星空―少年編―
満点の星空の下、少年と少女はある約束をした。
――きらきら光る星空の下 僕と君は約束したんだ
「どれだけ離れても、僕達は二人でひとつ」 「星が降る 夜この場所でいつか必ずまた会おう」――
あれからどれくらいの月日が立ったのだろう。いつしか数えることも止めてしまった。
晴れた空。満点の星の下。今日も僕は夜の街へ歩き出す。
あの日二人約束したこと、君は覚えているかな。
君のことだからもう忘れてしまっているかもしれないね。
少し歩くと聞こえてくる人のざわめき。そういえば今日は近くで花火大会があったな、と思ってはっ、とする。
もしかして、もしかすると今日こそ君に会えるかもしれない。今まで何度も夢に見た君に。今日と言う日をずっと、ずっと待ち続けていた。
僕はそっと、あの場所へと走り出す。
満点の星が流れ落ちる空。君はまだ来ていない。いや、来る保証なんてどこにもない。でも今日こそ必ず会える気がしたんだ。僕は君を待つ。
しばらくすると小走りでこちらへ向かってくる人影。それは昔と変わらない、紛れもない君の姿。
僕はそっと歩き出す。
ねえ、あの約束を覚えてる?
きらきら光る星空の下 僕と君は約束したんだ
「どれだけ離れても、僕達は二人でひとつ」
「星が降る 夜この場所でいつか必ずまた会おう」
「久しぶり」