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クリスマスイブ


「高志、24日、クリスマスイブにうちでパーティー開くけど

 年末の話もあるから有君達にも声掛けてくれる?」

年末に向け仕事が修羅場になりかけの昼休みにまったりとした

口調で篤が電話を掛けてきた。

高野は”はぁ~”とため息と共に力が抜けた返事をしたが

「でも俺行ける分からないぞ。忙しいから」

「そしたら3人で考えておくよ…でも…有君が寂しがるから

 遅くても良いから来いよ」

「……ああ」

気まずさから、あれから2人には連絡をしていない。

「仕方ない連絡するか…」

2人に連絡を入れると速攻で返事が来た。

とても楽しみにしている。では俺も行ける様に今の仕事を

頑張らなければならない。

「よし、やるか!明後日までになんとかせねば!」

高野の言葉に他の社員も”よし”と気合をいれた。

そう言えば有崎の名前は冬真。冬生まれの可能性が高い

浩章にでも聞いてもらおうか。



仕事に追われて気付けば今日はクリスマスイブ

街並みはクリスマスの飾りやイルミネーションが点灯し

ケーキの販売などでクリスマスカラーに染まっている。

高野達企画部もこの日の為に仕事を頑張りなんとか

落ち着かせる事が出来た。

「今日は定時で帰れそうだな」

高野以外もどことなくソワソワしている。

そんな浮足立っている企画の部屋に

「高野!大変だ!」

残りの仕事に手を付け始めた時に弓月と坂田が

血相を変えて部屋に入ってくる。

「嫌な予感…」

「当りだ!この間無くなったイベント資料が違う会社に

 他の荷物と一緒に配送になってた!」

弓月と坂田は高野の横に立ち説明する。

「え???」

それはとてもマズイとこなのでは?高野は首を傾げた。

「高野、弓月と一緒に説明と謝罪に行ってくれ」

惚けている高野に坂田は言う。

「俺ですか?」

「営業と企画のスキルが必要になるだろうからな」

高野は”俺か…”とため息を吐く。

「で、どこの会社です?」

「シマノテックスだ!」

「え?……え~~~~~~長野県!」

「今日は前泊して明日の朝一で行ってくれ」

弓月は高野に打ち合わせするからミーティングルームに

来いと部屋を出ていく。

高野は大きなため息と共に肩を落とした。

今日の為の頑張りが一瞬で崩れ落ちてしまった…

隣を見ると今肩を叩こうと手が伸びている所だった。

そして…ポンポン…


急遽長野県に出張となり必要な物を取りに家に戻り

駅で弓月と待ち合わせをした。

その時に篤に事情を説明したが有崎の事を心配していた。

手が空いたら電話でもしてやれと。”分かった”

とだけ言って電話を切る。あの時の顔が思い出されて

心が重くなるのを感じながら部屋を出て駅へと向かった。

新幹線に乗り取引先への対応の相談を弓月としていた。

「弓月先輩、謝罪だけではなく手直しして提案書に

 してしまいませんか?相手も中を見ているはずですし」

「間に合うか?」

「間に合わせます」

「部長に相談してみるか」

弓月は電話を掛けに席を外した。高野は会社情報を探る。

そうこうしているうちに現地に到着し直ぐにホテルに向かい

提案書の作成に取り掛かる。

弓月の少し休憩しようの声で高野はパソコンから目を離すと

時間は21時を回っていた。

「みんな楽しんでいるかな…」

”タップ”でクリスマスパーティーはもう始まっているだろう。

そうだ、と弓月に断り電話を掛けに外にでた。

「もしもし、高野です。楽しんでる?」

相手は有崎だ。

「今日はごめんね、仕事になっちゃって」

「お疲れ様です。楽しんでますよ。高野さんが居ないのは

 ちょっと寂しいですが仕方がない事です」

「俺も楽しみにしていたんだけどな~残念!」

「高野さんの分まで楽しんでおきますね」

「うん、そうして!浩章もいるよね」

「……はい」

深い意味はなく浩章の名前を出したが有崎の反応に

マズった…と高野は思った。

「……飲み過ぎに気を付けて、何かあったら”俺の代わりに”

 浩章を頼ってね。」

「はい」

あれ?俺、なんかまずい事言ったか?有崎の反応がおかしい?

「ところで、有崎君の誕生日はいつ?」

「え?急になんで?12月30日です」

「名前に冬の字が使われているから今時期かなと思って

 30日ね。何か欲しい物を考えておいてくれるかな?お詫びに

 プレゼントするから」

「え?ありがとうございます…じゃあ、考えておきます。」

「ん!じゃあ戻るわ。楽しんでね」

「はい、無理はしないでくださいね」

「うん、分かった。」

電話を終えた高野は息を深く吐き何故かホッとして

いる自分がいることに気が付いた。この感覚は何だろうと

思いながら部屋に戻るとニヤニヤしている弓月がいた。

「誰と電話をしてた?彼女か?」

「いえ、友達です」

「あんな優しい顔をしながら電話をしていて?」

「え?見ていたんですか?普通ですよ」

そうかそうか、と頭をわしゃわしゃして言う。

「うわ、止めて下さい!先輩も家に電話しましたか?」

「したよ~、愛する家族に~」

弓月は昨年結婚し、最近子供が生まれた1児のパパである。

「お前には、色々と迷惑かけたな…今回もだが借りを

 作ってばかりだ…」 

弓月は昔を思い出してしみじみしている。

弓月が今の奥さんと付き合い、結婚に至るまで高野が

何かと手助けをした。何せ弓月はモテ男な為に大変だった。

「迷惑なんて掛かってませんよ」

ふわっと高野は笑う。

と、それより提案書!と言い高野はパソコンに向かうの

だった。



高野の提案が功を奏しなんとか事を収める事が出来た。

帰りの新幹線の中では案の定枯れ果てた高野の姿に

弓月は呆れ、駅で高野を引きずる弓月の姿があった!

「高野、ちゃんと歩け!」

「あ…歩いてますっ…て~」

高野の声が虚しく構内に響いた。



君の瞳に映る笑顔      ご覧いただきありがとうございます。

次回は土曜日「クリスマスパーティー」です。次回もよろしくお願いします。

                           あらかると

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