大西洋の波高し!!
フランスを解放した事でイギリス本土は平和になった。
空襲の危険が減ったからだ。
Uボートは未だに跋扈してるが、連合艦隊駆逐艦が狩りまくり、出撃を嫌がる艦長も出る様になったのだ。
アメリカは満州に大航空基地を構築し、満州からB17でソ連本土を空襲。
日本はイギリスを母港とし、大西洋を大暴れし続けた。
補充部品や燃料を本国から日本経由で絶える事なく送られ枯渇する心配は無い。
山本は日本の総責任者としてポーツマス軍港に勤め、指揮を執ってた。
合間を見て陛下にはスマホで通信し、戦果を報告してた。
「陛下、我が海軍航空隊は強いです。フランス解放の一端を掩護出来ました。」
「ウム、ご苦労であった。山本。兵にも宜しく言ってくれ。」
もちろん無傷とは行かない。
撃墜されたパイロットも10機単位だが出てる。
だが前史と違い、脱出を認められ捕虜になっても名誉は守られるので兵も安心して戦えるし、
捕虜の教育も施されていた。
前史では捕虜になったら解放されても自爆を強要し、結果として捕虜になったら機密をベラベラ喋る事になり機密がダダ漏れだったのだ。
特に士官は劣悪な環境に弱く、撃墜されて捕縛されるとアッサリと吐くのである。
所属部隊、愛機の性能までは自白しても大丈夫。
解放されたら軍に復帰出来るので、戦闘で死ぬ以外は不安無く闘えるのだ。
イギリス空軍は解放フランス空軍と共同で新鋭機、ハリケーンを供与しドイツとの決戦を継続。
日本海軍は海上から沿岸の基地を潰しまくる。
アメリカは満州から次々に進軍し、シベリアをまずは占領。
次にモスクワを目指す。
東西両方から攻められ枢軸国陣営は追い詰められる。
まず脱落したのが話にも出て来ないイタリアだった。
海上を日本とイギリスで封鎖され、航空戦力も話にもならず・・。
ムッソリーニを縛り首にしてクーデター発生。
連合軍に恭順してイタリアは脱落。
独ソ二か国が枢軸国陣営となるのだった。
そうなると焦るのがスターリン。
ヒットラーは既に腹を決めて敗北まで抵抗する予定だが、スターリンは寝返る魂胆だったのだ。
だが・・。
「同志スターリン、もし寝返るなら・・。分かりますよね?」
「・・・・・。」
ヒットラーはクレムリン宮殿に前史では完成してなかった原爆を仕掛けていたのだ。
さすがに爆撃機には搭載不可能だったが深夜に大型車両で10t規模の貨物と称して宮殿の地下に仕掛けたのだ。
さすがのスターリンもヒットラーの後先考えない狡猾さには負けた。
独逸は密かに原爆開発に成功してたのだ。
それをダークマン経由で知った山本は焦った。
アレを小型化されれば溜まらん。
何としてでも闇に葬らなければ。
山本はダークマンに土下座して原爆を秘匿してる工場や保管地を暴いて貰い・・。
「諸君、君等には決死で挑んで貰わねばならぬ。
この作戦こそが本大戦の山場となるだろう。
だが我が国はこの作戦を決行せねばならぬ。
敵は巨大な爆弾を設計、実用化寸前としてる。
その爆弾を実用化されれば・・。世界は魔の手に落ちるだろう。
すまぬが生きて帰れぬかも知れない作戦に君等を頼らねばならぬ。」
機密潜水空母、伊号400,401,403のパイロットの前で五十六は彼等に決死の作戦を依頼してた。
必死では無いが生きて帰れる可能性は低い。
連合国にも告げずに日本単独の作戦となるクレムリン、ヒットラー総統官邸爆撃作戦。
彼等の足元に原爆が埋まってるのだ。
そして前史ではユダヤ人収容所となってたアウシュビッツが原爆工場となってたのだ。
正確な位置を示す地図は航法士のみに渡され作戦終了時に廃棄する事を約束されてた。
出撃機は機密爆撃機、晴嵐。
双発のジェットエンジン搭載の爆撃機でマッハ1の速度を誇る音速機。
さすがにレシプロ機では敵の防空網を突破して要衝地帯をピンポイント爆撃は不可能。
マッハで突っ込んで敵の爆弾を破壊するのが使命。
五十六は今回だけは・・と伊号に乗り組み、彼等を見送るのだ。
原爆阻止作戦開始。




