やぁ。…この狼?あげるから……

先ず…話し合いしよう?」

せめてこれが盾になれば…無理か。


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