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2月14日の有崎のプラン


お泊まりのお出掛けから数日後、有崎は高野に電話を掛けた。

「冬真?どうした?」

高野の声が自分の名前を呼ぶ…顔が微笑む。

「土曜日は空いてますか?付き合って欲しいのですが」

「うん、空いているけど…何かあるの?」

「はい、行きたい所があて…一緒に行ってくれますか?」

「良いよ、何処に行くの?」

「それは当日に案内します。では10時頃迎えに行きますね」

「うん、分かった。待ってるよ」

「はい、よろしくお願いします」

高野は電話を切った後、微笑んでいる自分に気付き恥かしさが

こみ上げる。頭を抱え

「嬉しさが…漏れてる…」



有崎は約束通りに10時に高野の家のインターホンを鳴らすと

高野は直ぐに外に出て来た。

「今日よろしくお願いします」

「うん、よろしくね」

高野は有崎に微笑む。

有崎も高野の顔を見て微笑み一枚のカードを見せた。

「う!…そのカードは…」

それはグランピングに行った時の誕生日のプレゼントとして

貰った”1日高野高志を使える券”だ。

「1日付き合ってもらいます」

有崎は笑っている。

「…いや、こんなカードを使わなくても付き合うよ…怖いな…」

「今日は俺の言う事は聞いてもらいますからね」

「…まじ…なんか、怖いな~」

「特別な事は無いですよ。ただ、俺のプランでお願い

 します」

「分かりました。よろしくお願いします…」

有崎は満足そうに笑う。

先ずは!と高野の行きつけの服屋に案内させた。

そこは名の知れた店で幅広いデザインが若い人達に人気があり

利用されている。

「あ、これ高志さんが良く着ている服と同じですね」

「うん、このシリーズは好きで良く買うよ。着やすいから

 好きなんだよ」

シンプルだが色と形がスタイリッシュな物が多く有崎も好きな

タイプである。

「このパーカー、好きだな…」

「そうだね、似合うと思うよ。生成りとか若草色もイイね」

色の濃淡の切り替えが良い感じのパーカーを有崎は手に取る。

有崎はうん!と頷き高野が良いと言った色を持ちレジに

向かった。

「2つも買うの?」

高野は余程気に入ったのだな。と思ったが有崎が二つに分けた

袋の一つを高野に差し出した。

「え?」

「プレゼントです」

「あ…ありがとう」

「いつものお礼です」

高野は少し戸惑ったが満足そうに微笑む有崎に有難く貰う

事にした。

「次は!」

電車に乗り少し自然の多い場所に着いた。ここは別荘地

でもあり、静かな場所で鳥のさえずりが良く聞こえる。

「へ~、こんな場所があるんだね」

高野は感心して回りを見た。

「ここのお店は野鳥を見ながら食事が出来るらしいです」

お店は木造の作りで自然に溶け込んだ作りになっている。

高野が好きそうな店で中に入り有崎は店員に言う。

「予約している有崎です」

「はい、伺っております。こちらにどうぞ」

店員が案内した席は窓に向かい外が良く見える所だ。

「予約していたんだね」

「折角なので良い席を取りたくて」

外には小鳥が来るように餌箱が設置しており景観も緑が濃く

野鳥が餌をつばんでいる。

「ここは、隠れ人気スポットなんです。高志さんが好きそう

 だなと思って」

「うん、落ち着いていい所だね。好きだよここ」

有崎は嬉しそうに微笑む。高志も柔らかく微笑み

料理に舌鼓を打ちながら穏やかな時間が過ぎてゆく。

高野は会計時に自分が出すと言ったが、有崎はカードを見せ

高野を黙らせた。

「ご馳走様でした」

「今日はお礼の日なので言う事を聞いてくださいね」

「…はい、分かりました」

「次は、遊園地に行きます」

「あさひな遊園地?」

「分かりました?」

「うん、何となくね」

電車で移動し、遊園地に着いた。子供連れの家族やカップルが

多く賑わっている。

「子どもの時以来かな~、懐かしい」

高志は浩章と来た時の事を思い出していた。

「………」

有崎は少し寂しい表情をしたが高野に気付かれぬ様に

観覧車を見ていた。

「冬真…、俺…絶叫系はちょっと…」

「え?そうなんですか?」

「子どもの頃は大丈夫だったけどね…今見たら…無理です」

高野は高い所から落ちるジェットコースターを見て言う。

「ははは、では、あれは?」

有崎は建物のブースを指さした。

「うっ…お化け屋敷?あれも絶叫系では?」

「怖いですか?」

「いや…怖いというか…暗闇で驚くのが…」

「怖いんですね!」

「…はい…怖いです…」

高野は観念したように言うと有崎は笑った。

「じゃあ、行きましょう!」

「ん?あれ?…冬真さん?」

「ふふふ!」

「今、悪い顔したね!」

「そうですか?」

高野はたじたじだ。

「…ヒロに似てきたじゃないか?」

「今日は高志さんに楽しんで貰いたいので!」

「…ヒロみたいだ…」

高野は泣いた。有崎は定番だったかな…と思ったが好奇心には

勝てず実力行使をした。

お化け屋敷の中では有崎の服の端をちょこんと摘み声を殺して

”うっ”と言っている高野であった。

そんな高野に声を殺して笑う有崎だが、外に出た途端に

”へへへ”と笑う高野に有崎はお腹を抱えて笑ってしまった。

「冬真さん、そんなに笑わなくても…」

ばつが悪そうに高野が言うと

「高志さん、可愛い。笑いを堪えるのが大変でしたよ」

「…だって!…こら、28の男に可愛いはないだろう…」

「28の男だから可愛いんです!」

有崎は笑い続ける。

高野は頭を抱えて”うっ”と唸り照れてしまった。

有崎の顔はとても楽しそうだ。この時がいつまでも続くと良い

のに…と思ってしまう有崎だった。


君の瞳に映る笑顔   ご覧いただきありがとうございます。

次回は火曜日「有崎のプランー想いー」をお送りします。有崎の想いと高野の葛藤です。

次回もお楽しみ頂けたら幸いです。      あらかると


       


 

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