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年越し


「5~,4~,3~,2~,1~、」

「ハッピーニューイヤー!」

「明けましておめでとう~」

「明けましておめでとう」

「明けましておめでとうございます。」

4人は口々に祝いの言葉を言い合う。新しい年の始まりだ。

「今年もよろしくお願いします」

有崎は3人に向かい一礼した。

3人も”よろしくお願いします”と返す。

「うわ~、新しい年って嬉しいど、また最初に戻る感じ

 がするのは何故だろう…」

「何となく気持ちは分かるな。年末で仕事に区切りが

 ついて机の上の書類が無くなったのにまた年末に向けて

 書類が積みあがるのか~みたいな感じ」

高志と浩章が何やら感慨深い顔をしている。

「俺には分からんな。新しい一年が始まり今年もどんな出会いや

 出来事があるか楽しみしかない!」

「篤のそのポジティブさはいつも尊敬するよ」

「そうだろ~、だからいつでも俺の胸に飛び込んで来て

 いいからな!高志!」

篤は両手を広げて高志を呼ぶ。

高志は篤の胸を思いっ切り押しベットに倒した。

「意味わからん!」

違うよ高志君と篤の言葉に高志は呆れている。

「冬真は今年、兄貴と同じ会社に入社だよね」

「うん、今年は緊張と挑戦の年かな」

「へぇ~、そうなんだ~」

篤はベットに横たわりニヤッとする。

「うちの期待の新人だからふざけた事するなよ!篤!」

「俺かよ。有君には何もしないよ~」

俺は高志に~と言っているとなんだって?と睨まれた。

「俺も眠くなっちゃった」

浩章もベットにダイブする。

「ん~、気持ちが良いな~このベット」

篤と浩章が2人でベットの感触を楽しんでいる。

「そうだな、もう寝る準備しようか」

高志の言葉に着替えや歯磨きをしたり各々寝るモード

になる。ここで問題になるのが寝る位置だ。

篤は高志の隣!と騒いだが浩章の”兄貴は俺が守る”

と篤は端に追いやられてしまった。

その攻防に有崎は笑い高志は呆れていた。

各々ベットでくつろいでいたが、有崎は寂しそうな顔をして

ソファーに1人座った。

「どうした?寝られない?それとも気分でも悪くなった?」

高志は有崎に声を掛けた。

「大丈夫です。ちょっと寝付けなくて…」

ん?と言いながら有崎の横に座る。

他の2人も有崎と高志を見守る。

「……夢を…楽しい思いをすると決まって昔の…悲しい夢を

 見て苦しくなるので…」

寝るのがちょっと…と有崎の顔は寂しそうに沈んでいた。

「良かったらその夢、教えてもらってもいい?嫌なら

 言わなくてもいいよ。落ち着くまで横に居るから」

有崎は高志の顔を見て少し考えてから息を吐き話し始める。

俺には3歳下の妹が居て…と夢の内容を話すが時より言葉に

詰まり高志に背中をさすってもらった。

当時を思い出し苦しい顔になる。

有崎が話し終わると部屋の空気感が変わった。

「すみません。楽しい雰囲気がだいなしですね…」

「そんな事はないよ」

「俺が苦しめてしまった…どうしょうもない兄なんです…」

有崎は辛そうに目をつぶって下を向いてしまう。

「辛いよな、でもそんなに自分を責める事はないと思う。

 彼女も辛かったのは分かるが、だからといって君を否定

 するほど弱い人なのか?それは違うと俺は思う。彼女には

 他に思う事があったのかもしれないな」

高志は優しく有崎を諭す。

「他に思う事?」

有崎は高志の顔を見る。その顔は優しく微笑んでいた。

「本当に嫌ならば君に言葉を…話しかけたりはしない。

 憎んでいるのなら尚更、避け続けるだけだ」

有崎は当時を思い出す。確かに妹はとても苦しそうにしていた。

避けてはいたが気付けば同じ空間には居たし

今思えばすがる様な目をしていた気がした。

「そうかもしれない…俺は…自分の事ばかり…」

「俺も兄だ、有崎君の気持ちは分かる…気持ちに答える

 事が出来なかった辛さも…でも自分をそんなんに

 追い詰めないで…」

高志の言葉にベットに横たわる浩章の体がビクッと反応

した。浩章は布団を握り寂しそうに顔を隠す。

篤はそっと浩章の頭を撫でてやった。

「君が落ち着いて妹さんと話が出来る様になった時に

 ちゃんと確かめた方が良い…その時は俺がそばにいるから、

 必ず居るから」

有崎の目には涙が溜まっている。高志はすがる様なその目に

そっと触れ涙を拭ってやる。

「俺は…分かってやれなかった…」

「……理解するのは難しい、が寄り添う事は出来る…

 それがその時できなかったとしても今からでも…」

「今からでも…」

「時間が解決してくれる事だってある。今からでも

 取り戻せるよ」

高志は有崎の頭に触れ大丈夫!と微笑む

有崎は涙を溜めながら頷く。

そんな有崎の頭を高志はそっと自分の胸をに引き寄せた。

有崎は高志の体温を感じ心の塊が少し溶けていくような

感覚に落ちた。

長い夜が過ぎていく。


君の瞳に映る笑顔     ご覧いただきありがとうございます。

次回土曜日「初詣」になります。これからも高野と有崎を見守って頂けたら嬉しく思います。

                    あらかると


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