表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ひまわり

作者: あい

私は 今、とても大切な愛する人と子供がいます

でも 時々 あの暖かい日の事を思い出します

私は高校生になり、田舎の町から1時間半近くかけて 都会の高校生に通うようになり、1ヶ月くらいが過ぎようとしていた頃…

いつもの満員電車の中で ふと目にとまったのは

女の子4人に囲まれて 照れくさそうにしている

同じ歳くらいの男の子でした

背が高くて 涼しげな顔 優しそうな表情にドキドキしました 毎日 同じ電車 でも私はただ見てるだけ…

何ヵ月かして 私は 女の子達に囲まれている彼を男友達じゃなく女の子ばかりでデレデレしちゃって

何か嫌な感じ~と思うようになりました

この感情は嫉妬? そう言えば 私の学校は女子高で最近 流行り始めた合コンに何度か誘われても断ってばかり…友達に いつも断るけど好きな人でもいるの?

あっ~彼氏がいたりする?と聞かれた時に頭に浮かんだのは 彼の顔でした

毎日 特に 進展もないまま… そんな時、彼が電車には乗って来なくなり 女の子達だけという日がずっと続きました 誰に聞ける訳でもなく、1ヶ月…2ヶ月と経つにつれて 諦めかけてた私に友達が

「一生のお願いなんだけど 明日の合コン人数が足りなくて行ってくれない」と言われ ずっと断ってきた私が 行ってもいいか~と思いました 後から思えば 諦めるためだったと思います

ビルの三階にあるカラオケに到着…

先に男の子達は来てるからとドアを開け中に入ると

彼の姿が… びっくりと言うか どうしたらいいのか分からず!! 男の子10人女の子10人とにかく楽しく時間は過ぎていきました

私は家が遠かった為 皆より先に帰る事にしました

挨拶をして 部屋を出て エスカレーターのドアが開き

乗った その時、 突然 彼が走り込んで来ました

「俺も帰るから送るよ」私はうん とうなずく事しかできず たわいもない学校の話をしながらホームに向かい… 向こうは全然 私に気づいてないんだと思いながら 電車が来て 私が乗り込むと彼が一緒に乗って来ました 「えっどうしたの?」私が聞くと「俺もこの電車だから 前はこの電車で学校行ってて でも 俺 最近 東京から名古屋に越して来て よく分からないから この電車に乗ってたけど 本当はもっと簡単に学校行けるルートがあるの知って…でっ会えなくなって 何とか制服から学校 調べて 連れの彼女に頼んで 今日の合コン設定してもらったんだよね」とにかくドキドキして 私は何も答えられず…

「で 彼氏とかいるの?」そう聞かれた私は どうしてだか 今でも分かりませんが「はっ 彼氏とかいたら今日の合コンに行かないし!」それから空気が悪くて 気まずくてあまり話をしないまま じゃあね~と別れ… これで終わりだと思いました なんであんなキツい言い方をしたのかと後悔しました

だけど 次の日から 私達は 毎日のように あの合コンの時のメンバーで遊ぶようになりました

バカのように 同じ時を過ごし なんだか分からない事で笑い しょうもない事でケンカをして…

中には付き合ったり別れたりしている子たちもいました でも私は何もないまま ただの友達として

私は あの日 気まずくなったせいもあり 彼ではなく

彼の一番の友達のアキラと良く話すようになっていました 10人の男性の中でも 修二 アキラ トオル この3人は目立っていました 最近 思うんです

まるで 漫画のワンピースに出てくる ルフィーが彼(修二)なら サンジがトオル ゾロがアキラ そんなキャラ 私は何となく口数が多く 皆に人気の二人より

口数が少なく 時々 見せる笑顔とクールな アキラが

一緒にいて落ち着く存在になってました

「そう言えば、修二とはどうなってる?」

とアキラに聞かれ 「私 本当はずっと前から電車が一緒で 少し恋をしてて だけど 突然、電車には乗って来なくなって諦めようって思って あの合コンに行ったんだよね だけど 修二に彼氏いるの?って聞かれて ムカついた いたら 合コンなんかに行かないってきつく言っちゃって それから 普通に話すけど 何も進展はなくて でも 私はダメなんだよね 私すっごい嫉妬深くて 女友達とか いる彼氏とかでもダメで だから合わないよ」私は始めて 自分の気持ちをすごい勢いで アキラに話していました ただアキラは「そっかぁ」と言うだけでした 学校の帰り道 いつものように

いつものメンバーで待ち合わせをした時、「ちょっと行きたい所があるんだよね」と トオルに言われ…

名古屋から少し離れた駅に… そこには 見たことのある女の子が何人か それと 知らない女の子が何人か… そこで 突然、「俺 この子と付き合いたいんだよね~でっホントごめん 皆とはもう遊ばないし 連絡もできないから」 と修二が頭を下げた

何が起こったのか ぼぉーとしていると 突然、アキラが 修二を殴った 二人が喧嘩になり、アキラが修二に「お前バカか!!」そう言って立ち去って行った

私はすぐに分かった アキラは 私の顔を知られた事でさ嫉妬した女の子や 修二を好きだった子が私に何か嫌がらせをするのではないのか!!と心配してくれたのだと… それから 皆の中にアキラの姿はなくなった

申し訳なく 素直に修二と付き合えず…

たまたま帰りが遅くなり 友達と二人で帰る途中

突然 後ろから殴られました そのまま とにかく殴られ 少しして 助けに来てくれたのは 修二 アキラ トオル とにかく喧嘩が強くて ただ、カッコ良くて

修二とアキラが一緒にいる事が嬉しくて 気付くと私は いっぱい泣いていました そんな私を見て 3人は笑ってました その日から 私は やっと修二の彼女になり、とは言っても 二人の時間より 皆といる時間のが多くて… ただ楽しくて ただ幸せで…

だけど ずっとは続かなかった…

高校3年生も終わりの頃…

私はまた 他校の女子に絡まれた

仲間に男の人がいて どうやら 前に私を殴った女らしい 修二の事が好きだったようで 私を恨んでいた

私は人質に取られた 修二を今、呼ぶからと言われ

私は 怖さも 辛さも 感じなかった あの時の気持ちは今でも不思議に思うんです また必ず助けに来てくれる 強くてカッコ良くて それを待ち遠しく思うような

そんな気持ち…


でも 私はそれからの記憶があまりありません

なぜなら 修二は待っても待っても来なくて

次に聞いた言葉は ここに来る途中 バイクに乗ってて

急いだから事故って……

病院に着いた時にはもうほとんど息がなく

ただ 少しだけ笑って 私にペンダントを渡しました

彼はもう戻っては来ませんでした


それから私は 死ぬ事しか考えられず

どんな、慰めも励ましも 何も私には受ける事ができず 笑う事を忘れ どうして笑うのかも分からず

海に入って死のうとした時、アキラが助けてくれました「俺が何でもするから」と言うアキラに私は「じゃ 修二を連れて来て」と言う始末 そんな地獄のような日がずっと続きました 私は卒業し どうしても海が好きだった 修二とよく行った 南知多の海の近くに知多にいる何人かの友達を頼り アパートを借りて 地元から離れ 仕事をしながら海に通い それでも立ち直る事ができず… ある日 友達が突然訪ねて来ました

友達の顔や体には沢山 キズが… 「ごめん かくまって 彼氏がすごい暴力振るうの」しばらく一緒に住む事にしようと私は言いました 夏の暑い日 皆で花火をしていました アキラやトオル 他の皆が私と暴力を受けていた友達を元気にする為に…

だけど…花火をしている時、友達の彼氏がナイフを振り回し襲いかかって来ました 気が付くと病院にいました 私は足を刺され 友達は腕を切られ アキラは私を助ける為に顔を切られ 皆 傷だらけ

でも 気付いたんです 私はあんなに死にたかったのに

ナイフを持った男の人が追いかけてきた時、必死に逃げ 怖いと思い 死にたくないと感じた事を

私は始めて 修二があの時くれたペンダントを見ました あの時以来 怖さでずっと見れなくて しまったままでした… ペンダントの裏に英語で何か書いてありました バカで読めない私は仕事場の先輩に読んでもらいました そこには「最愛の彼女へ いつも 貴女はひまわりのようです いつも笑っていて いつも 真っ直ぐでいて ずっと ずっと そのままの貴女で居てください 」私は生きる道を選びました ひまわりのように胸をはり 真っ直ぐに 笑顔で…

アキラ トオル その他 私の大切な友達は皆 元気にしています ただ あの頃のように 皆で一緒にいる日はありません それぞれの道をそれぞれに進み 生きています 私は自分から 地元に戻り 彼らから離れました 私が居ると 皆が遠慮して 彼女や彼氏を作らない時があったからです アキラには 心にも顔にも傷をつけてしまい とても申し訳なく思います でも 私達は今でもずっと繋がっています 別々の人生を歩きながら…


私は 今でも ふと、思い出すのです

あの 眩しい キラキラしていた日の私達を~

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ