クリスマスパーティー
12月24日のクリスマスイブの夜、ショットバー”タップ”では
クリスマスパーティーが開催されている。
店内は常連さんで溢れていて賑やかな声で満ちていた。
「え?兄貴来られないの?」
驚いた顔をしている有崎と浩章が篤に問いかけた。
「トラブルで急に長野に出張になったらしい」
「そうなんだ~」
それは仕方ないよねと残念がる浩章だが楽しまないとね!
と有崎に笑う。寂しそうな顔をしていたが、浩章の
言葉に頷き有崎も笑う。
「うん、楽しもう」
冨田さんとスーツの話しで盛り上がたり、他の常連さんから
高志の武勇伝?を聞いたりと楽しく過ごしていた。
有崎はポケットからの振動で電話が掛かってきた事
に気付き外に出た。携帯のディスプレイを見ると高野の
名前が表示されている。
「もしもし、有崎です。」
携帯から高野の声が聞えた時、嬉しさで高揚した。
会話は短い時間ではあったが有崎の心は暖かくなり
携帯を握りしめ嬉しいさで笑顔になっている。
店の中に戻ると浩章が電話?と聞いてきたので有崎は
高志からだと答えると浩章は良かったねと笑う。
今度は浩章も携帯が震えた。画面はメッセージの着信で
高志からのメッセージだった。
「了解!」
と小声で呟く。その後は有崎も良い笑顔だ。
ーーー分かりやすいーーー
と篤と浩章が思っていたとはつゆ知らず有崎は
楽しんでいた。
23時を回ると明日があるからと常連さんたちも帰って
しまい店の中は静かになった。
「よし、年末の話をしよう!」
と篤が片付けをしながら言い出す。
「30日に買い出しをしようと思うけど空いているかな?」
篤は2人に問いかける。大丈夫!と答えると
「何をしようか~、何を用意する?」
と浩章がノリノリで話す。
「酒は俺が用意するとして、なんか楽しい事したいね~」
と篤もノリノリでである。
「そうだ、兄貴にドッキリ仕掛けちゃう?」
「いいね~、兄貴思いだね~」
「どこが兄貴思いなんですか?」
と有崎は笑う。
「冬真は料理担当で、30日兄貴と買い出ししてくれる?
俺と篤さんで兄貴ドッキリ作戦の用意するから!」
「本当にやるの?うん、了解」
「兄貴にバレないように頼むよ!」
「分かった」
有崎は誕生日に高野と出掛ける事になり嬉しさと
恥ずかしさで照れ笑いをしている。
ーーー冬真!いい顔だね~--ー
ーーー有君、可愛いね~--ー
2人が暖かい目で見ている事に有崎は気が付いていなかった。
「はっくしょん!う~っ」
長野で提案書と格闘していた高野は盛大にくしゃみをした。
「なんだ、風邪か?」
「背中に寒いものが…」
「おいおい、気を付けてくれよ!」
「うーーーーっ」
夜は深まる。
出張も終わり高野が家に着いたのは25日の午後5時過ぎだ。
会社には弓月から報告が入れてあり直帰して良いとの事で
帰って来た。
「ただいま…」
玄関を開けると灯りが付いていてとても美味しそうな香が
鼻をくすぐる。
「お帰りなさい、お疲れ様です」
有崎が出てきた。
「え?何で?」
「ヒロから疲れているだろうからって頼まれました」
そう言えば浩章が何時に帰るか聞いて来ていた。
「え~~!ありがとう」
フラフラしながら部屋に入ると美味しそうなご飯が
出来あがっている。
「お、美味しいよ!これは!絶対!」
「早く着替えて来てください」
料理を見て嬉しそうな高志に言う。
「はーい」
と着替えに向かった。
食卓につき”いただきます”と手を合わせてから
箸を進める。
「美味しい!なんかこういうのいいね~疲れて帰って来た
時に美味しい料理!感動した、嬉しいな~」
「そうですか?」
「うん!今回はハードだったから…でも昨日はごめんね、
急に行けなくなって」
「大丈夫ですよ。凄く楽しかったですから」
良かった。と高野は微笑む。
「高野さんの武勇伝聞きました」
何それ?と笑っている有崎に聞いたが秘密です。
と教えてくれなかった。
料理を堪能して有崎からコーヒーを貰いホッと一息ついて
ふわふわと笑っていた。
「高野さん疲れているでしょうからお風呂にはや…」
洗い物の手を止めて振り返った有崎は食台で寝ている
高野を見た。
「あ~あ、寝ちゃった」
洗い物を終えて高野の向かいに座り寝息を立てている
高野の頭をそっと撫でる。
「お疲れ様」
昨日の電話で”俺の代わりに”の言葉が浮び嬉しさが
こみ上げてくる。
有崎はそっと高野の頬に唇を落とした。
「今日のご褒美、頂きました」
しばらく高野の寝顔を堪能し、叩き起こして
ベットに寝かせて任務を終了させた有崎だった。
君の瞳に映る笑顔 ご覧いただきありがとうございます。
次回は土曜日「買い出し 篤&浩章」です ブックマークありがとうございます。
次回もお楽しんでいただけたら幸いです。
あらかると




