22:転換
お久しぶりです。
「………と、いう夢をみたんだよ」
朝、樒の部屋に行くと、朝食を摂っていた樒に訳の分からない話をされた。
正直笑い話にもならない。
人の夢の話ほどためにならないものはない。
朝一の話題で昨晩みた夢について話すのはアリかもしれないが、なんていうか……オチがほしい。
樒の夢の話は明らかにオチてない。
「なぁ、樒。……起承転結の起すら終わってない話をされても困るんだ」
「まぁ夢だし。その辺はいいんじゃない?」
「いやいや。夢見るのは構わねぇけど、朝一からそんな話を聞かされた俺はどんなリアクション取ればいいわけ?」
「……せめて『すごいね〜』と返してほしいところだね」
「彼女じゃねぇんだから」
「夢を見て脳が情報を整理出来ても心はそうじゃない。だから夢を話して心を整理してるんだよ」
ファンタジーな夢を整理してどうするんだよ。そんな情報明らかにゴミじゃん。
「情報……とりあえずお前がロリコンなのは分かった」
「違うっての。夢では明らかにパパ目線」
「嫁居ねぇ上にやることやらねぇで子どもとか、コウノトリが子どもを連れてくる話を片親でやってのけてるんだな」
「むしろキャベツ畑?」
「笑えねぇよ」
と、言いつつも笑ってしまった。
「で、樒さん。今後はどうなると思いますか?」
床に転がっていたテレビリモコンをマイクに見立ててインタビュー。
「えぇ、我が娘は天真爛漫に育ち、中学生になるころには芸能事務所から引く手数多、モテモテ街道を爆進ですね、ハイ」
インタビューにわざとらしい口調で応える樒。やけにノリ良いなコイツ。
「それはスゴイですね!」
「まぁ近付いてくる有象無象は斬って捨てますがねっ!」
「ダメなパパの典型例じゃねぇか!」
「駄目で結構。軟弱な草ばっかり食べてるような人に愛娘は預けられません」
「…明らかに草が主食のお前に言われると無性に腹が立つな」
「子どもできれば京もきっとそうなるよ」
「そんなものかねぇ…。それじゃあ俺はそろそろバイト行くよ」
俺はそう言って話を終了させて立ち上がる。
「そう…、ところで何で朝から僕の部屋に来たの?」
「バイトまで暇だったから」
「あ、そう」
「樒は?」
「講義があるよ」
「バイトは?」
「休み」
「じゃあ、夜飯食いに行こう」
「了解。部屋に居るからバイト終わったら来……て………ね?」
突然樒の言葉が途切れ途切れになる。
「どうし…………た?」
樒に顔を向けると俺も気がつく。
床が、特に俺の足元が発光している。
「おい…なんだこりゃ?」
「わ、分からない」
発光は次第に強くなり、紫電が走る。
「っっ!?今、パチッていったぞしかも痛ぇっ!」
そして、光は俺を包み込んだ。
次をどうするか悩みます。