石畳=海外という不思議な関係性
気づいたらもう二十話過ぎてる。Σ(゜Д゜)
こんな感じでゆっくりやってますのでまだまだよろしくお願いいたします。(´・ω・`)
「あー、いいところなんだろうなぁ。楽しみだなぁ……」
そこまで言ってから目の前を歩いていたアニエスは急に止まり、
「楽しみだなぁぁぁぁぁ♪」
と、その場でターン。そのまま踊るように石畳の上を歩いていく。
「いい加減にウザいな。」
「…同感だ。なぁユウ。何時間回り続けるんだろうな?」
「俺に聞かれても…」
俺が策略にはまりティエルフール行きの切符を掴まされ、現在森の中を進行中。
「それにしても、いきなり現れたな。誰かが作ったのかこれ。」
ブーツの先で足元の石畳を叩く。森の中を歩いていたらいきなり出てきた。
「ああ、ティエルフールが作ったらしいぞ。」
「一国がか?」
「ああ、基本ここらの国は円形をしてるんだが、そこから全方向に伸ばしているんだと。」
「何か意味あんのか?」
「意味というかそうしなきゃいけない理由が」
「きゃあぁぁぁあああぁ!」
目の前を歩いていたアホが森を抜けた瞬間歓喜の叫び声を上げ、俺とノッチが前方を確認。
「ああゆうことか?」
「そうゆうことだ。」
目の前に広がっていたのは、深い湖の真ん中に島、というよりか魔法か何かで削ったようにまっすぐ真下に壕が伸びている。湖の回りは俺たちが通ってきたような森になっており、そこから真ん中の島に立派な石橋が渡してある。石橋も幅広く商隊の大きな荷台でも7台位横並びになってもまだ余裕がありそうだ。
「しかし…深いな。」
「そりゃそうよ!ティエルフールの建国理念が『万物からの魔法使いの守護』なんだから!この深い壕は『魔法使いの独立』を意味していて、あの森から続く石の道は『魔法使いの救済』を意味してるの!!」
「しかし…やたらと魔法使い中心だな。もう要塞だろ。」
アニエスの話を聞きながら石を壕に投げ入れたところ、暫く経ってからポチャンと聞こえた。多分40mはあるだろう。
「仕方ないんじゃない?昔はそれこそ魔法使い達は便利な道具みたいに考えられてたらしいし。」
アニエスはくるりと回って再び歩き出す。
「だからこそ、国からの許可書を持ってないと入れないけどね。」
「へいへい。持ってますよ。書状も一緒にな。」
無くしたらアホが今度こそ怪鳥に転生しかねないので、ツェナから買ったバックにきちんといれておく。
「さぁ、行くわよ!全速、前進!!」
どこぞの社長みたいな台詞を叫びながら走り出すアホ。つまづいて転べ。という俺の切なる願いと裏腹にスイスイと先に行く。
俺とノッチはゆっくりと行くことに決めて歩いていく。
「意外と人が多いんだな。」
橋を見渡すと至るところに人がいるので気になった。魔法使いらしき人もいればもうお馴染みになった鎧姿の騎士もいる。
「ティエルフールがこの橋を守ってるしな。眺めもいいし観光気分を味わってるんだろ。」
「ふーん……」
生返事をしながら辺りを見渡す。
「どうした?」
「あ、いやこの国なんだけど…」
といいかけ、一人の人に目が止まる。
シスター服に身を包んだ女性。
髪は長く腰の辺りまで栗色のそれを自然な感じで伸ばしている。身長も女性にしては高く、173cmある俺と近いくらいか。首からは魔法使いであることの証明か、黄色の水晶を下げている。
「…何よ。」
いつのまにか誰もついてきていないことに気づいてしまったアニエスが戻ってきた。
「いや、あの人なんだが…」
「へー、綺麗な人ねぇ。…何?ああいうのがいいわけ?」
何故かジト目で俺を睨むどちらかというと幼児体型。
「違うわ馬鹿。…あり得ないと思うけど、飛んだり。しないよな。あの人。」
自分で言っておいて、三人でゾッとする。考えたくはないがこの壕はなまら深い。飛んだらほぼ確実にトぶ。
こちらの声が聞こえたかのように橋の欄干に近づく女性。
「そ、それはないんじゃない?」
深さにたいして無いに等しい、見た目90cmほどの欄干の手前で止まる。
「さ、流石に飛ばないだろ?」
ノッチの声のあと、履いていた木靴を脱ぐ。
「おい、マジか?」
俺の問いに行動で返すように一気に身を投げた。その瞬間全員でダッシュ。能力のブーストも助け、石橋にヒビをいれるほどのダッシュから空中にいた女性を掴み、
「ノッチ!!」
橋の上に投げて確保を確認。あとは俺が橋の上に戻ればミッションコンプリートだ。
……おかしい。
…………助けの手が来ない。
みるみる加速しながら落下する俺。
もう手なんか届かなくなったとき、アニエスがひょこっと首を出した。そして勢いよく伸ばされた腕には何もなく、
「ごめん!!」
と、グッドラック。
ふっ。と西部劇のヒーローみたいに笑い、
「お前、マジで覚えて」
おけよ!とまで言いたかったが物凄い衝撃と水音に掻き消されてしまった。




