7話 止血魔法
俺は、木人のコノハと
糸の包帯を巻きつけてくれたカブトのおかげで、
ずいぶんと動けるようになった。
姿は半分骸骨でゾンビのようなままだが……。
この空間の外を覗きたくて、
俺はこの穴の外へと出てみた。
「サンクおうちゃま、
まだ、じっとしていてくだちゃい」
コノハが止めるが、
俺は早く自分の能力を試してみたかった。
初めての魔法だ。
初めて手に入れた俺の能力。
早く試してみたくてウズウズしていた。
穴の外は広い空間になっていて、
出口であろう大きな穴からは、
眩い光が差し込んでいた。
俺は誘い込まれるように、
光の差す場所へと足を運ぶ。
外に出てみると、眩しく太陽が照り付けていた。
俺は思わず目を細め、
ゆっくりと薄目を開ける。
長いあいだ暗いダンジョンの中にいたせいか、
光が痛いほど目を射す。
少しずつ、景色が鮮明に映りだす。
「はあ!?」
どういうことだ?
俺は崖から落ちてかなり深い場所にいたはず。
でも――
「ここは、廃墟のダンジョンの入り口じゃないか!」
崩れた石柱。
砕けた門。
それは以前と変わらない、
廃墟のダンジョンの入り口だった。
「はい。そうでちゅ。
先王のカンカイちゃまが亡くなられたので、
ダンジョンは崩壊ちまちた」
「はあ?
カンカイどういうことだ!」
<サンクよ。
落ち着いて聞けよ。
我はお前に能力を渡した。
だから……>
「おお、そうだった!
早く能力を試さないと」
<だから話を聞け。
お前が新たな王……>
「えい!
はっ!
とりゃー!」
どういうことだ……
能力が発動しない。
「あ、そうだった。
止血の回復魔法だったな」
自分の体を傷つけるのは怖いなあ……。
でも、痛みには少しなれたような気がする。
崖から落ちて、死ななかっただけでも儲けもんだしな。
「おりゃ!」
「おうちゃま。
そんな、自分を傷つけないでくだちゃい」
これだけ血が出ていれば、能力を使える。
「はっ!」
おおー!
初めての魔法だ。
血が止まった!
血が止まったぞ!
<それは良かったな……>
「なんだよ、口に出さなくても、聞こえるのかよ」
<お前は、口をきけないだろうが。
お前の口は顎が砕け、
まともに話せていないことに気づいておらんのか?>
「もっと試してみてえー!」
<また話を聞いておらんな……>




