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そんなこんなで希望通りに。

「死んだんだよな。俺。」

記憶がある範囲で思い出してみる。

いつもの日常からトラックに跳ねられ、死んだ。以上。

「なら、これ…何だ?」

そう呟いて自分の足元

─こと切れた狼もどきを見下ろす。



あのあと、何故か目が覚め辺りを見回して見ると一面森林だった。ああ、天国ってこんな感じなんだぁ。とか言ってたら木の影から狼もどき登場。「へぇ、天国にも狼っているんだぁ。」とか考えていたら襲いかかってきたので間一髪かわし、ヤケクソ気味に噛みつきに来た顎に回し蹴りを当てたら頭が吹き飛んだ。回想終了。

「色々不思議だけど…先ずはこいつか。」

首無しになってしまった狼もどきをよく見ると俺が知っている狼とは少し違う。

色は灰色。体つきはゴールデンレトリバーを一回り大きくした感じ。首は吹き飛んだから確認できないけど、

『THE狼!』みたいな顔だった。一番不思議なところが爪。異様に長く見た目出刃包丁みたいな爪が四本の足についている。総勢20本。

「新種だな。きっと。」

そうだきっと跳ねられたときに未開発地域に無傷で吹っ飛ばされて、で今だ。

「そうだよ。ここが異世界なんて…」

言いながら空を仰いで絶句。


地球だったら先ず有り得ないこと。

アヒルの大群が鷹を空中で食べてる。

落ちてきた鷹?の骨が額に当たる。

それにベットリ付いている緑の血。

「…サラサラしてんな。この血。」

骨を手にしていたら、アヒルが空中から勢いそのまま骨をかっさらっていき、

バリボリかみ砕きながら飛び去っていった。

「…マジで?」

アヒルって肉食だったっけ。いや。その前に

「夢から覚めるならやっぱりつねるのが一番か。」


そう思い左手で頬を摘まむ。あんまり力がないと覚めないと思い、力を入れようと意識を向けると

─キィーン。

「ん?」

何処からか音叉のような音が響いて来た。

見渡してみても森林だけ。鉄製のものなんて見当たらない。

「まぁいいか。もうすぐ覚めるんだし。」

にこやかな笑いと共につねる。

─直後、激痛。

「いってててっ!」

自分の力がどのくらいかは分かっていたのに、

その想像よりもずっと強い力が入っていた。

でも一瞬で力は何処かに消えていった。

「何だ?一体…」


暫く歩いて休憩。

「長いなぁ~夢。」

だってこれは夢。夢だから。

「喉渇いたな。」

見渡して見ると川が近くにあった。

近づいてとりあえず水の色を確認。透明。良し。

ゴクッと飲み込んでみる。

「…水は飲めるか。」

二杯目を飲もうとしたら


「キィーン。」

「ん?」

鉄製のものを打ち付けたような音がまた聞こえてきた。視線をあげるとそこには

「…山羊?」

全身真っ黒。体は山羊。その名は知らない。

その山羊が川に近づいて水を飲んでいる。

飲み終わったらしく顔をあげ、こっちを見て

「キィーン。」と一泣き。

そのまま向きを変え、森の中へ。

「…そこはメェーじゃねぇの?」

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