再会
企画会議も周りの助けによりなんとか進んで、今日は休日
趣味の一つであるカメラを持ち出し近くの公園にきていた。
この公園は木々に多くの野鳥が飛んでくる自然溢れる所だ。
広場の芝生では子ども達が楽しそうに駆け回って笑い声がたえない。
高野はこの公園が好きで良く足を運んでいる。
芝生の上で子犬と戯れる子ども達にピントを合わせた時
ふと後から男女の話し声が聞こえてきた。
「ごめん、オレ気になる人がいて君の気持には答える事は出来ない…」
「そっか…」
「気持、伝えてくれてありがとう」
「うん……、良かったら…このまま友達でいてくれる?」
「もちろん!これからもよろしく」
「うん…ありがとう。今日は帰るね」
彼女は悲しそうな笑顔を残し去っていく。
高野の背後でこのドラマの様な出来事が起こっていた。
いたたまれずそのまま前進しようと歩き出した高野は
背後からの声に引き止められた。
「あ、あの~」
「は、はい…」
高野は声を掛けられるとは思わずびくっとしながら
驚き変な声で返事をし恐る恐る振り返った。
そこには爽やかなイケメン!あれ?どこかで会ってる?
なんとなく見知った顔のような気がした。
「あの、前にファミレスでご一緒させて頂いた方ですよね?」
「…えっと、ああ、あの時の!」
「はい、あの時の!」
そう、言われて思い出した。確かにあの時の爽やかイケメン!
やはりモテるのだな~と感心していると
「なんか恥ずかしい所を聞かせてしまいすみません。」
「いやいや、なんかすみません…」
「なんで貴方が謝るのですか?」
と、彼はクスクスと笑う。
高野も頭をかきながらはははと笑ってしまった。
彼は高野の手元に目線を落とし
「カメラをされているのですね。」
高野の持つカメラを指差し聞いてくる。
趣味程度だと恥ずかしそうに答えるが彼の目は輝いている。
「いいな、カメラ~。そうだ!この後はお時間ありますか?」
予想外な言葉に驚いた。
「特に予定はないけど」
「近くのカフェに行きません?カメラの事教えて頂きたいのですが」
趣味のカメラの事を聞かれ嬉しくなり高野は一緒に
カフェに行くことにした。
しかし、なんかとんでもない事になったな…
と、内心ドキドキしていた。
公園の周りには色々なお店が並んでいる。
ペットショップ、パン屋、クレープ屋、駄菓子屋など小さい店舗だが
人が絶えず買い物を楽しんでいる。
並びに他の店よりも少し広めのカフェがあり
白を基調に淡い水色がオシャレな外装で落ち着くそのカフェは
オ-プンカフェもあり賑わっていた。
「ここのパンケーキが旨いんだ、甘い物は大丈夫?」
「パンケーキは好きですよ」
良かったと、高野はコ-ヒ-2つとパンケーキを頼んだ。
「甘い物は好きなんですか?」
「特に好きな訳ではないけどここのパンケーキは好きかな」
まあ食べてみてよ!とにこやかに言った。
カメラの話しから趣味の話したわいもない話しに花を咲かせてい時
パンケーキとコ-ヒ-が運ばれてきた。
「うわ!」
彼は小さく声をあげた。
パンケーキは3枚皿に乗っており、もう1つの皿に
トッピングのソ-スが6種類も並んでいる。
生クリームやベリー系、ダ-クチョコレートなど好きな
味で食べられるのだ。
「これは美味しそうですね~」
「ソ-スが絶妙でね旨いから」
高野は食べて~と皿を渡す。
「そう言えば…名前聞いてもいい?俺は高野浩志」
「あ!すみませんでした。有崎冬真です」
「有崎君ね、よろしく」
「こちらこそ、すみません俺から話しかけておきながら
名乗らず、失礼いたしました。」
有崎との会話は楽しかった。内容もそうだが話すリズム、展開など
心地良い、その後も話しは盛り上がり時間は過ぎ
連絡先を交換し二人はカフェを後にする。
この日、高野のカメラに写った絵は公園の風景と別れ際の
有崎が手を上げ笑っている2枚だけだった。




