3:狼男
スタートダッシュだけは調子いいです。
※この小説は行き当たりばったりで構成されています。
―――夢を見た。
黒い雲が空を覆い、月明かりも弱い森の中。近くに見えるのは神社か寺か。
そこには、二足で立ち上がり呵々と語る狼男のような影がいた。
対して僕は大木の根元に腰を下ろしている。
丁度、狼男と向かい合うように、狼男を見上げるように。
傍らには縄と、白の半紙で作られた菱形が繋がったような紙が…ああここは神社なのかもしれない。
しばらくすると狼男が肩を震わせて笑いながら喋り出す。
「はっ!どうにも出来ねぇだろ!」
何が出来ないんだろうか。
「情けねぇなぁ!」
何が情けないんだろうか。
「哀れだなぁ!」
そんなに僕は哀れに見えるのだろうか。
「ははっ! がなけりゃその体たらくかぁ!」
?…、言葉にノイズが走り聞き取れない部分があった。
「大体、手前ぇに力なんて無ぇだろぉ!」
腕っ節なんて元から無い。それは自信を持って言える。
「阿呆だな!鎮められず、内に取り込むたぁとんだ阿呆だ!」
ん?何の話だろうか。
「どれだけ手前ぇの実力を過大評価してんだよっ!」
僕と狼男は話が食い違っている。それだけは分かる…気がする。
「尤もぉ、ガキを逃がす為に、隠す為にそうしたってぇ事だからなぁ!」
ガキ?逃がす為?隠す?
「しくじったぜぇ!」
さっぱりだ。訳が分からない。でも…。
「さぁ教えろぉ!ガキの居場所を!」
でも…。
「最早恐れるのはあのガキのみだぁ!」
逃げ延びてほしい。
「あと一歩だぁ!」
逃げ延びてくれ―――
神楽っ!
続きどうしましょう…。