7:提案
どの話も内容が薄いです。
「いやぁ、予想の遥か彼方をいく答えでお兄さん驚いちゃったよ?」
夢で名前を知った?
ファンタジーもいいとこだな。
コイツにはメンタル的なケアをしてくれる病院を紹介してやるべきなのかもしれない…。
「そんな目で見ないでよ。……だから話したくなかったんだ」
気まずそうに視線を逸らす樒。
「スマン。…頭冷やすついでに落とした箸を代えてくる」
俺も気まずい。
箸を交換に行きつつ返答を考える。
以下、脳内会議。
「へ〜、そうなんだぁ。凄いね!」
ムリ!不誠実すぎる。
不真面目すぎる。
「本気で言ってんの?いい病院を紹介しようか?」
世間一般の常識から鑑みて一番ベターな返答。
社会的には100点満点。
友人としてはアウト。
「それって凄いな!…夢かぁ、そんな事もあるんだなっ!ある意味正夢だ」
友を信じる俺、カッコイイ!!
しかし、友を信じつつ肝心な所は誤魔化す。
俺って超策士じゃね?
俺の脳内会議は満場一致での案を可決にした。
席に戻り、しっかりと樒の顔を見る。
「もう一度、確認のために聞く。神楽ちゃんとは夢で一度会ってるんだな?」
「あぁ…」
さぁ、言うぞ。
「それって凄いな。…夢かぁ、そんな事もあるんだな。ある意味正夢だ」
言ってやったぞ。
さぁ樒よ、俺を讃えろ!
「あぁ。まさか正夢……夢で見ただけの女の子が隣りで寝てるとは思わなかったよ」
讃えられなかった。
でも、気にしない。
「だよなぁ。普通は有り得ねぇよ」
「…だよね」
気まずい空気。
樒が凄く可哀想に見えてくる。
ここで空気の読める俺が話題転換!
「あ!そういえば、今日の夕飯どうするんだ?」
「普通に外食を…」
「待て。邪推かもしれないが、職質されたらどうする」
「あぁ……」
樒が『今知った』と言うような顔をする。
…考えてなかったのかよ。
「今の神楽ちゃん自体、樒と神楽ちゃんの関係は色々とマズすぎる。普通に歩いてりゃ何ともないが、いざ職質されたら…」
「確かに」
「後日警察に行くとしても、心証を悪くしないために今は警察との下手なトラブルは避けたい」
「心証かぁ…」
「まぁ、かなりネガティブに考えた場合の話だけどな」
俺も関わってるし、身の安全は欲しい。
だから、安全な食事方法を提案をする。
「だから………三人で食べないか?樒の部屋で」
一度の更新で長く書ける書き手さんはすごいですね。
羨ましい・・・。